移動中につき、備忘録代わりに手短に。
●医療分野のBOPビジネス
次回の「発明討議」に向けて、
「医療分野のBOPビジネス」(BOP医療Biz と略します)
について、検討してくれている塾生さんがいます。
まさに発明塾で取り組みたい分野、ということで、楽しみにしています。
この分野、まさに楠浦が最近注目している分野で、事業機会の宝庫だと思っています。
何名かの勇気ある知人の「体を張った」行動で、教えてもらいました。
知人たちに話を聞いて以来、米欧中だけでなく、アフリカでの企業活動動向なども、情報収集しています。
知っている話は、また、討議のときに情報提供します。
いいネタになれば、彼らにも手伝ってもらえるのではないかと、思います。
●注目のニュース
直近の注目ニュース、企業動向を羅列しておきます。いずれも、注目いている業界、企業のニュースです。
・フィリップスとQualcommLifeの提携
「フィリップスとクアルコムの提携にみる、ネットと医療一体化への動き」(Forbs)
・Honeywell社からの、ナイロン6事業の分離
HoneyWell社資料
フィリップスとQualcommLifeのニュースは、「未来創造設計書(遠隔医療)」に関連するものです。このニュース、何がどう熱いかは、ニュースと未来創造設計書を、よく照らし合わせてみて下さい。
Honeywellのニュースは、以前から告知されていた内容ですが、いよいよ10月に会社として分離されるにあたり続々と詳しい情報が出てきており、その一つです。
Honeywellは、新たに分離設立する会社について、
「中国企業と戦える、コスト競争力がある企業だ」
としています。
今後の展開が楽しみです。
「世界的規模の課題解決に取り組む」学生と共に、2010年に設立しました。
今後も、「未来予測」「発明」「投資」を通じ、世界的規模の課題解決へに取り組み、継続的に有為な人材を輩出することを目指します。
(「発明塾」は、運営元であるTechnoProducer株式会社の登録商標です)
2016年9月26日月曜日
2016年7月25日月曜日
「強い特許」と言うけれど・・・~特許出願「量より質」?問題/よい経験を効率よく積む
現在、「特許出願」予定の発明について、発明塾で
「明細書作成」
作業を行っているメンバーがいます。
以前から、度々触れているように
「どう権利化するか」
と
「どういう発明を創出するか」
は不可分であるため、請求項/明細書作成は非常に重要な作業です。
権利化を踏まえた「発明の強化法」は、既に、e発明塾「強い特許の作り方」として教材化してあります。
「事業化・権利化を見据え、自身の発明を、”再発明する”」
という、
「知財的再発明」*
の考え方は、ぜひ学生時代に身につけておいてほしいものの一つです。
* 「知財的再発明」は、TechnoProducer株式会社の登録商標です。
実践の貴重な機会ですから
「よい経験を積みたい」
と考える、意欲あるメンバーは、ぜひ、この作業に参加してください。
多くの企業で、特許出願は
「量より質」
という方針であり、皆さんが企業に入っても
「出願に至る発明」
「自身の発明の権利化に携わる機会」
は、減っていくかもしれません。
上で述べたように、「発明と権利化は不可分」であるため、
「よい発明の創出に必要な経験を積む機会」
が減ることを、意味します。
e発明塾「強い特許の作り方」で疑似体験をしつつ、めったにない、実践の機会を利用して欲しい。
e発明塾「強い特許の作り方」は、僕が自身の発明を権利化する過程で得た知見と技術をもとに、開発した教材ですから、皆さんの力になるはずです。
数多くの「自身の発明」を、日米で権利化してきた経験を振り返ると、
「自身の発明を権利化するために、拒絶理由通知に対応する」
を繰り返す中で、
「発明を権利化するとは、どういうことか」
「権利を勝ち取るために、何が必要か」
「どのような先行技術が出てくるのか」
「そもそもその権利、取得してどう活用するのか」
など、様々なことを考え、
「知財的再発明」
の全貌が理解できるようになるのだと、痛感します。そして、発明の全過程を踏まえ、権利化に臨むと、
「全く異なる景色」
が、見えてきました。結局は、この繰り返しです。
「拒絶理由への対応」については、e発明塾「本質から学ぶ特許概論」の後半で、詳しく取り上げています。
こちらは、僕自身の発明について取り上げるのは難しいため、発明塾で読み解いた特許の中から、特に、
「権利化が巧妙」
だと感じた、3M社の特許を取り上げています。
自身の発明が出願される際、特に、米国の代理人とやりとりする場合、僕が最初に行うことは、
「第1請求項(First Claim)の立案」
です。先方からも、独立項の案が来ますが、
「それとは関係なく」
自身で、請求項を書きます。
法律的にどういう表現がよいかなどは、先方の案が優れているでしょうが、
「発明の本質」
「事業と収益モデル」
を踏まえた請求項の立案は、権利化に慣れた発明者が行う方が適しています。
考える過程で、
「発明が進化し、磨かれる」
からです。もちろん、優れた代理人は、
「この発明は、もっと発展する可能性はあるのか?」
などと、より広く多面的に考えるように促してきます。経験上、米国の代理人は、その傾向が顕著です。
今回も、請求項案をもらいましたが、僕がいくつか
「より、権利化に値する発明へ」
と、進化させるよう、指示しました。
再考してもらったあと、ぜひ、メンバーで討議したいと思います。
「自分たちの発明を、強い特許にしてこそ、見えてくる」
ものがあります。
発明塾は、常に実践主義であり、実績主義です。
忘れないように。
楠浦 拝
「明細書作成」
作業を行っているメンバーがいます。
以前から、度々触れているように
「どう権利化するか」
と
「どういう発明を創出するか」
