「発明塾®」へようこそ!: 「未来を見通す水晶玉を手に入れた男」の記事を読んで ~ ARMを買収し、NVIDIAに投資することの意味は何か(第383回/投資部第21回)

2017年5月29日月曜日

「未来を見通す水晶玉を手に入れた男」の記事を読んで ~ ARMを買収し、NVIDIAに投資することの意味は何か(第383回/投資部第21回)

先日の投資部、ご出席者の皆さん、お疲れ様でした。

・ ウェアラブルデバイス関連
・ スポーツ/アミューズメント/ヘルスケア

といった領域が、討議対象になりました。

ところで、運営についていくつか報告があります。

・ 発明塾の定期開催は停止(試験運用です)
・ 投資部は、OBOGの紹介に限り、社会人メンバーも受け入れ(試験運用です)

とします。理由はいくつかありますが、

・ 何かを止め、何かを始めるのが投資

だと考えているから、とさせてください。
(流動性を諦め、利回りを得る、など)

別途、個別に報告することになると思います。

本日は、予定を変更して、不思議なご縁で知り合った

「僕が尊敬する、大学の後輩の一人」

の方が知らせてくれた記事にもとづいて、

「未来予測」

について、私見を書きます。
あくまでも個人の意見です(笑




● 「未来予測」の能力は、「アセット」により大きく変化する

実はこの考え方は、

e発明塾「課題解決思考(1)

開発中に、議論し出てきたものです。

「コア技術の強みに注目する」

と、

「何がいいのか」

について、過去の事例を振り返りながら議論し、たどり着いた結論です。


発明塾や弊社業務での、数百件におよぶ発明の創出経験、および、550回を超える発明討議の経験などから

「コア技術の強みに注目する」



「その技術を持ってない人には、なかなか気付けない市場機会」

に気づくことができるようだと、感じています。


僕はこのことを

「コア技術は、未来を見通すレンズである」

のように表現しています。


実は、上記のことは

特許情報を用いた技術マーケティング

にまとめた、ナノインプリント技術の実用化開発/用途の実用化/新規事業開発の際にも、なんとなく気づいていました。

「他の人が見えてないものが、見えているようだな」

という感覚を持っていました。


以下の講座

e発明塾「開発テーマ企画・立案における特許情報分析の活用

でも書きましたが、上記の感覚と特許情報を手がかりに、

「確信が持てるまで、考え抜く」

ことで

「世界初、立体細胞培養容器の量産化」

へと、自信を持って事業を進めることができました。


長くなりましたが、ここまで、前置きです。




 
(画像をクリックすると Amazon.co.jp のサイトへ移動します)
Amazonのプログラムを利用して画像を引用することにしました。
レイ・クロックの自伝は、孫さんのお気に入りの一つだったと思います。


つい最近、上記

「尊敬する後輩」

の方より、以下記事を紹介いただきました。

ソフトバンク10兆円ファンド、設立の決め手は「水晶玉」(ITPro)


僕が気づいている程度のことは、

「みんな気づいていて」
「その筋の人には常識」

なんだなと感じたので、むしろ

「備忘録」

として、この Blog にあれこれ書いておくことにしました。
なんせ、書かないと忘れてしまうもので・・・。


余談ですが、実は、私のメルマガ発明塾講義も、個人的な備忘録を兼ねています。


自分宛てに、数日後に送られてくるので

「いろいろなことを、見直し、考え直す」

よいきっかけになります。


「メルマガを書く」

ことは

「考える事」

そのものだと、つくづく思います。

高校時代から、文章を書いたり、翻訳したり、解説したり、ということが好きだったのも、幸いしています。
(大学時代には、塾での指導に用いる英語教材を、全て完全自作していましたし・・・)




