「発明塾®」へようこそ!: 1月 2011

2011年1月27日木曜日

発明塾@京都 第23回開催報告

第23回は、スペシャルゲストを迎えての開催となりました。
知財関係では、私がもっとも注目している方です。

なかなか聞けない話ばかりで、参加いただいた塾生の方には、貴重な経験となったのではないでしょうか?

さて、@京都は今回から「全員同じテーマでブレスト→次週までに各自のアイデアをブラッシュアップ」という形式にしました。(今回のテーマは、Touch based UI for AR)基本的に毎回違うテーマで実施しますので、次回からは事前の予習と前回のアイデアのブラッシュアップが必要となります。

これでも、年間52週しかありませんから、年に52個のテーマしか討議できないわけです。一回一回、一週一週確実に上記のサイクルを回すようにしてください。結局は、毎週毎週の積み重ねなのです。分かっている人は分かっていると思いますが。

さて、次回は
・前半:統一テーマでブレスト(テーマは別途決定告知)
・後半:前回のブレストで出たアイデアを、各自詰めた上で発表・討議
とします。今後はこのサイクルで回していきます。

塾生同士でも、必要に応じて集まる、チャットで討議するなどして、内容を詰めておいてください。

では。

2011年1月20日木曜日

発明塾@京都 第22回開催報告

@京都第22回も無事終了しました。

今回は、試験期間中ということもあったと思いますが、常連メンバーの内の7名のメンバーで討議しました。補習も2名分実施しました。

今回は、日本の知財の現状(裏話?)、みたいなことも少し話しました。皆さんの将来を考える上で、世の中の真実を知っていることは、役に立つと思います。いずれは、卒塾生が後輩に真実を話しにきてくれる、と期待しています。

さて。

アイデアを出すときは、できるだけいろいろな可能性を考え、楽しくやることがポイントですが、それを詰めていく段階では、論理的に緻密に考える必要があります。

そのため、アイデアが出たらすぐに図と文章に落とす、を徹底してください。
マインドマップでは、論理が明快になりません。

マインドマップは、明快でないものをとりあえず明快でないままフワフワと保存しておく事ができるため、発想には向いています。ただ、そのままにしておくと、いつまでも論理がつまりません。マインドマップは最初に発想を広げるために使うモノ、と割りきって、そこで出たアイデアを一つづつ文章に落として検証し、見込みのあるものについて、さらに詳細な検討をすすめる、という進め方をしましょう。

文章や図に落とすときのポイントは以下の3つです。
(これは、私が言ったのではなく、すでにSRを出しているある塾生さんが言ってくれたことです)

・なにが新しいのか(進歩性):発明の本質。既存の技術に対してどの部分が飛躍しているのか。
これは、課題設定によっても変わってきます(XXという課題に適用した例はない、とか)。
という話は、第4回の http://edison-univ.blogspot.com/2010/09/4.html 佐田先生のお話、のところでやりました。
・課題:そのアイデアは、結局のところ何を解決してくれるのか
・実現可能性:実現可能であることを論理的に実証する。既存の論文、特許や数学/物理/化学等の理論を駆使する。

思いついたアイデアは、まずはこの3つについてぞれぞれざっと書いてみて、アイデア同士を比較してみることで、一つのアイデアにこだわって泥沼にハマることを避けることができます。

アイデアはスピードが勝負、次回からはそういうふうに運営方法も変えていきます。


<今後の進め方>
今後は、以下のように進めます(京都だけ)

・3時間の塾の時間について、時間割は以下
前半1-1.5時間:あらかじめ決めたテーマ(RFI)で「全員で」ブレスト
後半1-1.5時間:前回のブレストもしくは各自で考えてきたアイデアについて、皆に意見が聞きたいもの、追加のアイデアが必要なものがあれば申告してもらい、取り上げる。
+必要に応じて、途中で講義(メンバーの理解度による)

アイデアがSRになるまでの流れを書くと、以下のようになります。
・ある週にブレストを行い、多数のアイデアが出る
・各自持ち帰り、それらを自分なりに検討。モノにできそうなものを選んで、調べ、詰める。
(・早い人は、事前に楠浦にアイデアをメモにして送付、相談)
・自主的な集まりも活用して、情報収集や討議もOK。
・早い人はSRの骨子を作成。
・翌週補習もしくは塾後半で討議。
・SR作成に入る。

