「発明塾®」へようこそ!: 発明塾土曜日 第6回開催報告

2010年11月20日土曜日

発明塾土曜日 第6回開催報告

土曜日開催も早6回。

今回はあらかじめ課題を絞り込み、かつ、解決策の切り口についても事前検討した上で、ネタを持ち込んでもらいましたので、非常に濃い議論ができました。

具現化できそうなアイデアが2-3出ました。

そのうちの一つについて、今後さらに調べて詰めていただくことになりました。

いつも言っていることですが、「すぐにアイデアに飛びつく」のは得策ではありません。まず、何が課題なのか、また、どういう課題に対してどの様に取り組まれているのかを広くネットと特許検索で調べ、構造化して整理し、どこに可能性があるのかを見定めることが重要です。またこれにより、すでにあるものを「あらたに?」考えて討議するという無駄を省くことが出来、レベルの高い議論ができます。すでにあるものについて、討議しても仕方ありませんから。

また、アイデアを出す前に「切り口」を定め、ある切り口に基づいて網羅的にアイデアを出すことが重要です。あるいは、たまたま思いついたアイデア(あるいはたまたま見つけた面白い情報)があったとして、それを「上位概念化」し、切り口化して(ある種、一旦戻る)さらに他のアイデアを求めていくことで、シンプルで斬新な解決策を導き出すことが出来ます。

他、今回気づいた点としては、ある面白い切り口、「コンセプト」があったとして、それがその課題に適用できなかった場合に、そのまま捨ててしまわないということです。
せっかく調べて得た「コンセプト」ですから、そのコンセプトが「何を解決できるのか」を概念化して考え、他の問題に適用できないか考えてみることです。あるいは、マクロ的には使えないが、マーケットを細分化したときに適用できるのではないか、と深掘りしてもいいでしょう。

発明、と言っても、ある段階ではマーケティング的な発想と交互に考えていく柔軟性が必要です。


そういえば、以前こんなことがありました。

ある塾生さん(学生さん)が、なかなか面白いコンセプトを考え、私はそれが「プライバシーをマスクした画像の取得に利用出来るのでは?」と考えました。他の方から(この方は社会人)、わざわざそんなモノを開発するよりも、普通に画像をとってソフトで処理したほうが早いのでは?という意見が出て、そのコンセプトはお流れになりました。私自身は非常に残念だなと思って見ておりました。
>ブレストの基本は、アイデア出しの時は批判しないこと。 

結局そのアイデアはどうだったか。

つい最近、やはりプライバシーの問題から「漠然とした画像を取得できる技術」が必要とされており、実際に開発されているという記事を読みました。画像取得してからソフトで処理するよりも、シンプルで情報管理も容易(プライバシーという意味では、個人が特定できる画像を取得する事自体が問題である)ということだそうです。

私が「個人が特定できる画像を取得する事自体が問題である」という問題定義に気づいていれば、あのアイデアは、その塾生さんの発明として出ていたかもしれません。惜しいことをしました。

ということで、やはり課題定義、問題定義が重要であるということ、改めて痛感しました。アイデアを思いついた際に「それは何の問題を解決しようとしているのか」「上位概念化して、切り口にし、それに基づいで幅広くアイデアを出す」ことを、心がけてください。

以上。