「発明塾®」へようこそ!: 11月 2010

2010年11月29日月曜日

発明塾@東京 第32回開催報告

はや、32回。通年みっちりやると52回のハズなので、まだまだ道半ばというところでしょうか?

さて今回は、参加者のテーマである「プレハブ」と「音を使ったAR技術の新たな用途」について、ブレストを行いました。

「プレハブ」の方は、塾生さんのレベルも上がってきたため、あらかじめ準備した「特許情報分析データ」を用いてのブレストを行いました。特許のデータはどう読むのか、FTと年次データと出願人別データ、その見方、それを踏まえた狙い方を説明しました。

これは、12月6日に行われる予定の発明家のイベント(非公開)でも、話す予定です。普段、社会人向け(=企業で)のセミナーなどでも、全く話さない内容です。別に秘密にしているわけではありませんが、1日程度のセミナーでは、そこまでいかないんですよね。。。まぁ、無理に教える内容でもないですし。企業にいる方皆さんが、画期的な発明をしたいと思っておられるわけでもないでしょうから。

ということで、実は発明塾では、企業向けで教えていることよりもはるかに高度なことを教えています。繰り返しですが、別に、企業向けには秘密にしているわけではありません。発明塾の塾生さんは、皆さん継続的に取り組まれていますから、そういう事が出来ます。高度な能力を身につける、ということは継続的な取り組みでしか、成し得ません。

この点は、強く意識してください。何もしなければ、能力は低下する、だから、低下する前にどんどん練習することで、鍛えることができる。スポーツと同じです。早く走れるようになるには、毎日走るしかありません。速く走る方法、みたいなセミナーを1回受けても、それを繰り返し実践しなければ、さほど早くはならないと思います。たぶん。

「力」をつけるには、それなりの時間がかかるのです。当たり前ですよね。

脱線しました。

で結論は、やはり画期的な発明が出ました。そもそも、画期的な発明をコンスタントに出すために、私が独自に開発して(こっそりつかっていた?)手法なのですが、やはり目の前で他の人からいきなりいいアイデアが出ると、すこしびっくりします。

実際には、ある程度特許のデータを読み、また、関連技術をきちんと検索できる能力がないと分析データだけ見てもわからないので、この手法は人を選びますが・・・・。

今回は、発明塾でも一番の実績を出している塾生さんなので、試してみました。

ある程度のレベルに達した塾生さんには、今後もこの手法を試してもらおうかと思います。

ではでは。


2010年11月26日金曜日

発明の進め方

まずは、一ヶ月に1件を目標に、スケジュールを組んでみることです。

1週:調査&発表討議、アイデア出し
2週:討議内容を元にさらに調査、アイデアを絞り込み、実現性のFS
3週:SRを書き始める>1回目のコメント
4週:最終提出に向けて仕上げ。

こんな感じで考えましょう。

2010年11月25日木曜日

発明塾@京都 第15回開催報告

第15回は、10名の参加者で開催されました。
(午後にIntellectualVenturesの方を招いてのイベントもありましたので、そこで興味を持った新たな2名の参加者がありました。)

さて、今回は2つのRFIトピックについて討議を行いました。

いつもの繰り返しですが、発明を行う際には、まずその分野がどうなっているのかを調べて自分なりに理解し、整理しておくことから始まります。順序が逆かもしれません。整理しつつ理解する、のが正しいのでしょう。

具体的には、
・RFIをじっくり読んで、その分野で何が問題なのか、どういう事がすでに行われているのか、を把握する。
・その情報を、「マインドマップ」に整理する。
・さらに、ネット検索、特許検索でその分野のことを徹底的に調べ、わかったこと、面白そうな情報(特に新たな切り口に繋がりそうな情報)を、マインドマップにどんどん追加していく。
・この段階で思いついたこと、「こういうモノがあったらいいんじゃないか」ということも、マップ上にカテゴライズして追記していく。
という作業を、どんどん続けます。

たとえば私の場合、以下のような感じです。基本的に空き時間に発明をしています。普段は地道に企業を回って、知財教育の営業(これが本業)をしてますから、そんなに時間はありません。

