「発明塾®」へようこそ!: 「強い特許」と言うけれど・・・~特許出願「量より質」?問題/よい経験を効率よく積む

2016年7月25日月曜日

「強い特許」と言うけれど・・・~特許出願「量より質」?問題/よい経験を効率よく積む

現在、「特許出願」予定の発明について、発明塾で

「明細書作成」

作業を行っているメンバーがいます。



以前から、度々触れているように

「どう権利化するか」



「どういう発明を創出するか」

は不可分であるため、請求項/明細書作成は非常に重要な作業です。


権利化を踏まえた「発明の強化法」は、既に、e発明塾「強い特許の作り方」として教材化してあります。

「事業化・権利化を見据え、自身の発明を、”再発明する”」

という、

知財的再発明」*

の考え方は、ぜひ学生時代に身につけておいてほしいものの一つです。

* 「知財的再発明」は、TechnoProducer株式会社の登録商標です。


安富くんは、わかっていると思いますが、
「知財的再発明」能力は、拒絶理由通知との
「対話」を繰り返す中で、磨かれます。


実践の貴重な機会ですから

「よい経験を積みたい」

と考える、意欲あるメンバーは、ぜひ、この作業に参加してください。

多くの企業で、特許出願は

「量より質」

という方針であり、皆さんが企業に入っても

「出願に至る発明」
「自身の発明の権利化に携わる機会」

は、減っていくかもしれません。


上で述べたように、「発明と権利化は不可分」であるため、

「よい発明の創出に必要な経験を積む機会」

が減ることを、意味します。

e発明塾「強い特許の作り方」で疑似体験をしつつ、めったにない、実践の機会を利用して欲しい。

e発明塾「強い特許の作り方」は、僕が自身の発明を権利化する過程で得た知見と技術をもとに、開発した教材ですから、皆さんの力になるはずです。



数多くの「自身の発明」を、日米で権利化してきた経験を振り返ると、

「自身の発明を権利化するために、拒絶理由通知に対応する」

を繰り返す中で、

「発明を権利化するとは、どういうことか」
「権利を勝ち取るために、何が必要か」
「どのような先行技術が出てくるのか」
「そもそもその権利、取得してどう活用するのか」

など、様々なことを考え、

「知財的再発明」

の全貌が理解できるようになるのだと、痛感します。そして、発明の全過程を踏まえ、権利化に臨むと、

「全く異なる景色」

が、見えてきました。結局は、この繰り返しです。


「拒絶理由への対応」については、e発明塾「本質から学ぶ特許概論」の後半で、詳しく取り上げています。

こちらは、僕自身の発明について取り上げるのは難しいため、発明塾で読み解いた特許の中から、特に、

「権利化が巧妙」

だと感じた、3M社の特許を取り上げています。



自身の発明が出願される際、特に、米国の代理人とやりとりする場合、僕が最初に行うことは、

「第1請求項(First Claim)の立案」

です。先方からも、独立項の案が来ますが、

「それとは関係なく」

自身で、請求項を書きます。


法律的にどういう表現がよいかなどは、先方の案が優れているでしょうが、

「発明の本質」
「事業と収益モデル」

を踏まえた請求項の立案は、権利化に慣れた発明者が行う方が適しています。


考える過程で、

「発明が進化し、磨かれる」

からです。もちろん、優れた代理人は、

「この発明は、もっと発展する可能性はあるのか?」

などと、より広く多面的に考えるように促してきます。経験上、米国の代理人は、その傾向が顕著です。



今回も、請求項案をもらいましたが、僕がいくつか

「より、権利化に値する発明へ」

と、進化させるよう、指示しました。


再考してもらったあと、ぜひ、メンバーで討議したいと思います。


「自分たちの発明を、強い特許にしてこそ、見えてくる」

ものがあります。

発明塾は、常に実践主義であり、実績主義です。

忘れないように。



楠浦 拝