これに伴い、運営法も変更します。

・事前申込:開催週の月曜日中を原則とする。(もちろん遅れても受付けます>後述のテーマ決定、資料送付の関係)
・申込時に、前半のブレストで取り上げて欲しいテーマ(RFI)を連絡。また、後半の討議で取り上げて欲しいものがあれば、現状報告と共に随時連絡(これは直前でもいいが、基本、早い者勝ち。2名程度が限界でしょう。)
・開催週の火曜日17:00までにテーマは決定し、参加申し込み者に連絡。
・参加者は、RFIをあらかじめ読んでおき、Google画像検索、かんたん特許検索を行って予習をしておく。

もちろん、申し込みは直前でもOKですが、遅れて申し込んだ人は、資料送付が開催直前(もしくは当日)になる可能性があります。

継続的に、様々な分野について調べアイデア出しを行うことで、幅広い知識が蓄積され、柔軟な発想も生まれます(異分野の知識を活用する)。

きっかけや、関連知識・情報は周りからもらうことができますが、そのアイデアを論理的に組み上げて仕上げるのは自分にしかできない(頭脳の中で起こることなので)ので、何を皆と討議(もしくは人に聞く)すればよくて、何を自分で考えないといけないのか、を意識して進めるようにしてください。

現状では、発明の細かい議論をするために、毎回一から発明の説明をして・・・と、ある種の「集団痴呆」のような状態になっていますので、細かい部分は個別討議に回すことで、集まっている時間でやること、個人でやること、のメリハリを付け、皆さんの「頭脳のスピード」を上げたいと思います。

日頃ゆっくり走っていると、そのうちゆっくりとしか走れなくなります。

怖いことです。

これが今、日本で起きていることだと思います。

では。

2011年1月17日月曜日

発明塾@東京 第38回開催報告

見学者も交えて、第39回も無事に終了しました。

今回は、デモの意味も込めて、「音声によるパーソナルガイダンス」に関する発明ブレストを行いました。

発明は、まずは既存技術の調査から始まります。

既に何がやられていて、やられていないフィールドはどこか。

それを明らかにすることから始まります。

これは、まずは問題を理解することにもつながりますし、発明を行うフィールドを決めることでアイデアも出やすくなります。出すアイデアに自信も持てます(既存ではない、という所を狙っているので)

まずは既存技術を徹底的に調べ、整理する。

ここからはじめてください。

2011年1月13日木曜日

発明塾@京都 第21回開催報告

なぜか?新年一回目より少ない人数でしたが、無事21回も終了しました。
今回は、見学者も交えてとなりました。今後も参加予定とのことなので、皆さん暖かく迎えてあげてください。

さて、今日は1名の塾生さんのトピックを元にブレストを行いました。脱線しつつも、現実的でイノベーティブな解にたどり着いた気がします。

たまには、少ない人数でゆっくりやるのもいいかな、と思った回ではありました。

人数が多いと、スピード感と迫力がありますけどね。

すこし余裕があったので、発明塾を僕が今後どうしたいのか、という話もしました。
これは折りにふれ、また話したいと思いますが、これまでも大学の授業などで度々話しているDeepSpringsCollegeの話です。明日、立命館大学でもこの話をします。
http://www.deepsprings.edu/home 大学Webサイト
http://www.unipro-note.net/archives/50139010.html クーリエ・ジャポンの記事

学費は無料。寄付+学生が自分で稼ぐ。自主運営。

こういう大学にしたいですね。発明大学では、寄付の部分はOBが大成功して寄付してくれることにしています^^

みんなよろしく。

とりあえず京都組は、京都大学理学部に年間数百万寄付して、大学と世界の度肝を抜きましょう。
(ちなみに今年は、数万円ぐらいは寄付することになると思います。僕個人の分も含めると、5万ぐらいにはなるのかな?僕の場合は、非常にささやかな、母校への恩返しになりますが。)

では。

2011年1月11日火曜日

発明塾@東京 第37回開催報告

第37回は、他の発明家(大人の)の方々と合同セッションでした。

普段は仕切る側で、なかなかゆっくり頭を使えませんが、今回はゆっくり考えられました。これはこれで楽しいですね。

food safety monitoring と smart building について議論しました。いずれも、視点を変えるとまだまだイノベーションの可能性がありますね。

人の見ない情報を見て、人が考えないような事を考える、人のしないような判断をする、それが一歩先へ出るコツです。改めて痛感しました。知財の世界では、一歩先に出ないと意味が無い(権利が取れない)ですから。


2011年1月6日木曜日

発明塾@京都 第20回開催報告

あらためまして、明けましておめでとうございます。
本年もよろしくお願いします。

さて、昨日の@京都は新年早々でしたが、11名の参加者(見学者含む)で開催されました。
2名のアイデアについての討議、あとは来年度の塾生募集も含めた今後の運営について話し合いました。定期的に参加してくれる塾生さんの人数もそれなりに増えてきましたので、週一回の討議では時間が足りない、という話は前からしていました。そろそろ、塾生同士で討議できる場所の確保が、大学内に欲しいところですが・・・。