は不可分であるため、請求項/明細書作成は非常に重要な作業です。
権利化を踏まえた「発明の強化法」は、既に、e発明塾「強い特許の作り方」として教材化してあります。
「事業化・権利化を見据え、自身の発明を、”再発明する”」
という、
「知財的再発明」*
の考え方は、ぜひ学生時代に身につけておいてほしいものの一つです。
* 「知財的再発明」は、TechnoProducer株式会社の登録商標です。
安富くんは、わかっていると思いますが、
「知財的再発明」能力は、拒絶理由通知との
「対話」を繰り返す中で、磨かれます。
実践の貴重な機会ですから
「よい経験を積みたい」
と考える、意欲あるメンバーは、ぜひ、この作業に参加してください。
多くの企業で、特許出願は
「量より質」
という方針であり、皆さんが企業に入っても
「出願に至る発明」
「自身の発明の権利化に携わる機会」
は、減っていくかもしれません。
上で述べたように、「発明と権利化は不可分」であるため、
「よい発明の創出に必要な経験を積む機会」
が減ることを、意味します。
e発明塾「強い特許の作り方」で疑似体験をしつつ、めったにない、実践の機会を利用して欲しい。
e発明塾「強い特許の作り方」は、僕が自身の発明を権利化する過程で得た知見と技術をもとに、開発した教材ですから、皆さんの力になるはずです。
数多くの「自身の発明」を、日米で権利化してきた経験を振り返ると、
「自身の発明を権利化するために、拒絶理由通知に対応する」
を繰り返す中で、
「発明を権利化するとは、どういうことか」
「権利を勝ち取るために、何が必要か」
「どのような先行技術が出てくるのか」
「そもそもその権利、取得してどう活用するのか」
など、様々なことを考え、
「知財的再発明」
の全貌が理解できるようになるのだと、痛感します。そして、発明の全過程を踏まえ、権利化に臨むと、
「全く異なる景色」
が、見えてきました。結局は、この繰り返しです。
「拒絶理由への対応」については、e発明塾「本質から学ぶ特許概論」の後半で、詳しく取り上げています。
こちらは、僕自身の発明について取り上げるのは難しいため、発明塾で読み解いた特許の中から、特に、
「権利化が巧妙」
だと感じた、3M社の特許を取り上げています。
自身の発明が出願される際、特に、米国の代理人とやりとりする場合、僕が最初に行うことは、
「第1請求項(First Claim)の立案」
です。先方からも、独立項の案が来ますが、
「それとは関係なく」
自身で、請求項を書きます。
法律的にどういう表現がよいかなどは、先方の案が優れているでしょうが、
「発明の本質」
「事業と収益モデル」
を踏まえた請求項の立案は、権利化に慣れた発明者が行う方が適しています。
考える過程で、
「発明が進化し、磨かれる」
からです。もちろん、優れた代理人は、
「この発明は、もっと発展する可能性はあるのか?」
などと、より広く多面的に考えるように促してきます。経験上、米国の代理人は、その傾向が顕著です。
今回も、請求項案をもらいましたが、僕がいくつか
「より、権利化に値する発明へ」
と、進化させるよう、指示しました。
再考してもらったあと、ぜひ、メンバーで討議したいと思います。
「自分たちの発明を、強い特許にしてこそ、見えてくる」
ものがあります。
発明塾は、常に実践主義であり、実績主義です。
忘れないように。
楠浦 拝
2016年7月18日月曜日
「親水性・撥水性が低下しない」塗装を「発明提案」する~発明提案の勘所をおさえよう!/過去発明紹介を兼ねて
「先読み発明」の場合の提案書の書き方について内容を追記すべき、という意見が出ましたので、過去Blog等を利用して出来るだけ簡略化し、冒頭に追加しました。
(既読者の方は、冒頭の追加部分だけ、お読みください)
* 「発明塾で書き上げる発明提案書は、何枚程度ですか?」という質問を、何名かの読者の方から、賜りました。発明にもよりますが、(楠浦分含め)過去実績を確認すると、日本語 A4 で 15-25枚、英語 A4 で 10-15枚、でした。
● 「先読み発明」における発明提案書は「設計図/設計仕様書」
既に繰り返しお話をしていますが、
「期日までに、質の高い発明提案書を、必要なだけ出す」
作業を発明塾で6年も継続できたのは、
「”先読み発明”についての発明提案書は、モノづくりに先立つ”設計図”である」
ことを、僕はもちろんですが(元々設計者ですので)、塾生がよく理解してくれていたから、です。
結果として
「設計の仕事に就きたい」
という塾生が出るまでになりました。
「”設計”は究極の”人任せ”の仕事」~発明塾京都第216開催報告
以下に紹介する発明も、「先読み発明」です。
● 「先読み」か否か、で「発明提案書の書き方」は、根本的に異なる
つまり、
「発明提案書の書き方」
は、
「その発明が、先読みか否か」
で、
「根本的に異なる」
ということです。
実験結果を、いかに巧妙に権利化するか、という話は、
e発明塾「発明提案書のための発明の把握法」
に、詳しく記載があります。進歩性を意識して、課題-解決-効果を見直す、という、ある種
「古典的」(必ず身につけておくべき)
手法です。
また、ある発明や先行例にもとづいて、「先読み」発明を創出する手法については、
e発明塾「強い特許のつくり方」
の、後半で取りあげています。コア技術にもとづいて、先読み発明を創出する場合は、
e発明塾「課題解決思考(1)」
の手法をを、利用ください。
いずれにせよ、発明がなければ、発明提案どころの話ではありません。
● しかし、「発明提案書」の中で「発明は育つ」
しかしながら、
「発明は、発明提案書を書く中で育つ」
ことも事実です。
「発明は発明の連続」
であり、終わることがないからです。ここで触れた通りです。
「課題を深堀りする」
「捉え方を変える」
といった、よく言われる話だけでなく、
