「発明塾®」へようこそ!: 塾長の部屋(11)~「人生」について考える

2012年9月16日日曜日

塾長の部屋(11)~「人生」について考える

これまでの文脈からいろいろ書くべきことが有る中ですが、今日はここ最近のトピックから。

 偶然ですが、最近「仕事とはなんぞや」ということを、話す機会が度々ありました。僕の経験上、仕事について考えることは、人生について考えることそのものです。どこかで書いたかもしれませんが、僕の仕事に関する基本的な考え方の一つは、以下です。


「20才(ぐらい)~60才の平日の9時から17時という、まさに人生の黄金期の一番いい時間を”ぶち抜き”で使って仕事をする以上、そこでどれだけ意味(意義)のある仕事が出来るかは、そのまま人生のクオリティーに直結する」


そして、ここからは僕の経営哲学ですが、以下のように考えています。


「人生の黄金期を使ってもらう以上、能力が高まることで、個々人が充実した人生を送れるようになるという意味で、各自の能力を最大限開発し、大きな成果を出してもらうことは、本人と、それを取り巻く社会に対する、経営者の責務である


 基本的に僕は、充実した職業生活が、充実した人生につながると考えています。そして経営者は、そこに責任を持つ人でもある。経営者自身の人生は「会社がどれだけ社会に貢献できたか」で測られる。他の人の幸福そのものが、自らの幸福でなければならない。収益は、その指標の一つであるが、同時に、活動を継続するための手段に過ぎない。


 僕が最終的にこの結論に到達(確信)したのは、前者の方は27-8才ぐらいの時で、後者の方は32才ぐらいですので、いずれもちょうど「転職」した時期に重なります。転職のタイミングで人生について考えたのか、人生について考えたから転職したのか、今となっては定かではありませんが。



仕事(職)とは何か、何のために働くのか
資本主義とキリスト教、
いろいろ考えさせられる本ですよね

 高校生に「ああおもろかったと言える人生を送れ」「背負うべき業は何か」(注1)などと、よくわからないことを言う人との出会い。その時はピンとこなかったのですが、多分、上のようなことだったのだろうなと、勝手に理解しています。


さて。


転職せずとも、仕事と人生について考えるきっかけとして、読んで欲しい本が以下。


①「完全なる経営」A.マズロー

②「プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神」M.ウェーバー
③「人生の短さについて」セネカ

 ①は、経営者を志す人には必ず読んで欲しい本であり、②はいずれの人にも読んで欲しい本です。仕事とは何か。それはそのまま、人生を考えることです。③は、人生そのものの過ごし方についてダイレクトに問う本です。


 「何がやりたいか」ではなく「自分は何をすべきか(そして「なぜ」すべきなのか)」と考える。これはドラッカーが言った「やりたいことをやるべきことに」変える、ということの一つの意味です。自分(欲望)中心ではなく、世界(ニーズ・課題)を中心に置いて考えるということです。


「人生は短い、しかし、一つ何事かを成すには、充分である」(セネカ)


 何か一つぐらい、やってみたいと思いませんか。たぶん、一つしかできないので、それを何にするか、よく考える必要がありますが。。。


「少しぐらい面白いからといって次々と手を付けていては、何も出来ないうちに、あっという間に人生が終わってしまう」利根川進(ノーベル医学賞)



注1)「甲斐塾」 京都市伏見区に在る学習塾。楠浦は高校時代に在籍、大学時代は受験生に英語を教えていた。