「発明塾®」へようこそ!: 東京MOT会「発想法WS」開催報告(12月18日)

2010年12月19日日曜日

東京MOT会「発想法WS」開催報告(12月18日)

さて、昨日12月18日@博士のシェアハウス(http://chizaisupport.jimdo.com/)にて、東京MOT会主催の「世界を変える発明発想法」WSを開催しました。(http://kokucheese.com/event/index/5906/

そもそもは、夏に開催を企画していたもので、私の怠慢によりMOT会幹事(特に小野崎さん)にはお手数をおかけしました(ゴメンね)

さて、最終12名の参加者で3時間、発明に取り組んでいただきました。

立命館大学では15時間位かかる講義を圧縮して実施しているので、当然いろいろ無理は承知なのですが・・・最終的には、いろいろな意味で?アツイ議論が戦わされたので良かったかなと思います。

ポイントを整理しておきましょう。

<講義編>
・10円玉ゲーム
各自10円玉を見て、気づいたことをとにかく書きまくる。で発表してもらいます。
他人の意見を聞くとそれも気づきになります。
その後、それをカテゴライズしてもらいます。
さらに気づきがあります。

ここでは、自分の見方の偏り、他社からの気づき、なによりも「スピード感」の重要性を知ってもらいます。

カテゴライズに「現在・過去・未来」が出たのにびっくりしました。こういう個性的な分け方が出ると、それだけで新しい発想が出ますので「勝ち」ですね。

「MECEは非創造的?」(http://edison-univ.blogspot.com/2010/12/mece.html)でも述べましたが、コンサル本などででてくるワンパターンの分け方を覚えても意味はありません。MECEはそもそも「もれなくダブりなく」分ける、というムダやミスを防ぐための、分類法の基本(注意点)を述べているだけであって、定形があるわけではありません。答えを覚えても意味はなくて、考え方を頭に入れておいて、それを自在に使いこなす「訓練」をしてください。訓練あるのみです。

ちなみに私は、フレームワークを覚えて乗り切ろうとする人を「フレームワーク病」と呼んでいます。覚えてもダメです。使えないと。そのためには、なぜそのような「枠」が意味があるのか、必要なのか、を「そもそも」から考える必要があります。

・発明の3原理
「構造化」「変換・組み合わせ」「引き出し」この3つの掛け算です。
異分野融合は、IPCなどの記号を使えば強制的に起こせます。そのためには、特許情報検索、分析のスキルが不可欠です。
Google検索は、「画像」検索に限ります。単位面積当たりの情報量が数百倍です。とにかく、インプットスピードを上げることが重要です。どんどん入力すると、どんどん気づきがでる。それをGr内でつぶやくことで共有し、「ネット世界」と「他人の頭脳」を自分の頭脳に「コネクト」するのです。

ですので、発明発想法において一番重要なスキルは「検索技術」です。これによって、ネット上の情報はすべて自分のものになります。人が一生に詰め込める知識はしれていますから偏っていますし、陳腐化します(もちろん、知っていることは重要です)、それを補完するために「検索」技術が必須になります。最新の情報を広く(偏りなく)知ることができます。

<演習編>
・テーマ:Natural lighting and Ventilation
自然光の利用(と換気や空調の問題)をトピックに取り組んでもらいました。
先入観を排除するため、まずはあまり説明をせずに開始しました。

・題意の把握、問題の設定
実はここでほとんど決まります。どの程度の大きさの(範囲の)問題に注目していくのか、「そもそも自然光の利用において何が問題なんだ」、そういうふうに考えることから始まります。それを知る(調べる)事から始まります。それには、特許が有効であることは話しましたね。

・Grワークの注意
これは、あえて話しませんでしたが、Grワークで画期的なアイデアを出すための鉄則は「遠慮はしない」「手加減しない」ということだけです。同時にブレスト段階では「批判しない」も重要ですね。

「そのアイデアはXXが問題だと思います」→「XXが問題かもしれないけどAAで解決できそう」
もしくは
「XXが問題になりそうやから、それを解決できる技術を探そうや!」

そういう風に、誰かのアイデアや発言を前向きに変換し、追求していくことです。

それと相反しますが、行き詰まったら「そもそも」にさかのぼって方向を大胆に変えることも重要です。

・最後に
Twitterで @2ndlb さんがつぶやいていましたが、「ラストワンマイル」「ラストワンピース」の課題を探すことも重要です。誰かが放置したものに、チャンスがあるのです。誰かが諦めたとしたら、それはあなたにはチャンスなのです。彼にはできない、気づかないけど、あなたにできること、気づくこと、それを追求するのです。

つまりは、「人がやらないことをやる」「人が考えないことを、考えない風に考える」ことなのです。

ではでは、みなさんぜひ、

「一日30分」
「毎週一回は数時間」

発明に取り組んでください。あなたの頭脳で解決を待っている課題が、世界には無数にあります。