「発明塾®」へようこそ!: 発明塾@東京 年末のご挨拶(と第34回開催報告?)

2010年12月20日月曜日

発明塾@東京 年末のご挨拶(と第34回開催報告?)

さて、昨日は@東京の第34回でした。

だんだん書くネタもなくなってきたので(笑)、今日は年末年始に勉強する方に参考図書を紹介します。もちろん、発明もよろしく!でも普段より時間がありますから、まとまった勉強をぜひ。

ちなみに私の場合、この正月に中国語をカジる予定です。
こんな時でもなければ、まとまって語学の勉強なんてできないですから・・・

さて、それでは開始。


1.特許・知財関連の参考書
・「マイクロソフトを変革した知財戦略」
「発明先取り会議」を行って発明を創出し、特許権を先に確保することに、事業上どういう意味があるのか。マイクロソフトでの実際が、詳しく書かれています。特許についてある程度予備知識がある方がいいですが、なくとも、発明塾の取り組みとダブらせればある程度理解できるでしょう。
最先端の知財に対する取り組みの一端を感じることが出来ます。IV社がマイクロソフト出身のネイサン・ミアボルドとエドワード・ジュングによって設立されたことを考えると、IV社の取り組みとマイクロソフトの取り組みに大いにつながりがあるのは当然です。そこにも注意して、読み解くと楽しめるでしょう。

・「御社の特許戦略がダメな理由」
日本の企業は、一般論で言うと先のマイクロソフトの例より少し遅れています。日本の最先端の企業がどのへんにいるのかが書かれた本です。比較すると面白いでしょう。やはりアメリカの企業は一歩先へ行っています。逆に、少なくともここに書かれているようなことは、現時点で理解しておくべきでしょう。

・「企業人と理工系学生のための知的財産権概論―特許から著作権まで
大学生が読んで、単に面白かった以上のよい本(ある程度専門的で、将来も使えそうな本)がなかなか無いのですが、この本はそこそこ専門的に有名な事例を解説しており、大学3回生~社会人ぐらいまでカバーできます、すこし専門用語が多いですが、ググリながら読めばなんとか読めるでしょう。

・「特許の実践読本」
上記が少し難しい人にはこちら。読み物的で入りやすい、でも巻末にちゃんと条文などが入っている。大学1-3回生ぐらいが対象かな?

・「エンジニアのための知的財産権概説」
上記2冊の間になるのがこれ。少し古いので要注意ですが、考え方や特許の事例、調べ方に関する説明がとても分かりやすい。私自身も、これで勉強しました。

・「知的財産権とデザインの教科書」
すこし毛色が違いますが、サムスンの躍進に見られるように、現代の製品戦略では技術以上にデザインが重視されており、遅まきながら日本企業もその流れに乗ろうとしています。そういう意味で、今読んでおくといいと思います。

2.その他
・「保存食品開発物語」
Food Safety Monitoring, Sustanable Food Packeging に取り組んでいる人に。

・「加速するテクノロジー」レイ・カーツワイル
最先端テクノロジーを、エジソンの再来と言われる発明家、カーツワイルが読み解く。ちょっとした読み物。

・「イシューからはじめよ―知的生産の「シンプルな本質」」
京都の塾に参加してくれた方のおすすめ本です。今読んでいますが、普段発明塾でいっているようなことも書かれており、参考になるでしょう。知財とは関係ないですが、発明の切り口をどう選ぶか、の参考になります。

・「ビヨンド・エジソン」
研究というキャリアを考えている人には是非。日本で様々な独創的な研究に取り組んでいる人のインタビュー。


ツイッターにも書きましたが、

・丸島流に言うなら、技術とニーズと競合を先読み、深読みし、効率的網羅的にアイデアを出す。これが現代の発明戦略。
・そして、その発明群を権利化し制空権を確保した上で集中的に投資を行い事業にする。それが知財と事業。

この二つが、実は発明塾を通じて学んでほしいことであり、学生さんがいまから社会に出るにあたって間違い無く役に立つ知識であり、経験だとおもいます。

それらを身につけるためには、机上の空論ではなく、実践あるのみなのです。ある京都の方が「ビジネスプランコンテストに飽きた(もしくは飽き足らない)学生にはぴったりですね」と言っていましたが、たしかにそうかも知れません。起業した僕自身が現に楽しんでいる、という意味で、「発明」には起業にはない魅力があるのでしょう。


では、少し早いですが本年のまとめまで。京都も東京も年内は次で最後です。皆さん参加宜しく。