・RIFを読んだらまずその内容をマインドマップにして、PDFにしてiPhoneに入れます。iBookという電子ブックリーダーでPDFを管理しています。ちなみに、RFIもiPhoneにいれています。非常に便利ですね。
・時間があれば、そのマップを見ます。
・思いついたこと、関連する新しい情報を入手したら、ノートにメモするかメールで自分宛に送っておきます。
・また、同時に関連情報をiPhoneでネット検索や「かんたん特許検索」(iPhoneアプリがある http://kantan.nexp.jp/release/20100707.html )で検索し、先行技術の有無、特にどれぐらいの数のものがあるか、どんなものがあるかを見て、場合によってはそれをたたき台にしてさらにアイデアを出します。「すでにある技術」を見極めてから、アイデア出しに入るのがポイントです。さんざん頭をひねって「それ既に実用化されてました」は、時間がもったいないですから。。。時間は有効に。
・普段は出歩いているので、iPhoneを使って上記のような作業を空き時間に繰り返していますが、それだけでは「詰める」事はできないので、高速インターネットが使える環境で時間を確保して、「徹底的に調べまくり」ながら、アイデアを詰めていきます。主に「どうやったらそのコンセプトが実現できるか」を考えるステージですね。
私はこれをやる日を「発明の日」と呼んでいます。あとは、RFIのマップ化もある程度時間を取らないと難しいですね(iPhoneではマインドマップは描けないので・・・)

ちなみにマインドマップは、
がおすすめです。無料なので。会社では MindManeger という有料(結構高い)を使っていますが、実際は、さほど差はない気がします。

テキストのベタ打ちでは、概念の階層性を整理するのが難しいですし、ある概念を中心に発想を広げるのも「俯瞰」できないので制約が出ますが、マップにすると割と広がりやすいのは事実です。何でもマップにすればいい、とは思いませんが、情報整理、アイデア出しの初期には有効です。詰めていく時点では、テキストベタ打ちのほうが有効です。広げる必要がありませんから。ということで「広げる」段階ではマップは有効です。

次回から、発表者は以下準備しておいてください。
・RFIを読んで内容を理解する。掲載されている参考文献も、リンクがあるなど入手しやすいものは目を通す。
・理解した内容を一度マップにする。
・さらに、ネット検索、特許検索で情報を集め、マップに追加して整理していく。
・概念の階層性を考えて整理する。

この時点では、「発明」の「は」の字もありませんが、ここがすべてと言ってもいいでしょう。これがないと、例によって「浅い」議論になり、さんざん考えた挙句に「それって既に実用化されますけど」ってことになります。

調べていくと、アイデアが思いつくことがあります。それも、マップにきちんと整理して、ついでに既にないか、ネット検索と特許検索で確認しておきましょう。すでに世の中にでていれば別ですが、特許が出ていてもがっかりする必要はありません。「まだ世の中に出ていない」理由があるはずです。それを考えるのが「課題の発掘」です。ほとんどの発明はここで決まります。課題が決まれば、それを解決する技術を「探す」だけです。

事前の調査がすべてを決めます。

自分なりにその分野を理解して、情報を整理することが重要なので。自分で理解していないことについて、アイデアを考えることは不可能ですし、皆と議論することも不可能です。

1に調査、2に調査。Google画像検索と「かんたん特許検索」を駆使して、その分野を「調べまくって」ください。そのなかに、かならずヒントがあります。

僕自身、調べまくるからこそ、全く専門外の分野でもバリバリ発明が出るのです。

繰り返しですが、調べる癖をつけてください。

塾で討議中も、誰かのアイデアを聞いたら、すぐに調べる。ぼーっと聞いている暇はありません。意見、情報はどんどん調べる。それが発明塾です。考えるのはそれからでも遅くありません。調査はすべてを省略します。「すでにあること」を再度考えるほど、無駄なことはありませんからね。。。

2010年11月22日月曜日

発明塾@東京 第31回開催報告

第31回も無事終了いたしました。さすがに31回目ともなると、初期の頃から考えると様々な進歩があるものです。

さて、今回は「水質浄化」のRFIに基づき、議論をしました。既に絞り込んだ課題があるため、それに対して「既存の技術はどうなっているのか」「それが対象としている課題はなにか」「その技術自体の課題はなにか」を整理する形で始めました。

いつも言っていることですが、いきなりアイデアに飛びつくのではなく、まず課題を定義し、それに対しての既存のアプローチを調べて整理し、切り口化してまとめ、マップにすることが重要です。まずこれが第一段階です。もちろん、整理する中、調べている中で思いついたことは、このマップに入れていきます。(わかるように!)

