「発明塾®」へようこそ!: 発明塾@京都 第15回開催報告

2010年11月25日木曜日

発明塾@京都 第15回開催報告

第15回は、10名の参加者で開催されました。
(午後にIntellectualVenturesの方を招いてのイベントもありましたので、そこで興味を持った新たな2名の参加者がありました。)

さて、今回は2つのRFIトピックについて討議を行いました。

いつもの繰り返しですが、発明を行う際には、まずその分野がどうなっているのかを調べて自分なりに理解し、整理しておくことから始まります。順序が逆かもしれません。整理しつつ理解する、のが正しいのでしょう。

具体的には、
・RFIをじっくり読んで、その分野で何が問題なのか、どういう事がすでに行われているのか、を把握する。
・その情報を、「マインドマップ」に整理する。
・さらに、ネット検索、特許検索でその分野のことを徹底的に調べ、わかったこと、面白そうな情報(特に新たな切り口に繋がりそうな情報)を、マインドマップにどんどん追加していく。
・この段階で思いついたこと、「こういうモノがあったらいいんじゃないか」ということも、マップ上にカテゴライズして追記していく。
という作業を、どんどん続けます。

たとえば私の場合、以下のような感じです。基本的に空き時間に発明をしています。普段は地道に企業を回って、知財教育の営業(これが本業)をしてますから、そんなに時間はありません。

・RIFを読んだらまずその内容をマインドマップにして、PDFにしてiPhoneに入れます。iBookという電子ブックリーダーでPDFを管理しています。ちなみに、RFIもiPhoneにいれています。非常に便利ですね。
・時間があれば、そのマップを見ます。
・思いついたこと、関連する新しい情報を入手したら、ノートにメモするかメールで自分宛に送っておきます。
・また、同時に関連情報をiPhoneでネット検索や「かんたん特許検索」(iPhoneアプリがある http://kantan.nexp.jp/release/20100707.html )で検索し、先行技術の有無、特にどれぐらいの数のものがあるか、どんなものがあるかを見て、場合によってはそれをたたき台にしてさらにアイデアを出します。「すでにある技術」を見極めてから、アイデア出しに入るのがポイントです。さんざん頭をひねって「それ既に実用化されてました」は、時間がもったいないですから。。。時間は有効に。
・普段は出歩いているので、iPhoneを使って上記のような作業を空き時間に繰り返していますが、それだけでは「詰める」事はできないので、高速インターネットが使える環境で時間を確保して、「徹底的に調べまくり」ながら、アイデアを詰めていきます。主に「どうやったらそのコンセプトが実現できるか」を考えるステージですね。
私はこれをやる日を「発明の日」と呼んでいます。あとは、RFIのマップ化もある程度時間を取らないと難しいですね(iPhoneではマインドマップは描けないので・・・)

ちなみにマインドマップは、
がおすすめです。無料なので。会社では MindManeger という有料(結構高い)を使っていますが、実際は、さほど差はない気がします。

テキストのベタ打ちでは、概念の階層性を整理するのが難しいですし、ある概念を中心に発想を広げるのも「俯瞰」できないので制約が出ますが、マップにすると割と広がりやすいのは事実です。何でもマップにすればいい、とは思いませんが、情報整理、アイデア出しの初期には有効です。詰めていく時点では、テキストベタ打ちのほうが有効です。広げる必要がありませんから。ということで「広げる」段階ではマップは有効です。

次回から、発表者は以下準備しておいてください。
・RFIを読んで内容を理解する。掲載されている参考文献も、リンクがあるなど入手しやすいものは目を通す。
・理解した内容を一度マップにする。
・さらに、ネット検索、特許検索で情報を集め、マップに追加して整理していく。
・概念の階層性を考えて整理する。

この時点では、「発明」の「は」の字もありませんが、ここがすべてと言ってもいいでしょう。これがないと、例によって「浅い」議論になり、さんざん考えた挙句に「それって既に実用化されますけど」ってことになります。

調べていくと、アイデアが思いつくことがあります。それも、マップにきちんと整理して、ついでに既にないか、ネット検索と特許検索で確認しておきましょう。すでに世の中にでていれば別ですが、特許が出ていてもがっかりする必要はありません。「まだ世の中に出ていない」理由があるはずです。それを考えるのが「課題の発掘」です。ほとんどの発明はここで決まります。課題が決まれば、それを解決する技術を「探す」だけです。

事前の調査がすべてを決めます。

自分なりにその分野を理解して、情報を整理することが重要なので。自分で理解していないことについて、アイデアを考えることは不可能ですし、皆と議論することも不可能です。

1に調査、2に調査。Google画像検索と「かんたん特許検索」を駆使して、その分野を「調べまくって」ください。そのなかに、かならずヒントがあります。

僕自身、調べまくるからこそ、全く専門外の分野でもバリバリ発明が出るのです。

繰り返しですが、調べる癖をつけてください。

塾で討議中も、誰かのアイデアを聞いたら、すぐに調べる。ぼーっと聞いている暇はありません。意見、情報はどんどん調べる。それが発明塾です。考えるのはそれからでも遅くありません。調査はすべてを省略します。「すでにあること」を再度考えるほど、無駄なことはありませんからね。。。