「今後、どのような発明テーマを選ぶか」
つまり、
「発明テーマの選び方」
(頭脳の投資、ですので「投資テーマの選び方」でもあります)
を取り上げました。
話した通り、
「自身の知識」「自身の技術」
をベースにテーマを選ぶ場合、
「つながるかつながらないか、ギリギリ(エッジ)」
のテーマを選びましょう。発明の成否は、
「テーマ選びで9割決まる」
と、思っておいてください。
「よく知っているテーマ」
を、安直に選ぶと、
「泥沼」
にハマります。新しさを出せる余地が、最初から、限られているからです。
よく、
「知りすぎていると発明が出ない」
という方がおられますが、これは、少し違うように感じています。
「テーマを選ぶときに、発明がなされる」
と、これまでの経験から、僕は感じています。よく知っていても構わないのですが、
「自身が、新しさを出せる余地の、イメージが持てているか」
が重要です。
「安直に選ばない」
とは、そういうことです。
僕は、大学時代から一貫して
「材料」
を、技術屋としての一つの専門分野に定め、
「金属」「熱処理」「加工」「ナノ材料」「電子材料」「高分子」「結晶成長」「メッキ」「バイオマテリアル」「光学材料」・・・
などの研究開発を続けてきました。結果として、
「新しさを出せる余地の、イメージ」
を、幅広い分野で、持つことが出来るようになっています。
発明塾では、ユーモアを交え
「材料最強説」
「化学最強説」
などと、説明することがありますが・・・。
(もちろん、冗談です)
さて、今回のもう一つのテーマ、
「ウエアラブル」
「慢性疾患」
の参考に、僕が以前から調べている
「ユニバーサル・ヘルス・サービス(UHS)」
という、米大手病院の情報を、取り上げておきましょう。
「慢性疾患への有効なソリューションの提供」
は、発明塾がフォーカスすべき
「解決すべき重要な課題」
の筆頭です。この情報を生かし、しっかり取り組んでほしい。
以下、関連リンクも示しておきます。
「Nike」と「Apple」の戦略的交差点から「次のウエアラブル」を見通す~第336回報告/「靴」の固有性はどこに?
後発薬と低侵襲医療のトレンドが交差するところにいるのは・・・?(医療機器エッジ特許分析その後)
● 米「病院業界」
個別の話の前に、業界を把握しておきましょう。UHSは
「持ち株会社として、多数の病院を経営している」
企業です。米病院大手として、他に HCA があります。また、腎臓疾患ケアを中心にしたサービスを提供している Davita のような企業もあります。
● 全米に拠点
「アメリカって広いんだな」
を実感したスライドです(笑
これだけ広いと、
「Universal」(遍く)
均一なサービスを提供するのは難しいだろうな、とも感じます。
医療経営のノウハウを積み重ね、多くの医療従事者とのネットワークを持つ、UHSのような存在が重要になる背景には、
「国土の広さ」
が、あるのかもしれません。
UHS 2015 投資家向け説明資料 より
● 「メンタルヘルス」の重要性
以下を読むと、投資家向けにいろいろと説明をしてくれています。すこし抵抗感がある表現もありますが、
・ Mental illness に起因する障害が多いこと
・ 推定 7300万人 の対象者がいること
など、貴重な情報が開示されています。
気になる方は、元の資料をさらに詳しく読んでください。
UHS 2015 投資家向け説明資料 より
病床数も、拡大しているようです。
UHS 2015 投資家向け説明資料 より
● 「Telehealth/遠隔医療」
2015年のアニュアルレポートには、「遠隔医療」についても、言及があります。
「Nationally, health systems identify the need to collaborate with specialty behavioral health providers to deliver mental health services.」
のような記載もあります。
先の
「国土の広さ」
と併せて読むと、
「メンタルヘルスの専門家」
とのネットワーク構築、それを利用した医療の提供に、「遠隔医療」は欠かせない、ということでしょうか。
UHS 2015 アニュアルレポート より
以上です。
楠浦 拝