「構成要素を特定すると、これまでにない”いい感じ”の先行例が見つかる」
からです。弊社主催の「企業内発明塾」参加者の方は、皆さん経験済みだと思います。
「発明を育て、提案書を仕上げる」過程についての詳しい考え方、具体的な手法、および、テンプレート/フォーマット一式は、
e発明塾「発明提案書のための発明の把握法」
に記載があります。発明が提案書を書きながら育っていく、という点は、「先読み発明」でも「実験結果から発明を見出す」場合でも、変わりありません。
==以下、160731以前の内容
以前、エッジ特許の一つとして、
「ヨーグルトが付着しない、ヨーグルト容器の蓋の技術」
についての特許を取り上げました。
ここで取り上げたのは、
「表面微細凹凸を利用した、撥水性付与」
の技術です。発明塾でも度々、フラクタルやナノ構造の持つ、不思議な効果について言及してきました。
しかし、
「表面微細凹凸」
にも、欠点、つまり、課題があります。
「壊れやすい」
は、その一つでしょう。
今回は、過去発明、および、発明討議の紹介を兼ねて、
「耐久性のある微細凹凸表面を、どのようにして実現するか」
について、考えてみましょう。ここで、
「微細表面凹凸 と 耐久性」
が、
「トレードオフ」
であることに注意してください。
あらかじめ技術課題を、トレードオフとして定義できていると、議論が非常に進めやすくなります。
ここに書かれた内容、および考え方を参考に、ぜひ、よりよい発明を生み出してください。
● 微細凹凸を維持する方法は、大きく二つありそう
当時、各自が発明を生み出すために、議論を整理した「マップ」の一例(一部)を、以下に掲載します。

当時の討議資料から抜粋
最近は、みなマップを「飛ばして」議論を行う傾向にありますが、討議の「あるフェーズ」においては、依然として威力を発揮するツールだと思います。
当時既に、楠浦が「時間軸を用いて、撥水性を制御する」というコンセプトの発明を創出していましたので、塾生さんの多くは、
「空間的」
な手法に注目していたようです。アイデアの方向性は、ここで大きく2つに分かれていました。
「凹凸が削れても、次の新しい凹凸が出てくる」(浸食型)
「次々と、新しい凹凸が成長する」(成長型)
前者の一つで、当時「なかなか面白いな」と思った発明の一つが、以下紹介する
「ペプチドナノチューブを用いた、親水・疎水表面」
の発明です。僕の中では
「適当なナノ材料を、混ぜればいいだけなんじゃないの?」
という安易(?)な発想もあったのですが、
「一部のナノ材料は高価」
「そもそもその程度のアイデアは、掃いて捨てるほどある」
わけで、実現するのは、そう簡単ではありません。
今回紹介する発明は、
「ペプチドナノチューブを混ぜる」
という、それだけでも十分新しさがありそうなアイデアについて、もう一歩突っ込んで
「なぜ、この程度のアイデアが、実現されていないのか」
を考える、つまり、
「課題の深掘り」
を行った結果、生まれたものです。
「過去発明の例」
「発明提案書の例」
「課題の深掘りの例」
「ある発明から別の発明へ(特に 制約思考 の一つ Not A 思考)、の例」
など、いくつかの例を兼ねています。
以下、発明塾式
「発明提案」
の基本的な作法の復習も兼ね、順を追って発明を見ていきましょう。
● 「課題の定義」を明確にする
発明、および、発明提案の作成において、もっとも重要なことが「課題の定義」です。
今回の発明では、以下のようになっています。

前段で触れたように、
「混ぜるぐらいは誰でも考えるはず、では、なぜそれをやってないのか」
まで、
「一段深く掘り下げ、課題設定」
を行っています。
● 発明の要旨
今回設定した課題に対し、
「要するに、どうするのか」
を、簡潔に記載すると、以下のようになります。
「親水性」塗料を作るために、「親水性」の混ぜ物をするとどうなるか・・・という思考実験のあと、生まれたアイデアです。
「言われてみれば当たり前」
を、どう定義するか、が発明、および発明提案の勘所です。
● 図の重要性
提案書に求められることとして、
「一目で、イメージが掴める」
があります。
ベストかどうかはさておき、当時、塾生さんが頑張った結果、以下の図に落ち着きました。
図の下の説明書きも、意外に重要です。
● 原理を押さえる
なぜ、解決できるのか、実験データだけでなく、「原理」つまりサイエンスの部分も、しっかり記載しておきます。
論文ではありませんので、何でもかんでも詳しく書く必要はありません。
「どこまで書くか」、レビュアーの前提知識も睨みながら、書いていきます。
「レビュアーがこの発明を採択したいと思うために、必要十分な情報は何か」
と問い、書き進めます。
今回の発明は、表面積の増大による効果を狙ったものですので、Wenzelの理論について説明しています。
● 発明を構成する要素/それをどう作成するか
発明を構成する要素を、1つ1つ定義し、説明していきます。
まだあまり知られていないと思われるものについては、製造法も記載しておくのがよいでしょう。
「実際、どうやるの?」
という疑問が、レビュアーの頭の中に湧いてくるからです。
今回は、比較的新しい技術である「ペプチドナノチューブ」を用いますので、製造法や種類など、詳しく記載しています。
「ほんとに出来るの?」
「具体的にどうやるの?」
に、答えていきます。
ナノチューブを自己組織化により作成するので、「安価に作成出来る可能性が高い」ことは、一つの特徴でしょう。
そういう意味で、今回の発明において、「製造法」の説明は、重要でした。
また、この点を深掘りすると、更に新しい発明に発展する気がしました。
● 発明の効果/競合技術に対する優位性を示す
「単に混ぜるだけでは」のように、想定される従来技術に対する優位性を記載するとともに、他の親水性塗装がどのようなものか、具体的な例を挙げるか、少なくとも想定して、違いを明確にしておきます。
