第99回も無事終了しました。次回は100回ですか。10進法においては、ひとつのマイルストーンではあります。
さて今回は、前回に引き続き「書く」という作業を中心に、各自作業と討議を行いました。討議(講義?)トピックだけ挙げておくと、
①先行技術調査におけるKWをどう決めるのか
②先行技術と競合技術の違い
③発明を定義して、書く、ということ
④発明の発展段階と、ブレストの科学
この辺でした。①は、進歩性の審査基準から自ずと導き出されます。進歩性が理解できていない人は、参考資料の佐田先生論文を再度読んで、進歩性の審査基準を頭に叩きこんでおくこと。
進歩性を理解せずに、発明を詰めることは不可能です。皮膚感覚に落ちるまで、繰り返しトレーニングすることです。僕自身は、進歩性に関する調査を(弊社で仕事として受託して)大量に行なった結果、勝手に身につきました。頭脳に回路を作る作業なので、「進歩性の判断を繰り返しやる」以外に、身に付ける方法はありません。頭脳筋トレです。
脱線。
②は「新し」くて「勝てる」ものを考えるのが発明。新しさは、先行技術調査で決まり、勝てるかどうかは、競合技術調査で決まる。ただそれだけです。
③、実はこれが一番やっかいで、自分の発明が定義できないと調べられない。しかし、調べて比較対象が出来ないと、厳密に定義できない。どこまで何を定義すればよいか、は、実は①で答えが出ています。いつもどおり、僕のすべての話は(予め計画してあるので)つながっているのです。
④は、発明塾随一の理論家である Prof. Ozuka の解説によるものです。彼のお陰で、この2年で、発明理論を追求し尽くせた気がします。(Special Thanks to Prof. Ozuka !!!)
さて。
書く、ということについて以下2点注意点を。
・勉強したことを手当たり次第に書かない。発明とは「数学の証明問題」と同じ。必要最小限の材料(公理)で、できるだけシンプルに証明するのが、美しい回答。これは、甲斐塾の美学。発明塾の美学にします。
・書き足し、書き足し、を繰り返さない。下書き、清書、と進め、論理を洗練させる。これも数学の答案と同じ。答案を書き足すアホはいない。証明は、間違えたら消して書きなおす。書き足しがいけない理由は、部分観で付け足しを繰り返す結果、
「同じ事(や似たようなこと)を何度も何度も、くどくど書いてあって」「全体として論理が破綻した」
文章が出来上がるから。美しくないプログラムと同じです。
他、基礎的な論理構成能力や日本語力については、指定の参考書籍でトレーニングを。