その中で、まだあまり手がけられていないと思われる「切り口」を探す、もしくは全く新たな「切り口」を導出し、それにしたがってアイデアを出していきます。

いきなりアイデアを思いついた場合には、以下のような「自問自答」を行って、切り口を出します。

「そのアイデアは、具体的に何の課題を解決するのだろうか」
「そのアイデアの特徴はなんだろうか、上位概念化できないか」

これにより、対象の課題を明確化し、切り口を設定することができます。その上で、さらにアイデアを追加し、当初のアイデアから網羅的に広げていきます。

・問題を把握する=RFI、ネット検索で、まずその分野、そこで起こっていることを理解する。
・取り組むべき課題を定義する
・既存の技術を調べられる限り調べ、整理する(切り口に従ってまとめる、というか、まとめて「切り口」をつくる、ラベリングする)
・有望と思われる切り口=まだあまり手がけられていない切り口に対して、アイデアを出していく。その切り口が持つ固有の欠点などがあれば、再度それを「課題」に設定して、その「課題」に対して集中的にアイデアを出していく。
・とにかくまず「網羅的」にアイデアを出す。
・アイデアが出尽くしたら、アイデアを評価し、シンプルで効果的=インパクトが高いと思われるアプローチについて実現可能性を検討する。
・実現可能であることを「証明する」=SRの作成

これが手順です。といっても、手順を暗記しても意味がありませんので、この手順に従って、まずは既存技術を整理してマップにするところまでやってみるといいでしょう。問題の理解、課題の定義と既存技術の把握なしには、始まりません。ここに時間をさくことが重要です。

さて、昨日は塾の終了後、ラピッドプロトタイピングの「Fablab」 http://fablabjapan.org/ のイベントに飛び込み参加してきました。正確には、greenz http://greenz.jp/ さんのイベントに Fablabさんが参加していたところに参加、ということになりますが。

もともとモノづくり大好きな私としては、ラピッドプロトタイピングの環境は非常に面白いなと感じました。皆さんの発明をこういう環境で実現する、というのも面白いかもしれませんね(物によりますが)。Intellectual Ventures のプログラムには、まとまった研究費が出るプログラムもありますから、いいアイデアと認められれば、モノを作ることもありえます。

ぜひ、そういうアイデアが出るように頑張りましょう!

では!

2010年11月20日土曜日

発明塾土曜日 第6回開催報告

土曜日開催も早6回。

今回はあらかじめ課題を絞り込み、かつ、解決策の切り口についても事前検討した上で、ネタを持ち込んでもらいましたので、非常に濃い議論ができました。

具現化できそうなアイデアが2-3出ました。

そのうちの一つについて、今後さらに調べて詰めていただくことになりました。

いつも言っていることですが、「すぐにアイデアに飛びつく」のは得策ではありません。まず、何が課題なのか、また、どういう課題に対してどの様に取り組まれているのかを広くネットと特許検索で調べ、構造化して整理し、どこに可能性があるのかを見定めることが重要です。またこれにより、すでにあるものを「あらたに?」考えて討議するという無駄を省くことが出来、レベルの高い議論ができます。すでにあるものについて、討議しても仕方ありませんから。

また、アイデアを出す前に「切り口」を定め、ある切り口に基づいて網羅的にアイデアを出すことが重要です。あるいは、たまたま思いついたアイデア(あるいはたまたま見つけた面白い情報)があったとして、それを「上位概念化」し、切り口化して(ある種、一旦戻る)さらに他のアイデアを求めていくことで、シンプルで斬新な解決策を導き出すことが出来ます。