「(ナノ材料)作成の簡便性」も、挙がっていますね。
● 他にどのような用途/構成があり得るか
発明の本質を逸脱しない範囲で、
「他に、どのような用途があるか」
「どのような機能を付与できるか」
「構成の一部を、変更するとどうなるか」
などについても、記載しておきます。
今回は、撥水性塗装への転用なども、含めました。
要注意な点は、
「あくまでも、付け足しである」
ということです。用途や構成が変化すると、冒頭で定義した「課題」が変わる可能性がありますが、何でもかんでも含まれるように書こうとすると、
「結局、何が課題だったのか」
よくわからなくなります。
(そうなる人が、大勢います)
(既読者の方は、冒頭の追加部分だけ、お読みください)
* 「発明塾で書き上げる発明提案書は、何枚程度ですか?」という質問を、何名かの読者の方から、賜りました。発明にもよりますが、(楠浦分含め)過去実績を確認すると、日本語 A4 で 15-25枚、英語 A4 で 10-15枚、でした。
● 「先読み発明」における発明提案書は「設計図/設計仕様書」
既に繰り返しお話をしていますが、
「期日までに、質の高い発明提案書を、必要なだけ出す」
作業を発明塾で6年も継続できたのは、
「”先読み発明”についての発明提案書は、モノづくりに先立つ”設計図”である」
ことを、僕はもちろんですが(元々設計者ですので)、塾生がよく理解してくれていたから、です。
結果として
「設計の仕事に就きたい」
という塾生が出るまでになりました。
「”設計”は究極の”人任せ”の仕事」~発明塾京都第216開催報告
以下に紹介する発明も、「先読み発明」です。
● 「先読み」か否か、で「発明提案書の書き方」は、根本的に異なる
つまり、
「発明提案書の書き方」
は、
「その発明が、先読みか否か」
で、
「根本的に異なる」
ということです。
実験結果を、いかに巧妙に権利化するか、という話は、
e発明塾「発明提案書のための発明の把握法」
に、詳しく記載があります。進歩性を意識して、課題-解決-効果を見直す、という、ある種
「古典的」(必ず身につけておくべき)
手法です。
また、ある発明や先行例にもとづいて、「先読み」発明を創出する手法については、
e発明塾「強い特許のつくり方」
の、後半で取りあげています。コア技術にもとづいて、先読み発明を創出する場合は、
e発明塾「課題解決思考(1)」
の手法をを、利用ください。
いずれにせよ、発明がなければ、発明提案どころの話ではありません。
● しかし、「発明提案書」の中で「発明は育つ」
しかしながら、
「発明は、発明提案書を書く中で育つ」
ことも事実です。
「発明は発明の連続」
であり、終わることがないからです。ここで触れた通りです。
「課題を深堀りする」
「捉え方を変える」
といった、よく言われる話だけでなく、
「構成要素を特定すると、これまでにない”いい感じ”の先行例が見つかる」
からです。弊社主催の「企業内発明塾」参加者の方は、皆さん経験済みだと思います。
「発明を育て、提案書を仕上げる」過程についての詳しい考え方、具体的な手法、および、テンプレート/フォーマット一式は、
e発明塾「発明提案書のための発明の把握法」
に記載があります。発明が提案書を書きながら育っていく、という点は、「先読み発明」でも「実験結果から発明を見出す」場合でも、変わりありません。
==以下、160731以前の内容
以前、エッジ特許の一つとして、
「ヨーグルトが付着しない、ヨーグルト容器の蓋の技術」
についての特許を取り上げました。
ここで取り上げたのは、
「表面微細凹凸を利用した、撥水性付与」
の技術です。発明塾でも度々、フラクタルやナノ構造の持つ、不思議な効果について言及してきました。
しかし、
「表面微細凹凸」
にも、欠点、つまり、課題があります。
「壊れやすい」
は、その一つでしょう。
今回は、過去発明、および、発明討議の紹介を兼ねて、
「耐久性のある微細凹凸表面を、どのようにして実現するか」
について、考えてみましょう。ここで、
「微細表面凹凸 と 耐久性」
が、
「トレードオフ」
であることに注意してください。
あらかじめ技術課題を、トレードオフとして定義できていると、議論が非常に進めやすくなります。
ここに書かれた内容、および考え方を参考に、ぜひ、よりよい発明を生み出してください。
● 微細凹凸を維持する方法は、大きく二つありそう
当時、各自が発明を生み出すために、議論を整理した「マップ」の一例(一部)を、以下に掲載します。

当時の討議資料から抜粋
最近は、みなマップを「飛ばして」議論を行う傾向にありますが、討議の「あるフェーズ」においては、依然として威力を発揮するツールだと思います。
当時既に、楠浦が「時間軸を用いて、撥水性を制御する」というコンセプトの発明を創出していましたので、塾生さんの多くは、
「空間的」
な手法に注目していたようです。アイデアの方向性は、ここで大きく2つに分かれていました。
「凹凸が削れても、次の新しい凹凸が出てくる」(浸食型)
「次々と、新しい凹凸が成長する」(成長型)
「ペプチドナノチューブを用いた、親水・疎水表面」
の発明です。僕の中では
「適当なナノ材料を、混ぜればいいだけなんじゃないの?」
という安易(?)な発想もあったのですが、
「一部のナノ材料は高価」
「そもそもその程度のアイデアは、掃いて捨てるほどある」
わけで、実現するのは、そう簡単ではありません。
今回紹介する発明は、
「ペプチドナノチューブを混ぜる」
という、それだけでも十分新しさがありそうなアイデアについて、もう一歩突っ込んで
「なぜ、この程度のアイデアが、実現されていないのか」
を考える、つまり、
「課題の深掘り」
を行った結果、生まれたものです。
「過去発明の例」
「発明提案書の例」
