楠浦です。3カ月ぶりの開催でした。
今回は、OBOGさんの持ち込み発明の
「発明提案書」
を討議しました。
いよいよ特許出願ですので、詳細な実施例と共に、
「どこまでの権利を取る必要があるのか」
を検討しました。
発明塾では
「どこまで取れそうか」
という議論はあまりしません。
できるだけ、
「どこまで取りたいか」
「そのために何をするか(実施例の拡充などを含む)」
を中心に議論します、
発明の視点を変えることで、ものすごく広い範囲の権利が取れることがあるからです。
これは、以前から丸島先生がおっしゃっていたことですが、具体例として「3M」の巧みな戦略に、多くのことを学びました。
さしてハイテクでもない分野で、昔から知られているような構造でも、あそこまで広い権利が取れるのだという事実を目の当たりにすると、
「どこまで取れそうか」
よりも
「どこまでの権利が取りたいか/必要か」
という議論の方が、重要だと誰でも気づくでしょう。
以下で教材化されていますので、起業したい方は是非視聴をおすすめします。
久しぶりの討議であったことと、参加したOBOGが発明の完成度を高めるための実験をどうしたらいいか、という話題が出たので、
「現物を触ることの重要性」
について、話をしました。
以下、参加者メモを楠浦が整理したもの(楠浦メモ)を、抜粋引用しておきます。
==楠浦メモ
・楠浦さんの原点にあるのは、川崎重工で設計から不具合対応まで何でも現場を見て、モノを触って、人に伝えて、を繰り返した経験
・仕様書や設計図では伝わり切らない部分、の解像度を上げるのが「現物を触る」という行為
・設計者の部屋にモノが転がってる理由 =発明をした上で現場を見に行くと設計者として力がつく理由
・自分の頭の中のモデルと、 実際に起こる現象との ギャップを埋めるには 「現場に行って、人に聞く」 しかない
・それをやっていくうちに、設計者としての本当の実力(顧客のニーズとのズレを事前に回避する力) が養われる
==ここまで
いつもお話ししている
「発明=設計」
のお話しですが、結局は設計者として
「現場」
と
「図面」
を毎日照合するという、
「気の遠くなるような膨大かつ泥臭い経験」
から、発明塾の手法は生まれているわけです。
もちろん、皆さんも同じ経験をするに越したことは無いのでしょうが、それはそれで非効率な部分もあるので、僕が体系化した手法を使うことで、ある程度ショートカットしてもらうのがトータルではよいのでしょう。
その分、考えることに時間が割けますから。
楠浦 拝