他、今回気づいた点としては、ある面白い切り口、「コンセプト」があったとして、それがその課題に適用できなかった場合に、そのまま捨ててしまわないということです。
せっかく調べて得た「コンセプト」ですから、そのコンセプトが「何を解決できるのか」を概念化して考え、他の問題に適用できないか考えてみることです。あるいは、マクロ的には使えないが、マーケットを細分化したときに適用できるのではないか、と深掘りしてもいいでしょう。

発明、と言っても、ある段階ではマーケティング的な発想と交互に考えていく柔軟性が必要です。


そういえば、以前こんなことがありました。

ある塾生さん(学生さん)が、なかなか面白いコンセプトを考え、私はそれが「プライバシーをマスクした画像の取得に利用出来るのでは?」と考えました。他の方から(この方は社会人)、わざわざそんなモノを開発するよりも、普通に画像をとってソフトで処理したほうが早いのでは?という意見が出て、そのコンセプトはお流れになりました。私自身は非常に残念だなと思って見ておりました。
>ブレストの基本は、アイデア出しの時は批判しないこと。 

結局そのアイデアはどうだったか。

つい最近、やはりプライバシーの問題から「漠然とした画像を取得できる技術」が必要とされており、実際に開発されているという記事を読みました。画像取得してからソフトで処理するよりも、シンプルで情報管理も容易(プライバシーという意味では、個人が特定できる画像を取得する事自体が問題である)ということだそうです。

私が「個人が特定できる画像を取得する事自体が問題である」という問題定義に気づいていれば、あのアイデアは、その塾生さんの発明として出ていたかもしれません。惜しいことをしました。

ということで、やはり課題定義、問題定義が重要であるということ、改めて痛感しました。アイデアを思いついた際に「それは何の問題を解決しようとしているのか」「上位概念化して、切り口にし、それに基づいで幅広くアイデアを出す」ことを、心がけてください。

以上。

2010年11月17日水曜日

発明塾@京都 第14回開催報告

京都での第14回も無事終了しました。

今回は、Ubicom関係のRFIの読み込みと、SRのレビュー、新たなトピックでのブレストを行いました。

各自がテーマを決めた後の作業について、改めて整理しておくと、

①RFIをよく読む。末尾の参考文献などもふくめ。
たとえば今回のRFIでは、末尾の参考文献(XEROXのPARCの資料)が、ものすごく参考になります。RFIには情報が詰まっているので、熟読し、それが具体的に何を意味しているのか(特に現状と課題、求められる方向性)を、まずしっかりと把握して下さい。

ちなみに参考) XEROXのUbicomp関連資料。むちゃくちゃ面白い。

②さらに現状を具体的に理解するため、「Google画像検索」や「かんたん特許検索」で、現時点でどこまで実現されているのか、実現されていないけどアイデアレベルではどこまで提案されているのか(これは特許検索結果とGoogle検索結果の「差」でわかる)、を把握し、マップに整理する。

③マップに整理する際には、概念化(切り口化)を行い、カテゴライズしていく。カテゴライズすると、まだアプローチの余り無い分野、大量にやられている分野が見える。

④現状をまとめたマップに、自分なりのアイデアを付け加えていく。色を変えて書きこんでいくと良い。最初は、できるだけ沢山のアイデアを出す。

と、この辺までが準備できていれば早いですね。少なくとも、②か③ぐらいまでできていれば、議論で④をやっていけば、多数のアイデアがあっという間に出ます。

出たアイデアに関しては、あとで改めてランク付け(評価)を行い、そのなかで有望と思われる複数のものを選択して詰めていきます。最初から一つの「すばらしい」解決策を出そうと躍起になっても、そうそう出るものではありません。
まず、凡百のアイデアをそれこそ「百」出すことを心がけ、その中から光るものを探し出し、磨いていく、そんな作業になります。

マクロからミクロへ。これが発明の鉄則です。

もちろん、「ひらめいた!」って時も有りますけど。それは、上記のような作業の副産物、発明の神様の「贈り物」であって、それに頼るものではありませんね。

他、アイデアを図にする、という点で参考になる本がありましたので紹介しました。

「アイデア・ドローイング」 http://amzn.to/cBY3CO

すでにあるものをスケッチする、というのとは又違う難しさがありますが、何かをクリエイトする立場になりたい人は、このスキルは必須です。わたしも設計者になってすぐ、スケッチの練習をしました。下手なスケッチでは、企画や提案が通りませんので・・・・。