「課題の深掘りの例」
「ある発明から別の発明へ(特に 制約思考 の一つ Not A 思考)、の例」
など、いくつかの例を兼ねています。
以下、発明塾式
「発明提案」
の基本的な作法の復習も兼ね、順を追って発明を見ていきましょう。
● 「課題の定義」を明確にする
発明、および、発明提案の作成において、もっとも重要なことが「課題の定義」です。
今回の発明では、以下のようになっています。


前段で触れたように、
「混ぜるぐらいは誰でも考えるはず、では、なぜそれをやってないのか」
まで、
「一段深く掘り下げ、課題設定」
を行っています。
● 発明の要旨
今回設定した課題に対し、
「要するに、どうするのか」
を、簡潔に記載すると、以下のようになります。

「親水性」塗料を作るために、「親水性」の混ぜ物をするとどうなるか・・・という思考実験のあと、生まれたアイデアです。
「言われてみれば当たり前」
を、どう定義するか、が発明、および発明提案の勘所です。
● 図の重要性
提案書に求められることとして、
「一目で、イメージが掴める」
があります。
ベストかどうかはさておき、当時、塾生さんが頑張った結果、以下の図に落ち着きました。

図の下の説明書きも、意外に重要です。
● 原理を押さえる
なぜ、解決できるのか、実験データだけでなく、「原理」つまりサイエンスの部分も、しっかり記載しておきます。
論文ではありませんので、何でもかんでも詳しく書く必要はありません。
「どこまで書くか」、レビュアーの前提知識も睨みながら、書いていきます。
「レビュアーがこの発明を採択したいと思うために、必要十分な情報は何か」
と問い、書き進めます。
今回の発明は、表面積の増大による効果を狙ったものですので、Wenzelの理論について説明しています。

● 発明を構成する要素/それをどう作成するか
発明を構成する要素を、1つ1つ定義し、説明していきます。
まだあまり知られていないと思われるものについては、製造法も記載しておくのがよいでしょう。
「実際、どうやるの?」
という疑問が、レビュアーの頭の中に湧いてくるからです。
今回は、比較的新しい技術である「ペプチドナノチューブ」を用いますので、製造法や種類など、詳しく記載しています。
「ほんとに出来るの?」
「具体的にどうやるの?」
に、答えていきます。
ナノチューブを自己組織化により作成するので、「安価に作成出来る可能性が高い」ことは、一つの特徴でしょう。
そういう意味で、今回の発明において、「製造法」の説明は、重要でした。
また、この点を深掘りすると、更に新しい発明に発展する気がしました。

● 発明の効果/競合技術に対する優位性を示す
「単に混ぜるだけでは」のように、想定される従来技術に対する優位性を記載するとともに、他の親水性塗装がどのようなものか、具体的な例を挙げるか、少なくとも想定して、違いを明確にしておきます。
「(ナノ材料)作成の簡便性」も、挙がっていますね。

● 他にどのような用途/構成があり得るか
発明の本質を逸脱しない範囲で、
「他に、どのような用途があるか」
「どのような機能を付与できるか」
「構成の一部を、変更するとどうなるか」
などについても、記載しておきます。
今回は、撥水性塗装への転用なども、含めました。
要注意な点は、
「あくまでも、付け足しである」
ということです。用途や構成が変化すると、冒頭で定義した「課題」が変わる可能性がありますが、何でもかんでも含まれるように書こうとすると、
「結局、何が課題だったのか」
よくわからなくなります。
(そうなる人が、大勢います)

● 「課題」以前の話は「背景」として、まとめておく
繰り返しですが、「課題」をどう定義するか、は、発明/発明提案の本質です。
今回は、
「親水性塗料実現のために、ペプチドナノチューブを混ぜたいとみんな思うはずなんだけど、実は・・・」
というところから始めています。
したがって、
「親水性塗装には、そもそもこういう課題があって・・・」
という話は、
「背景」
として、まとめておきます。どちらも「課題」ですので厄介ですが、
「今回の発明が解決している、もっとも具体的な課題は何か」
が、発明提案における「課題」であり、それ以外は「背景」だと、考えておいてください。
正確には、
「今回の発明において、先行技術にない構成要素があります」
「その構成要素があることにより、はじめて解決できる課題は、XXXです」
のように考えるとよいでしょう。
自身の発明「固有」の「(解決している)課題」、と呼ぶこともできます。
「今回の発明が解決している、もっとも具体的な課題は何か」
が、発明提案における「課題」であり、それ以外は「背景」だと、考えておいてください。
正確には、
「今回の発明において、先行技術にない構成要素があります」
「その構成要素があることにより、はじめて解決できる課題は、XXXです」
のように考えるとよいでしょう。
自身の発明「固有」の「(解決している)課題」、と呼ぶこともできます。

● 参考文献を示す
外国企業への提案、または、外国出願を見据え、参考文献は英語を中心にするか、日英併記にしておきましょう。
リンクが「テンポラリー(一時的)」なものでないか、注意しましょう。
過去、IPDLで頑張って調べた特許のリンクを、大量に貼ってくれた塾生さんがいました。
残念ながら、すべて一時的なリンクであったため、結局全て、別のデータベースで調べ直し、リンクを貼り直してもらうことになりました。
パーマネント(永久)リンクが生成されない調査ツールは、使わないほうが賢明です。
そういうツールは、(自他の)知的生産性を著しく下げます。
言い方は悪いですが、
「組織の足を引っ張る」
と考えられますので、注意しましょう。
言い方は悪いですが、
「組織の足を引っ張る」
と考えられますので、注意しましょう。

