「明細書作成」
作業を行っているメンバーがいます。
以前から、度々触れているように
「どう権利化するか」
と
「どういう発明を創出するか」
は不可分であるため、請求項/明細書作成は非常に重要な作業です。
権利化を踏まえた「発明の強化法」は、既に、e発明塾「強い特許の作り方」として教材化してあります。
「事業化・権利化を見据え、自身の発明を、”再発明する”」
という、
「知財的再発明」*
の考え方は、ぜひ学生時代に身につけておいてほしいものの一つです。
* 「知財的再発明」は、TechnoProducer株式会社の登録商標です。
安富くんは、わかっていると思いますが、
「知財的再発明」能力は、拒絶理由通知との
「対話」を繰り返す中で、磨かれます。
実践の貴重な機会ですから
「よい経験を積みたい」
と考える、意欲あるメンバーは、ぜひ、この作業に参加してください。
多くの企業で、特許出願は
「量より質」
という方針であり、皆さんが企業に入っても
「出願に至る発明」
「自身の発明の権利化に携わる機会」
は、減っていくかもしれません。
上で述べたように、「発明と権利化は不可分」であるため、
「よい発明の創出に必要な経験を積む機会」
が減ることを、意味します。
e発明塾「強い特許の作り方」で疑似体験をしつつ、めったにない、実践の機会を利用して欲しい。
e発明塾「強い特許の作り方」は、僕が自身の発明を権利化する過程で得た知見と技術をもとに、開発した教材ですから、皆さんの力になるはずです。
数多くの「自身の発明」を、日米で権利化してきた経験を振り返ると、
「自身の発明を権利化するために、拒絶理由通知に対応する」
を繰り返す中で、
「発明を権利化するとは、どういうことか」
「権利を勝ち取るために、何が必要か」
「どのような先行技術が出てくるのか」
「そもそもその権利、取得してどう活用するのか」
など、様々なことを考え、
「知財的再発明」
の全貌が理解できるようになるのだと、痛感します。そして、発明の全過程を踏まえ、権利化に臨むと、
「全く異なる景色」
が、見えてきました。結局は、この繰り返しです。
「拒絶理由への対応」については、e発明塾「本質から学ぶ特許概論」の後半で、詳しく取り上げています。
こちらは、僕自身の発明について取り上げるのは難しいため、発明塾で読み解いた特許の中から、特に、
「権利化が巧妙」
だと感じた、3M社の特許を取り上げています。
自身の発明が出願される際、特に、米国の代理人とやりとりする場合、僕が最初に行うことは、
「第1請求項(First Claim)の立案」
です。先方からも、独立項の案が来ますが、
「それとは関係なく」
自身で、請求項を書きます。
法律的にどういう表現がよいかなどは、先方の案が優れているでしょうが、
「発明の本質」
「事業と収益モデル」
を踏まえた請求項の立案は、権利化に慣れた発明者が行う方が適しています。
考える過程で、
「発明が進化し、磨かれる」
からです。もちろん、優れた代理人は、
「この発明は、もっと発展する可能性はあるのか?」
などと、より広く多面的に考えるように促してきます。経験上、米国の代理人は、その傾向が顕著です。
今回も、請求項案をもらいましたが、僕がいくつか
「より、権利化に値する発明へ」
と、進化させるよう、指示しました。
再考してもらったあと、ぜひ、メンバーで討議したいと思います。
「自分たちの発明を、強い特許にしてこそ、見えてくる」
ものがあります。
発明塾は、常に実践主義であり、実績主義です。
忘れないように。
楠浦 拝