私:「こういう部品にしたいんですけど!」
上司:「ブサイクな部品やなぁ、ホンマにこれで大丈夫か?」
私:「いや、絵が下手なだけなんで・・・」
上司:「でも、これじゃどんな部品かわからんな、ボツ」

実際に有った事件です。

発明塾では、「単に面白いことを考える」というレベルに留まらず(そういう奴は掃いて捨てるほどいます)、それを具体的なストーリーにして提案する能力を鍛え、なによりも「実績を出す」ことを目指します。

今後も宜しく。

2010年11月16日火曜日

海外特許の検索

海外特許を直接探す前に、その日本特許の関連海外特許が出ていないか探そう!
具体的には「ファミリー特許」を探す事になります。

ファミリー特許って?

・絵もあって、やり方がわかりやすく解説

・実際の事例

2010年11月15日月曜日

発明塾@東京 第30回開催報告

東京第30回も終了いたしました。

久々の復帰組も交えて、水処理関連のテーマに取り組みました。

環境問題、を取り扱うテーマの場合に気をつけたいこと。
それは「コスト」です。

別に、単に低コストにしてほしい、と言っているわけではありません。
(もちろん、それはあらゆる場面で必須な考え方ですが)

そのコストを誰が負担するのか、という視点が必要ということです。

「共有地の悲劇」という経済学用語があります。環境問題とは、従来の経済学で言うところの外部経済(不経済)として捨て置かれていた部分の問題です。これを取り込んだのが、「環境経済学」「エネルギー経済学」「資源経済学」といったジャンルです。

・誰もコスト負担できない→できるだけ安い仕組み(エネルギーを使わない、自然エネルギーで賄う)
・誰にコスト負担させるか→何に使うか→誰が使うか・・・

という風にブレークダウンしていけば、難しく有りませんね。

環境系のトピックに取り組んでいる人は、少しこの視点を入れてみてください。

また、環境自体を変える(水や空気)だけではなく、

・利用者を変える(遺伝子組換え、耐性を持たせる)
・利用者と環境の接点を変える(何かと一緒に摂取すると無害になる、など)

のように、「何を変えるのか」という視点もあります。このへんは、発想法ですね。
柔軟にいきましょう。

では、次回も宜しく。

2010年11月11日木曜日

発明塾@京都 第13回開催報告

早いもので13回ですね。京都もすっかり寒くなりました。
紅葉が綺麗な時期で、観光客でごった返していますね。

さて、今回はSR2件の検討と、アイデア発表2件となりました。Intellectual Venturesのスタッフの方にも参加いただき、いろいろとコメントも頂きました。

今回の討議で、改めて

・アイデアをどう表現するか
・課題をどう設定するか

この二つが、発明の肝であることがわかったのではないかなと思います。

最初に考えたアイデアを元に色々調べて、本当に問題になっているのは何か、を討議することが重要です。最初のアイデアは、あくまできっかけに過ぎないのです。

また、これも繰り返しですが、調べて大量に情報が出てくる場合には、その部分についてさらに細かく考えるのではなく、「こんなにたくさんアイデアがあるのに、なぜ実現されていないんだ?」と考えることが重要です。

あとは、スピード感でしょうか。ある程度のテンポで仕上げてしまわないと、コネ回しているうちに逆に自分で本質が分からなくなる場合もあります。

テンポよく取組み、仕上げていくことが重要なのです。

2010年11月8日月曜日

発明塾番外編@東京

本日は、すでに案内済みの以下のセミナーに参加してきました。

「最先端サステナブル・テクノロジー・セミナー~環境技術とオープンイノベーション~」

本日私は、Intellectual Ventures Japan 総代表 加藤 幹之 氏の特別講演:
「IV社研究所のサステナブル・テクノロジー」 (18:30-18:50) 
のみの参加(懇親会)でした。