● 「確信がもてる」までロジックを練る
提案書のコツは、
「言葉50-70%」(面積的な話です)
「図表30-50%」(面積的な話です)
を目安として、
「図表を”言葉”で説明し、説明した”言葉”を、再度図表にまとめていく」
ことです。
図表にすることで構造化が進むはずですが、図表にする時に「なんとなく」「ふわっと」になってしまい、ロジックが抜け落ちる危険性があります。
「図にして、再度言葉で説明する」を繰り返し、「ロジックがあり、見やすい、わかりやすい資料」にまとめていきます。
つまり
「図 ⇒ 文章 ⇒ 図 ・・・」
の繰り返しで、練り上げていきます。
これは「自分の頭を整理」し、「確信を持って提案を行う」ためです。
もちろん、その結果として、「周りの人にわかりやすい」という、大きな効果が得られます。
以上、過去発明を振り返り、また、発明提案書の書き方を復習しました。
提案書のコツは、
「言葉50-70%」(面積的な話です)
「図表30-50%」(面積的な話です)
を目安として、
「図表を”言葉”で説明し、説明した”言葉”を、再度図表にまとめていく」
ことです。
図表にすることで構造化が進むはずですが、図表にする時に「なんとなく」「ふわっと」になってしまい、ロジックが抜け落ちる危険性があります。
「図にして、再度言葉で説明する」を繰り返し、「ロジックがあり、見やすい、わかりやすい資料」にまとめていきます。
つまり
「図 ⇒ 文章 ⇒ 図 ・・・」
の繰り返しで、練り上げていきます。
これは「自分の頭を整理」し、「確信を持って提案を行う」ためです。
もちろん、その結果として、「周りの人にわかりやすい」という、大きな効果が得られます。
以上、過去発明を振り返り、また、発明提案書の書き方を復習しました。
なお、本稿記載の発明提案書は、京都大学大学院(当時) 菅野 茂夫 さん 作成のものです。
後進の育成と、よりよい発明創出のため、協力をお願いしたところ、快諾いただきました。
菅野さん、ありがとう。
楠浦 拝
ラベル:
解決が求められている重要な課題/過去発明紹介,
技術者のための「企画」講座,
発想法,
発明
2016年5月15日日曜日
「靴」「におい」など、過去の「発明テーマ」が、ナゼか今頃「熱い」(e発明塾改訂、第330回報告)
第330回も、無事終了しました。
4-6月は、楠浦抜きで運営してもらっています。
「4半期ごとに成果を出す」
という社会人のサイクルで、しっかり活動し成果を出して下さい。
また、これは別途取りあげますが、
「発明」
に終始せず、
「発明提案」
として価値のあるものにし、提案して、初めて
「成果」
であることを忘れないように。OBの何名かが度々言ってくれたように、
「ちょっとオモロイこと言うぐらいなら、中学生でもできる」(優秀な中学生の方、大変失礼します)
ということですので、
「大学生活に飽きたらない大学生」
として、何を目指し、何をすべきか、しっかり考え活動して下さい。
過去の楠浦の経験と実績、および発明塾での膨大な発明討議にもとづいた教材「e発明塾」がありますので、一昨年までのように
「教える」
立場ではなく、
「学んでもらい、成果を求める」
立場で、僕は皆さんに接します。
さて、GWを挟んで、念願の
「課題解決思考(1)~コア技術の強みを活かした顧客価値の創造」
の、比較的大規模な改訂作業が終了しました。第4版になりますので、リリースから2年で、3度「大きく」改訂したことになります。
既に、多くの技術者、および、企画担当者の方に受講いただいておりますが、これまでの受講者の方の声にもとづき、さらに多くの方に受講いただけるような教材として、大幅なリニューアルを行いました。興味ある方は、是非この機会に、「生まれ変わった」課題解決思考(1)をご受講下さい。
(他講座のご紹介は、こちら)
今回の改訂では、過去の「発明塾」での発明討議、および、「立命館大学/大学院MOTコース」での演習講義の内容を、さらに大幅に取り入れました。
「演習事例」として取り上げている、
✔ 「におい/香り」の強みを生かした商品
✔ 「靴」、あるいは、「足に装着する」ことの強みを生かした商品
が、現在非常にホットな Topic になり、部分的に、すでに「急成長分野」になりつつあるからです。
公開情報が急増しており、教材に記載できる内容も増えてきました。
課題解決思考(1)発売当初、あるいは、本教材開発前のセミナーでは、
「何で靴なの?」「何でにおいなの」
という声もありましたが、我々の読み通り、
「急成長分野/Hot Topic」
になりました。
教材を増補改訂する際に収集した情報を含め、いくつか、関連Topicを取りあげておきましょう。
● 「靴」
もともとは、
✔ 次世代のユーザーインターフェース
✔ 典型的な消耗品
✔ 次の「ウエアラブル」デバイス
の観点から、「靴」に目をつけ、発明討議を行ってきました。関連する過去の発明テーマとして、
✔ 医療 Big Data
✔ セキュリティー/個人認証
✔ 関節/骨盤/脊椎系の疾患予防、モニタリング、および、治療
✔ 3次元プリンタ(3DP)
✔ エネルギーハーベスティング
などがあります。こうしてみると、
✔ IT、ユーザーインターフェース、セキュリティー
✔ エネルギー
✔ 医療、健康
など、「靴」という発明テーマが、Hot Topic になる必要条件を、かなり備えた発明テーマであることが、見えてきます。
「発明テーマをどう選ぶか」には、このような視点が必要です。
✔ 波及効果が大きい
テーマを選ぶと、討議自体が
「発展的」
になります。我々が、敢えて
「靴」
を、事例演習のテーマに選んでいる理由が、ここにあります。
「靴」について、先行例調査/分析を行い、発明討議を繰り返すことで、上記のような様々な
「熱い分野」
の動向や、技術に関する基礎知識が得られるわけです。