ということで、発明塾の本質は変わらないのですが、学生さん主体の場を持てるようにするのが、来年度の発明塾京都の当面の課題になります。

個別指導レベルでは場所はえらびませんが、10名程度集まって議論するとなると、回線も含めたインフラが必要になります。

ある程度固定的な場所が確保できるのであれば、その場所に集まった学生さんが使うという形で、モバイル回線自体を貸し出すことも可能だと思いますので、今後も塾内で少しづつ討議していきましょう。

今まで通り、私自身は毎週京都に足を運びますので、その点は心配なく。

また、今後も個別指導を木曜日、金曜日を利用して行います。


さて、アイデアの討議の方は、以下の点に注意しながら進めました。

・「コスト」を言い訳にして思考停止しない。
⇔技術的な可能性を追求する、それを徹底的に考える。

・類似技術は必ずある。それと、自分のアイデアの違いを徹底的に考える。
⇔「自分は何がやりたいのか」と「いま提案されているもの(もしくは実用化されているもの)」の本質的な違いはなにか。
⇔まだ実用化されていない場合、「なぜ実用化されていないのか、その技術的課題はなにか」

これを「徹底的に」考えることで、発明が生まれます。突き詰めて考えないと何も生まれません。これは発明だけではなく、社会に出て(でなくても)全てのことに言えることです。

何が違うんだ、なんで実用化されてないんだ、その課題は何だ、どうやれば解決できるのか、様々な課題を一挙に解決できるアプローチはないか、他の技術分野ではどうやっているんだ・・・常に考え続け、問い続ける事です。

徹底的に思考力を鍛える。答えが一つでない問に対して、様々な角度から仮説を提案し、それを検証していく。それは「与えられた問題を解く」ではなく、「自分で証明すべき命題を立て、それを立証する」ということです。

それが発明塾の本質です。

P.S.
クーリエ・ジャポン2月号を持ってきてくれた塾生さんがいました。
「世界の発明Best50」なかなか面白かったですね。

今後も、本やサイトなどいい情報はどんどん共有してください。

2011年1月4日火曜日

発明塾@東京 第36回開催報告

第36回、新年一回目の発明塾も無事終了しました。

今回は、すでにある程度考えてきた塾生さんのアイデアを討議しました。

特に実現可能性を、と言っても前向きに、どうすれば実現できるのか、その条件を探る形で、討議しました。この議論をすることで、権利取得の範囲もイメージできます。もっとも、それには特許自体に対する理解が必要ですが。

年末に参考図書を挙げておきましたし、Twitterでも、年末に私が読んだ知財関連本(4冊ぐらいかな)を挙げておきましたので、それらが参考になるでしょう。

日本の大学で気になるのは、大学から与えられる課題の量が圧倒的に少ないことです。勉強は、脳のシナプスのつながりを作り強化するプロセスなので、ある程度の量が欠かせません。筋トレと勉強は本質は同じです。

なんとなく理解した、というレベルではなく、どこから突っ込まれても完璧に答えられるというレベルまで理解しないと、記憶として定着しませんし、その知識も使いこなせません。その辺は皆さん受験勉強で嫌というほど実感したはずです。

発明活動においても、レベルを上げていくためには、技術自体の勉強、経済や市場に関する勉強、特許という権利・制度に関する勉強が欠かせません。

この三つにバランスよく取り組むように心がけてください。

各自学び、教えあい、発明塾で実践する。この形が理想だと思います。

もちろん、必要最低限のことは塾でも教えますが、皆が集まる場ではできるだけアイデアを討議したいとおもいますので、勉強は各人に任せる部分が多くなります。

どんな本を読めばいいのかなどは、常に私がTwitterでつぶやいてますので、それを参考にしてどんどん勉強してください。

私自身は、いわゆる新書レベルで年間100~150冊程度は本を読んでいます(雑誌除く)。これは、社会人になってから毎年それぐらいは読んでいます。前職のベンチャーをやっていた頃には、+技術系専門書で年間150冊以上読んでいましたので、300冊ぐらいになります。

本を読むスピードというのは、たくさん読めばあるところから突然早くなります。原理は単純で、蓄積により理解力が増すからです。スピードは遅いでしょうが時間があるので、学生さんでも年間100冊程度は読めるはずです(教科書除く)。

時間があるうちに、どんどん勉強してください。で、それを使って実績を出しましょう。

では、今年も宜しくお願いします。

皆さんの活躍に、大いに期待しています。