現地でお会いした塾生の皆さん、お疲れ様でした。加藤さんのお話、なかなかユニークなIVの研究が紹介されておりましたが、これらは、IVのHPで紹介されています。

この中には、彼らのラボのビデオツアーもあります。面白いですよ。

これらにインスパイアーされて、もっと面白いことを色々考えましょう。

ではでは。

2010年11月4日木曜日

発明塾@京都 第12回開催報告

第12回は、東京からのゲストも交えて開催しました。

京都もだいぶこなれてきた印象を受けました。この調子で、どんどんアイデアを出し、詰めていきましょう。

さて、今回はすでに仕上がりつつあるSR(Solution Report:発明をまとめたもの)2件と、アイデア1件を取り上げて討議しました。他の人から見て、自分の発明がどう見えるのか(あるいは見えないのか=どこがわからないのか)を考えてみることは「発明の本質がなにか」「何が新しいのか」を考える段階でも非常に重要ですし、新たしいアイデアを人に伝える段階でも非常に重要です。

いつも言っていますが、新しいアイデアというのは、それが新しければ新しいほど、他人にはすぐには理解されません。だから新しいわけです。

なので、理解されないからといって、諦めてはいけません。むしろ見込みがあるぐらいに思って、どうすれば理解されるか、考えたほうがいいでしょう。

また、アイデアを思いついた段階で、その本質・何が新しいのかがすぐにピンと来ない場合には、類似の技術、比較されそうな技術(や製品)を見つけて、それと何が違うのか、その違いがどういう意味を持つのか、一つ一つ隅々まで洗い出し、ロジカルに詰めて考えることが重要です。

特許業界では「先行技術調査」などといって、人に任せたりしますが、この作業が発明の本質なので、実際には人に任せることはできません。発明家自身が、自分のアイデアを様々な角度から捉え直し、比較されそうな技術・類似と言われそうな技術を探し出し、比較することが必要です。それによって、アイデアをさらに磨くことができます。

もっとも、学生さんの場合には比較できそうな技術がすぐに思い当たらないこともあるでしょうから、「情報検索」をフル活用することになります。また、塾で他の人と議論したり、幅広い技術分野に精通した人に聞くこと(発明塾大人組)も重要です。

繰り返しますが、思いついたアイデアを「面白いアイデア思いつきました」でとどめておくのではなく、「何が今までと違うのか」「何と比べると何が違うのか」「その違いはどういう場面で意味を持つのか」と、どんどん論理的に突っ込んでいくことです。そうして、狭いポイントに絞り込んで考えることで、「ひらめく」こともまた多くなります。エネルギーが集中できるからです。また、他人からもアイデアを引き出しやすくなります。

漠然と広く考えていると、どうしても考えが浅くなります。

そうではなく、一つづつ深く考えて、行き着くところまで考えてダメならそのコンセプトは捨てて、違うことを考える。そういう風にして、「結果的に」広く考えていくことが重要です。

実は、仕事でも全く同じで、漠然とした(わたしはこれを「ふわふわしている」と表現する)ことを何時までも漠然と考えている人がいますが、物事はこれでは進みません。

漠然とした中から、まずある領域を絞り込んでそこについて徹底的に調べ考える。そして結論を出す。いいアイデアが出ればいいし、でなければ潔く諦める。で次の領域を又攻める。これを繰り返すことで、「結果的に」広い領域を、深く掘り下げることが可能になります。

では、その「領域」をどう決めるのか。

実はそれが最大のポイントで、私の発明のノウハウになります。

ある程度発明に取り組まないと、実感として理解出来ないので(話として理解できても、実践できないので、意味が無い。いわゆる「身体知(注)」にならない。)、これは皆さんのレベルが上がった段階で、個別に指導することにしています。

ぜひ、一日も早くそういうレベルに達してください。

では。

(注)身体知の議論は、「知識創造企業」野中郁次郎 参照。経営学(組織理論)の名著ですので、興味ある人は購入して読んで見て下さい。たとえば、以下のような議論です。

発明塾@京都 第12回開催報告

第12回は、東京からのゲストも交えて開催しました。

京都もだいぶこなれてきた印象を受けました。この調子で、どんどんアイデアを出し、詰めていきましょう。

さて、今回はすでに仕上がりつつあるSR(Solution Report:発明をまとめたもの)2件と、アイデア1件を取り上げて討議しました。他の人から見て、自分の発明がどう見えるのか(あるいは見えないのか=どこがわからないのか)を考えてみることは「発明の本質がなにか」「何が新しいのか」を考える段階でも非常に重要ですし、新たしいアイデアを人に伝える段階でも非常に重要です。