「1石XX鳥」
です。
単に方法論を身につけるだけでもなく、単に技術の勉強をするだけでもなく、
「成果を出しながら、手法に習熟し、最新のHotな技術や市場の知識も得る」
のが、「発明塾」式の鉄則です。
「オモロそう」
ぐらいでテーマを選んでいては、時間がいくらあっても足りません。
最近では、様々な企業が「靴」に着目した面白いデバイスを発表していますね。
以下、発明塾でも過去にアイデアは出ていましたが、やはり、同じようなことを考える人は、たくさんいるようです。
Airline launches vibrating shoes to help people navigate towns and cities
他にも、過去に発明塾でも注目した米国の急成長アパレル企業が、「靴」に注力し事業を強化していることも、各種情報分析からわかってきました。
このように、「発明塾での膨大な発明討議/情報分析」の積み上げなしには、課題解決思考(1) は教材化出来ませんでした。
「適当に、流行のワードで Hot Topic を選べばよい」
というものではありません。
「僕が提示した発明テーマの ”熱さ” を正しく理解し、熱心に討議/情報分析を積み重ねてくれた」
塾生/OBOGの皆さんに感謝します。また、出会う機会に、個別に報告と御礼をしたいと思います。
● 「におい/香り」
これも、過去の主要な発明テーマの1つです。五感について考えていくと、
✔ 触覚、味、「におい」
が、技術的に未成熟であることは明らかですので、過去、発明塾では上記3つに、積極的に取り組んできました。
✔ 化学センサー
✔ 食品/食品包装/食品保存/賞味期限管理
✔ 次世代のユーザーインターフェース
✔ 医療(各種病気の予防)
✔ 製薬
など、「におい」もまた、多くの Hot Topic とつながりが深い分野でしたので、特に積極的に取り組んできました。
最近、塾で分析を行った好業績/高収益企業でも、「におい」に関する事業セグメントが、
「2ケタ成長(Double Digit Growth)」
だったところが、いくつかありましたね。
課題解決思考(1) で取り上げた「わさび」の香りを利用した製品は、まだ多くないようですが・・・
塾で以前議論しましたが、
「においは、より ”本能” に近い部分とつながっている感覚」
であることを、どう生かすか。これが
「においの強みを生かした製品」
開発のKSFだと思います。
塾での議論は、
✔ 企業に入り、自分で研究テーマ/新製品を企画する
✔ 起業する
✔ イノベーションを主導/推進する立場に立つ
際、方法論だけでなく、そこで議論したニーズや技術シーズについての内容も、5-10年後まで役に立ちます。
「長期投資」
の視点に立ち、しっかり活動し、
「短期的にも成果を出す」
ようにしましょう。
引き続き、よろしく。
※ 過去の教材は、「Kawasaki時代」「小松時代」「ベンチャー時代」の経験や方法論にもとづく部分もありましたが、今回の「課題解決思考(1)」含め、改訂を重ねるごとに、「発明塾での討議/発明実績」にもとづく割合が、増えてきました。
塾生とともに、日々の実践を積み重ねてきた成果がどんどん形になっています。6年前の「発明塾」開始当初から意図していたことであり、また、当初計画よりは少し遅れていますが、個人的には、嬉しい限りです。
「人まね」「横文字を縦文字にする(欧米の有名手法の翻訳)」「耳学問止まり」は、子供の頃からの習慣のせいか、個人的にあまり好かないので、今後も、「自ら実践し、効果を確認し、指導し/共に実践し、実績が出て身につく教材を、机上の空論を排して提供する」ことを、日々追求していきたいと思います。
--------
4-6月は、楠浦抜きで運営してもらっています。
「4半期ごとに成果を出す」
という社会人のサイクルで、しっかり活動し成果を出して下さい。
また、これは別途取りあげますが、
「発明」
に終始せず、
「発明提案」
として価値のあるものにし、提案して、初めて
「成果」
であることを忘れないように。OBの何名かが度々言ってくれたように、
「ちょっとオモロイこと言うぐらいなら、中学生でもできる」(優秀な中学生の方、大変失礼します)
ということですので、
「大学生活に飽きたらない大学生」
として、何を目指し、何をすべきか、しっかり考え活動して下さい。
過去の楠浦の経験と実績、および発明塾での膨大な発明討議にもとづいた教材「e発明塾」がありますので、一昨年までのように
「教える」
立場ではなく、
「学んでもらい、成果を求める」
立場で、僕は皆さんに接します。
さて、GWを挟んで、念願の
「課題解決思考(1)~コア技術の強みを活かした顧客価値の創造」
の、比較的大規模な改訂作業が終了しました。第4版になりますので、リリースから2年で、3度「大きく」改訂したことになります。
既に、多くの技術者、および、企画担当者の方に受講いただいておりますが、これまでの受講者の方の声にもとづき、さらに多くの方に受講いただけるような教材として、大幅なリニューアルを行いました。興味ある方は、是非この機会に、「生まれ変わった」課題解決思考(1)をご受講下さい。
(他講座のご紹介は、こちら)
今回の改訂では、過去の「発明塾」での発明討議、および、「立命館大学/大学院MOTコース」での演習講義の内容を、さらに大幅に取り入れました。
「演習事例」として取り上げている、
✔ 「におい/香り」の強みを生かした商品
✔ 「靴」、あるいは、「足に装着する」ことの強みを生かした商品
が、現在非常にホットな Topic になり、部分的に、すでに「急成長分野」になりつつあるからです。
公開情報が急増しており、教材に記載できる内容も増えてきました。
(画像をクリックすると Amazon.co.jp のサイトへ移動します)
Amazonのプログラムを利用して画像を引用することにしました。
