楠浦です。新年一回目は、自身の発明の特許出願に向けて
「自身で特許明細書と請求項を作成した」
OBOGさんの持ち込み討議を行いました。
僕としては、分割出願も視野に入れて
「どの観点で取ると、(実質上)より広い範囲の権利が取れるか」
を考えながら、話を聞いていました。
参考にしたのは、以下の2つの講座で取りあげている
「3Mの特許・特許網」
です。OBOGさんには、発明塾で過去に作成した
「3Mの特許網分析レポート」
を共有しました。
このレポートは、「企業内発明塾」でも活用しています。過去塾生さんに感謝します。
今回は、化学系の発明なので、つい
「成分・組成をどうするか」
という視点に偏りがちですが、皆さんご存知の通り
「すこし成分・組成をずらした(変えた)、新たな発明」
により回避されてしまう可能性あります。組成や成分のパラメータだけに頼らず
「利用時の形態」
を想定して、よい権利の取り方が無いか、という討議をしました。
今回は、
「熱帯雨林の保護」
が一つのテーマになっていますので、
「普及のための、オープン・クローズ戦略」
も重要です。
経済学で
「共有地の悲劇」
と呼ばれる
「みんなのものは、誰のものとも思われず、結果として、放置されて荒廃してしまう」
現象があります。
良く挙げられる例として、
「共有地である牧草地に、牧場主が牛を放牧する場合、自身の利益を第一に考えると、できるだけ短期間に、共有地の牧草を自身が飼う牛に食わせたほうが良く、その結果として、共有地である牧草地は一瞬で荒れ地になる」
があります。
多くの、いわゆる
「環境問題」(廃棄物の不法投棄などを含む)
は、同類の問題だとされています。
今回、せっかくですから、熱帯雨林の破壊を食い止めるために
「技術と知財」
を駆使した提案、具体的には、上記のような
「人間心理」
を逆手に取った、オープン・クローズド戦略を踏まえた提案が、支援機関や各国政府にできるとよいですね。
世の中をより良いものにしていくために
「技術と知財」
ができることは、まだまだありますよ。
楠浦 拝