いつも言っていますが、新しいアイデアというのは、それが新しければ新しいほど、他人にはすぐには理解されません。だから新しいわけです。

なので、理解されないからといって、諦めてはいけません。むしろ見込みがあるぐらいに思って、どうすれば理解されるか、考えたほうがいいでしょう。

また、アイデアを思いついた段階で、その本質・何が新しいのかがすぐにピンと来ない場合には、類似の技術、比較されそうな技術(や製品)を見つけて、それと何が違うのか、その違いがどういう意味を持つのか、一つ一つ隅々まで洗い出し、ロジカルに詰めて考えることが重要です。

特許業界では「先行技術調査」などといって、人に任せたりしますが、この作業が発明の本質なので、実際には人に任せることはできません。発明家自身が、自分のアイデアを様々な角度から捉え直し、比較されそうな技術・類似と言われそうな技術を探し出し、比較することが必要です。それによって、アイデアをさらに磨くことができます。

もっとも、学生さんの場合には比較できそうな技術がすぐに思い当たらないこともあるでしょうから、「情報検索」をフル活用することになります。また、塾で他の人と議論したり、幅広い技術分野に精通した人に聞くこと(発明塾大人組)も重要です。

繰り返しますが、思いついたアイデアを「面白いアイデア思いつきました」でとどめておくのではなく、「何が今までと違うのか」「何と比べると何が違うのか」「その違いはどういう場面で意味を持つのか」と、どんどん論理的に突っ込んでいくことです。そうして、狭いポイントに絞り込んで考えることで、「ひらめく」こともまた多くなります。エネルギーが集中できるからです。また、他人からもアイデアを引き出しやすくなります。

漠然と広く考えていると、どうしても考えが浅くなります。

そうではなく、一つづつ深く考えて、行き着くところまで考えてダメならそのコンセプトは捨てて、違うことを考える。そういう風にして、「結果的に」広く考えていくことが重要です。

実は、仕事でも全く同じで、漠然とした(わたしはこれを「ふわふわしている」と表現する)ことを何時までも漠然と考えている人がいますが、物事はこれでは進みません。

漠然とした中から、まずある領域を絞り込んでそこについて徹底的に調べ考える。そして結論を出す。いいアイデアが出ればいいし、でなければ潔く諦める。で次の領域を又攻める。これを繰り返すことで、「結果的に」広い領域を、深く掘り下げることが可能になります。

では、その「領域」をどう決めるのか。

実はそれが最大のポイントで、私の発明のノウハウになります。

ある程度発明に取り組まないと、実感として理解出来ないので(話として理解できても、実践できないので、意味が無い。いわゆる「身体知」にならない。)、これは皆さんのレベルが上がった段階で、個別に指導することにしています。

ぜひ、一日も早くそういうレベルに達してください。

では。

2010年11月1日月曜日

発明塾@東京 第29回開催報告

今回は、参加者些少につき今後の発明塾に関する作戦会議としました。

「合宿形式がいいのでは?」「技術の勉強会ももっとやっては?(例えばロボット)」

などなど、色々なアイデアが出ました。

皆さんも、こういう企画を発明塾の一環でやってくれ(課題の理解を深める、解決策の幅を広げる)というものがあれば、是非ご提案下さい。

次回11月8日は、通常の発明塾はお休みで、以下のイベントの懇親会に参加します。
最先端サステナブル・テクノロジー・セミナー~環境技術とオープンイノベーション~
Intellectual Ventures Japan 総代表 加藤 幹之 氏の特別講演:「IV社研究所のサステナブル・テクノロジー」 (18:30-18:50) をみんなで聞きましょう。
http://www.e-wei.co.jp/sustainable-tecnology_seminar.html

時間が許せば、加藤氏にもご挨拶をしたいと思っておりますので、同行する人は連絡を!

ではでは。