「企画提案」「発明提案」は、
「今まで誰も気づいていない」ことについて、
「言われてみれば当たり前」になるように
説明/証明しなければならない仕事です。
その「肝になる考え方」が、あますところなく紹介されている
「良書」で、発明塾推薦図書です。
課題解決思考(1)発売当初、あるいは、本教材開発前のセミナーでは、
「何で靴なの?」「何でにおいなの」
という声もありましたが、我々の読み通り、
「急成長分野/Hot Topic」
になりました。
教材を増補改訂する際に収集した情報を含め、いくつか、関連Topicを取りあげておきましょう。
● 「靴」
もともとは、
✔ 次世代のユーザーインターフェース
✔ 典型的な消耗品
✔ 次の「ウエアラブル」デバイス
の観点から、「靴」に目をつけ、発明討議を行ってきました。関連する過去の発明テーマとして、
✔ 医療 Big Data
✔ セキュリティー/個人認証
✔ 関節/骨盤/脊椎系の疾患予防、モニタリング、および、治療
✔ 3次元プリンタ(3DP)
✔ エネルギーハーベスティング
などがあります。こうしてみると、
✔ IT、ユーザーインターフェース、セキュリティー
✔ エネルギー
✔ 医療、健康
など、「靴」という発明テーマが、Hot Topic になる必要条件を、かなり備えた発明テーマであることが、見えてきます。
「発明テーマをどう選ぶか」には、このような視点が必要です。
✔ 波及効果が大きい
テーマを選ぶと、討議自体が
「発展的」
になります。我々が、敢えて
「靴」
を、事例演習のテーマに選んでいる理由が、ここにあります。
「靴」について、先行例調査/分析を行い、発明討議を繰り返すことで、上記のような様々な
「熱い分野」
の動向や、技術に関する基礎知識が得られるわけです。
「1石XX鳥」
です。
単に方法論を身につけるだけでもなく、単に技術の勉強をするだけでもなく、
「成果を出しながら、手法に習熟し、最新のHotな技術や市場の知識も得る」
のが、「発明塾」式の鉄則です。
「オモロそう」
ぐらいでテーマを選んでいては、時間がいくらあっても足りません。
最近では、様々な企業が「靴」に着目した面白いデバイスを発表していますね。
以下、発明塾でも過去にアイデアは出ていましたが、やはり、同じようなことを考える人は、たくさんいるようです。
Airline launches vibrating shoes to help people navigate towns and cities
他にも、過去に発明塾でも注目した米国の急成長アパレル企業が、「靴」に注力し事業を強化していることも、各種情報分析からわかってきました。
このように、「発明塾での膨大な発明討議/情報分析」の積み上げなしには、課題解決思考(1) は教材化出来ませんでした。
「適当に、流行のワードで Hot Topic を選べばよい」
というものではありません。
「僕が提示した発明テーマの ”熱さ” を正しく理解し、熱心に討議/情報分析を積み重ねてくれた」
塾生/OBOGの皆さんに感謝します。また、出会う機会に、個別に報告と御礼をしたいと思います。
ありがとう。
● 「におい/香り」
これも、過去の主要な発明テーマの1つです。五感について考えていくと、
✔ 触覚、味、「におい」
が、技術的に未成熟であることは明らかですので、過去、発明塾では上記3つに、積極的に取り組んできました。
✔ 化学センサー
✔ 食品/食品包装/食品保存/賞味期限管理
✔ 次世代のユーザーインターフェース
✔ 医療(各種病気の予防)
✔ 製薬
など、「におい」もまた、多くの Hot Topic とつながりが深い分野でしたので、特に積極的に取り組んできました。
最近、塾で分析を行った好業績/高収益企業でも、「におい」に関する事業セグメントが、
「2ケタ成長(Double Digit Growth)」
だったところが、いくつかありましたね。
課題解決思考(1) で取り上げた「わさび」の香りを利用した製品は、まだ多くないようですが・・・
塾で以前議論しましたが、
「においは、より ”本能” に近い部分とつながっている感覚」
であることを、どう生かすか。これが
「においの強みを生かした製品」
開発のKSFだと思います。
塾での議論は、
✔ 企業に入り、自分で研究テーマ/新製品を企画する
✔ 起業する
✔ イノベーションを主導/推進する立場に立つ
際、方法論だけでなく、そこで議論したニーズや技術シーズについての内容も、5-10年後まで役に立ちます。
「長期投資」
の視点に立ち、しっかり活動し、
「短期的にも成果を出す」
ようにしましょう。
引き続き、よろしく。
※ 過去の教材は、「Kawasaki時代」「小松時代」「ベンチャー時代」の経験や方法論にもとづく部分もありましたが、今回の「課題解決思考(1)」含め、改訂を重ねるごとに、「発明塾での討議/発明実績」にもとづく割合が、増えてきました。
塾生とともに、日々の実践を積み重ねてきた成果がどんどん形になっています。6年前の「発明塾」開始当初から意図していたことであり、また、当初計画よりは少し遅れていますが、個人的には、嬉しい限りです。
「人まね」「横文字を縦文字にする(欧米の有名手法の翻訳)」「耳学問止まり」は、子供の頃からの習慣のせいか、個人的にあまり好かないので、今後も、「自ら実践し、効果を確認し、指導し/共に実践し、実績が出て身につく教材を、机上の空論を排して提供する」ことを、日々追求していきたいと思います。
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(楠浦からのレターが、無料で週に1‐3回届く、とお考え下さい)
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