「発明塾®」へようこそ!: 発明塾@京都 第22回開催報告

2011年1月20日木曜日

発明塾@京都 第22回開催報告

@京都第22回も無事終了しました。

今回は、試験期間中ということもあったと思いますが、常連メンバーの内の7名のメンバーで討議しました。補習も2名分実施しました。

今回は、日本の知財の現状(裏話?)、みたいなことも少し話しました。皆さんの将来を考える上で、世の中の真実を知っていることは、役に立つと思います。いずれは、卒塾生が後輩に真実を話しにきてくれる、と期待しています。

さて。

アイデアを出すときは、できるだけいろいろな可能性を考え、楽しくやることがポイントですが、それを詰めていく段階では、論理的に緻密に考える必要があります。

そのため、アイデアが出たらすぐに図と文章に落とす、を徹底してください。
マインドマップでは、論理が明快になりません。

マインドマップは、明快でないものをとりあえず明快でないままフワフワと保存しておく事ができるため、発想には向いています。ただ、そのままにしておくと、いつまでも論理がつまりません。マインドマップは最初に発想を広げるために使うモノ、と割りきって、そこで出たアイデアを一つづつ文章に落として検証し、見込みのあるものについて、さらに詳細な検討をすすめる、という進め方をしましょう。

文章や図に落とすときのポイントは以下の3つです。
(これは、私が言ったのではなく、すでにSRを出しているある塾生さんが言ってくれたことです)

・なにが新しいのか(進歩性):発明の本質。既存の技術に対してどの部分が飛躍しているのか。
これは、課題設定によっても変わってきます(XXという課題に適用した例はない、とか)。
という話は、第4回の http://edison-univ.blogspot.com/2010/09/4.html 佐田先生のお話、のところでやりました。
・課題:そのアイデアは、結局のところ何を解決してくれるのか
・実現可能性:実現可能であることを論理的に実証する。既存の論文、特許や数学/物理/化学等の理論を駆使する。

思いついたアイデアは、まずはこの3つについてぞれぞれざっと書いてみて、アイデア同士を比較してみることで、一つのアイデアにこだわって泥沼にハマることを避けることができます。

アイデアはスピードが勝負、次回からはそういうふうに運営方法も変えていきます。


<今後の進め方>
今後は、以下のように進めます(京都だけ)

・3時間の塾の時間について、時間割は以下
前半1-1.5時間:あらかじめ決めたテーマ(RFI)で「全員で」ブレスト
後半1-1.5時間:前回のブレストもしくは各自で考えてきたアイデアについて、皆に意見が聞きたいもの、追加のアイデアが必要なものがあれば申告してもらい、取り上げる。
+必要に応じて、途中で講義(メンバーの理解度による)

アイデアがSRになるまでの流れを書くと、以下のようになります。
・ある週にブレストを行い、多数のアイデアが出る
・各自持ち帰り、それらを自分なりに検討。モノにできそうなものを選んで、調べ、詰める。
(・早い人は、事前に楠浦にアイデアをメモにして送付、相談)
・自主的な集まりも活用して、情報収集や討議もOK。
・早い人はSRの骨子を作成。
・翌週補習もしくは塾後半で討議。
・SR作成に入る。

これに伴い、運営法も変更します。

・事前申込:開催週の月曜日中を原則とする。(もちろん遅れても受付けます>後述のテーマ決定、資料送付の関係)
・申込時に、前半のブレストで取り上げて欲しいテーマ(RFI)を連絡。また、後半の討議で取り上げて欲しいものがあれば、現状報告と共に随時連絡(これは直前でもいいが、基本、早い者勝ち。2名程度が限界でしょう。)
・開催週の火曜日17:00までにテーマは決定し、参加申し込み者に連絡。
・参加者は、RFIをあらかじめ読んでおき、Google画像検索、かんたん特許検索を行って予習をしておく。

もちろん、申し込みは直前でもOKですが、遅れて申し込んだ人は、資料送付が開催直前(もしくは当日)になる可能性があります。

継続的に、様々な分野について調べアイデア出しを行うことで、幅広い知識が蓄積され、柔軟な発想も生まれます(異分野の知識を活用する)。

きっかけや、関連知識・情報は周りからもらうことができますが、そのアイデアを論理的に組み上げて仕上げるのは自分にしかできない(頭脳の中で起こることなので)ので、何を皆と討議(もしくは人に聞く)すればよくて、何を自分で考えないといけないのか、を意識して進めるようにしてください。

現状では、発明の細かい議論をするために、毎回一から発明の説明をして・・・と、ある種の「集団痴呆」のような状態になっていますので、細かい部分は個別討議に回すことで、集まっている時間でやること、個人でやること、のメリハリを付け、皆さんの「頭脳のスピード」を上げたいと思います。

日頃ゆっくり走っていると、そのうちゆっくりとしか走れなくなります。

怖いことです。

これが今、日本で起きていることだと思います。

では。