2012年9月27日木曜日

発明塾京都第102回開催報告

 102回は、夏休みに行った発明を踏まえて、いわゆる「落穂拾い」(ミレー:注1)を行いました。やってみると、各自色々気付くことがありましたよね。

①発明のバックログ解析(これは、塾生さん自身の手によるもの)

②発明提案書の書き方
③進歩性の解説(何回目ですかね・・・)
④先行技術調査のポイント
⑤ポンチ絵力をあげる

 今回は上記5つのポイントを取り上げました。①については、詳細は明かせませんが、どういうアイデアがどのように「詰まって」いくのか、非常に興味深い分析になっていました。


 ②は「新しいものを評価してもらうのに、どのようなドキュメントであるべきなのか」ということに尽きると思います。それが発明であるならば、世の中になかったものなので、理解されなくて当然です。そこを、どう伝えるか。これもひとつの能力です。


 ③は、今回は 山口大学 佐田先生 の記事ではなく、たまたま見つけた「新・拒絶理由通知との対話」という本にあったチャートを用いて、説明しました。簡単に言うと、先行技術と自分の発明の対比において、


・構成要素の組み合わせが新しい(もしくは「新しい構成要素」という理解でも、とりあえずはOK)


・それによる効果

をペアで考えないといけない、ということです。もう少しいうと「新しいものが付け加わってるんだから、それによる新たな効果がある『はず』ですよね」「そこをしっかり深堀しましょうね」ということになります。


 「新しい」は相対的な概念なので、それを考えるためには必ず先行技術(との対比)を必要とします。つまり「違い」「差分」に気付く必要があります。先行技術との比較において「だいたい同じです」みたいな「雑」な議論は無意味です。


 なので④が重要になってきます。今回は、最近成立したIIJのコンテナ型データセンター特許(注2)について、発明をどう捉えるか、先行技術を調べるための検索式の立て方、について実際に作業しながら学びました。最後には、弊社のサーチャーの立てた式を基に、その思考回路を分析しました。ついでに、プロが先行技術調査で使う「対比表」についても、例を配りました。各自であそこまでやる必要はないですが、こういうふうに考えるんだ、という事例として、記憶にとどめておいて欲しいと思います。


 最後の⑤は、若干息抜き的な要素もありますが、デッサンをやりました。僕は、自分の発明を頭の中で正しく表現し、それを紙に表現する、という手順でないと、独創性のある発明は出来ないと思っています。コピペで絵を持ってきて切り貼りして発明を作ると、アイデアが元の絵に引きずられてしまう。

 実際、塾生の発明を見ているとそうなっているので、自分の思考をストレスなく図に表現できる能力が、思考を促進するのだなと、分かって来ました。出口が詰まっていると、物事は進まないということかもしれません。アウトプット能力を鍛えることで、中間のプロセスもスムーズに進むようになります。
 これは、発明提案書が書けないと、結果的に良い着想もでない、のと全く同じです。アウトプットのハードルが、他のすべての作業を縛ってしまうのです(注3)。

「書くのが大変」→「いい発明でないと、書く時間が勿体無い」→「そんなに良いアイデアはなかなか出ない」→「ますます書けない」・・・

という悪循環です。これを治すには「とにかく書いてみる」以外の方法はありません。この夏休みに、数名の塾生は治療できたようです。


他にも色々気づいたことがあるのですが、それは別途「塾長の部屋」に書くことにします。



※注1) http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%90%BD%E7%A9%82%E6%8B%BE%E3%81%84


※注2) 例えば以下参照。

http://www.techvisor.jp/blog/archives/2620

※注3) 塾生の一名が「ニコラ・テスラは、自分のアイデアの細部までイメージできたらしい」と言ってましたが、彼はその能力があったからこそ、いい発明が次々に出たのだと思います。