● 「他を捨て」「こだわる」手段になる「コアなアセット」

上記記事には

「水晶玉」

と表現がありますが、孫正義氏が、ARMを買収して手に入れたのが

「未来を見通す力」

だというのは、まさにそのとおりだ、と思いました。


彼はその「水晶玉」を利用して、次々に投資(とM&A)を行い、

「水晶玉の精度を、更にあげていく」

ことだろうと思います。

ただ、ファンドが巨大なだけに、

「自分の予測が、市場を歪める」

ことに、苦しむような気もします。


これは、

「ウォーレン・バフェット」

の運営する保険会社(投資会社としての側面も持つ)

「バークシャー・ハサウェイ」(BRK

が陥っているジレンマと同じです。

バークシャー・ハサウェイ(BRK)は、保険という事業が持つ(1つの)コアなアセットである

「Float」

を用い、大きくレバレッジを掛けた投資と、独自の投資哲学で、継続的に市場平均を上回る驚異的な成果を挙げてきた企業です。その巧みなビジネスモデルは、知っておいて損はないでしょう。
ビジネス構想力セミナーで、同様のビジネスモデルについて、詳しく解説しています)


その他細かいことは、上記記事に書いてありますし、カンのよい方であれば、いろいろ気づいていただくほうが早いですので、すこし「ズボラ」させていただき、個人的経験の話に戻ります。


前半では

「コア技術(の強み)」

と書きましたが、僕の個人的な意見(*)として

「水晶玉」

の本質は

「コアなアセット」

ではないか、と思っています。



「コアなアセット」

があると、必ず

「認知バイアス」

が生じます。

多くの人は、

「認知バイアスを取り除こう」

という議論をしますが、僕も含めた多くの人にとって、認知バイアスを取り除くことは、それなりに難しい作業だと感じます(笑
(日々、修行をしていますが・・・)


発明塾では

「認知バイアスを利用せよ」
「認知バイアスこそが、市場(客観)に勝つ武器である」

と言っています。

その心(ココロ)が、

「コアアセットを、水晶玉(レンズ)として用い、未来を予測せよ(他の人が見えていないものを、見えるようにせよ)」

ということです。


投資とは

「あるものを捨てることで、別のものを得る」

という意思決定です。

「まんべんなく収集」

にこだわると、

「何も得られない」

という世界です。

分散投資では、リターンが平均化してしまうからです、という話は、こちらで書きましたし、また、「他の人」でもできるような「客観的」「論理的」な手法「だけ」では、超過平均が得られないことは、ほぼ自明だと感じます。

これが理解できないと

「独自の情報源がほしい」
「最新情報(他人の頭の中)を覗き見たい」

という

「無い物ねだり」

に陥ります。

その典型は

「特許情報は公開情報だから・・・」
「特許情報は、1年半後の公開情報だから・・・」

という、例の議論です。
(ちなみに、公開情報とは「他の人が知っている事を知る(他の人が何を知っていて、何を知らないかを知る)」ための手段に過ぎません)


積極的に

「捨てる」

ために

「コアなアセット」

を持つことを、心がけて下さい。


また、

「コアなアセット」



「水晶玉(レンズ)」

として活用し

「バイアス」

を活かせば

「公開情報」

という

「差別化されていない」

情報源から、機会に関する

「独自のインサイト/仮説/結論」

を導き出すことが出来ます。


「独自性」
「固有性」



「バイアスを持った、あなたという”人”」
「ある、コアなアセットを共有している組織」(企業など)

にあり、それを活かすことで

「機会」

自体が見つかるのだということを、僕は、日々感じています。
(多くの人は、コアなアセットは、機会をモノにする時に利用するのだと、勘違いしておられるフシがある気がします)


その他、関連することで、ここには書き切れていないことが、まだまだあります。


今後の Blog 、メール講義を通じ、あるいは、皆様とお会いする機会に、是非紹介させていただきたいと思います。




* これを書くのは、一つは自分の備忘のため、つまり、あくまでも自分の意見であることを忘れないためです。少なくとも僕は、文章を書いているうちに、それが自分の意見であったことを忘れ、一般論(検証された理論)であるかのように書いてしまう癖があるようです。


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