立て続けにイベントが有ったため、まとめての報告となることをご了承下さい。
本Blogは、あくまでも塾生、ならびにOBOGとの情報共有や、討議の補足・振り返りのためですので・・・その役をまずは果たすことにします。
(つまり、起こったことを記録していく)
● Li電池のセパレータに「これから」求められること ~ 1月24日の発明討議
現在取り組んでいるテーマ、Li電池のセパレータについて、ここまで見つけた
「エッジ特許」
を整理した
「課題-解決ロジックツリー」(弊社商標)
を元に、議論を進めました。
エッジ特許の一つとして
「エマオス京都」
の登録特許に目をつけました。
(高分子多孔質体およびその製造法)
ここで、スルーしてはいけなかったのは、彼らが
「スピノーダル分解」
という、耳慣れない技術を用いていることです。
「なぜ、この技術にこだわらなければならなかったのか」
ここに、ヒントが有りました。
予備情報として、前回、
「3DOM」
という、とても均質な3次元多孔質体を作成できる技術を持つベンチャーを見つけたことが、役に立っています。
(3DOMの技術)
「分析とは比較」
であり、発明の分析の場合、発明同士の関係を、
「技術進化の流れ」
として、捉え直すことが重要です。
(詳細は、以下参照のこと)
(課題解決思考(2))
比較して考えれば、パッと見で、さほど安定的に微細多孔質を形成できそうにない、スピノーダル分解を使っていることに
「違和感」
を感じるはずです。
(僕は感じました)
どう考えても、3DOMの手法のほうが、多孔質の品質管理という点では優れているでしょう。
(技術の筋が良い)
「キヤノン特許部隊」、通称、「丸島本」の一つ。
私も丸島ゼミ生の末席の末席におります。
特許ではなく、「発明本」として読んで欲しいですね。
ゼロックスの特許網を打ち破る「技術進化」がどう生まれたか。
発明塾では、この本をヒントに「3M社」の特許網突破に挑みました。
そして「素晴らしいアイデア」が、いくつか生まれました。
しかし、共同出願分析や引用-被引用解析を行った結果、エマオス京都の技術は、どうやら今後のLiイオン電池用のセパレータ製造技術の一つとして、ある程度注目されている(いた?)ようだ、ということもわかってきました。
では、なぜスピノーダル分解か。
答えはどうやら
「材料(エポキシ樹脂の利用)」
にありそうだ、という仮説が得られましたね。
「耐熱性」
「強度」
という点から、オレフィン(熱可塑)ではなく、エポキシ(熱硬化)を使いたい、そういう
「意図」
があるのではないか、という
「仮説」
ですね。
(まぁ、考えれば当たり前ですが、検証確認、よろしくおねがいします)
状況証拠として、例えば
「セラミックコーティング」
されたセパレータが見つかりましたね。
(セルガードの特許)
他にも、複数のポリマーを用いたり、微粒子を配合したりと、いろいろな取組みがなされていました。
何の予備知識もなく、専門分野ではないところで、1ヶ月ほど毎週ちょこちょこと作業してここまでこれれば、まずは上出来でしょう。
エッジ特許を
「深く読み込み」
「比較して技術進化の流れで捉え直し」
「感じた”違和感”を手掛かりに、さらに情報を深掘りする」
たったこれだけの作業で、全く専門外の分野でも、驚くほど短い時間で、ある程度の課題を把握することができます。
では、この先
「どのような技術進化が予想されるか」(起こせる可能性があるか)
異分野技術をいくつか参照し、ヒントが出ました。
次回、そのあたり議論できるといいですね。
どういう知識とテクニックを使うのか、ということについては、以下を再度確認しておいて下さい。
(OBOGは、会社の教育訓練補助の制度などをうまく活用すると良いでしょう)
(発明塾式「共通言語」の作り方 ~ エッジ情報/特許情報が活用できる「思考回路」を創るために)
あとの報告は、手短に。
● 第3回 知財情報活用セミナー「医療機器」(1月27日開催)
講義で、対象企業について一通り紹介した上で、OBにも参加してもらい、投資部で日々行っていることを、そのまま行いました。スピード感や使っているツールに多少の差はありますが、投資部っぽいことが、少しできたかなと思ってます。
ご参加いただいた方、ありがとうございました。
もっと
「どんどん、その場で投資アイデアが出る」
感じにしたかったのですが、まずは今回の情報をしっかり読み直し、よい投資アイデアにつなげて下さいませ。
特許情報の解読は、慣れるまでは大変ですが、
「他の投資家が見ていない情報」
という点において、大きな武器になる可能性がある情報です。
(前回お話があったように、短期から長期まで、いろいろな使い方ができます)
(発明塾式「共通言語」の作り方 ~ エッジ情報/特許情報が活用できる「思考回路」を創るために)
も参照いただきながら、少しづつ実力をつけていっていただければありがたいです。
(繰り返しですが、企業人の方は、会社の教育訓練補助制度をうまく活用下さい)
次回の予定は未定ですが、また開催させていただきたいと思っています。
日々の作業でいいネタを仕込んでおきますので、しばしお待ち下さいませ。
それまでに、相場が少し良くなるとよいですね。
(取り上げた米国企業については、現在決算が続々出ているので、私も週末にでも読んで、わかったことを共有していきたいと思っています・・・)
● 京大東京工化会での講演「発明塾の創り方」(1月25日開催)
私は機械系の卒業生ですが、ご縁有って、化学系のOBOG会で話題提供することになりました。
所属学科でないことからくる気楽さ故か、あるいは、化学系の方々の懐の広さ故か(こっちでしょうね)、皆さんとフランクにいろいろお話をさせていたくことができ、大変楽しかったです。
お話した内容は、私のキャリアの話です。
千葉大学の学生さんも3名参加されるなど、大学や学科の枠を超えた、細かいことは気にせずオモロい人達で盛り上がろう、という会でした。
比較的若い方向けの内容であったかなと思っていたのですが、ベテランの方々にも、非常に熱心に耳を傾けていただいたことも大変印象的で、そのお一人から
私とこれまでの生きてきた密度が違う。
最近、流行のチコちゃんの言葉を借りると、「ボーっと生きてんじゃねーよ」と
自分に言いたいと申し上げておりました。
というご感想を、後日お寄せいただきました。
「まだまだ学ぼう、成長しよう」
という意欲あふれる方が多かったのかもしれません。
であったとすれば、それは素晴らしいことです。
投資セミナーでも度々お話しましたが、人生100年時代、その気になれば、まだまだいろいろやれます。一緒にやりましょう。
次回も、聴講者として参加する予定です。
楠浦 拝
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