第135回も、無事終了しました。
今回は、各自の発明を一つづつ討議しました。もうすぐ締め切りですので、しっかり仕上げましょう。4-6月で各自1件の発明を出す、という目標を立てて進めて来ましたが、少なくとも年単位で在籍しているメンバーは、1件は出せる目処が付いたようです。
非常に大きな進歩だと思います。
期限付きの、具体的な目標を立てることの重要性、ヒラメキに頼らず、合理的なプロセスに従って進めれば、必ず期間内に優れた発明が出せることを、自ら証明し、実感してもらえたと思います。
講義の部では、発明を見直すためのフレームワークとして、
・技術進化の思想(モジュールからシステムへ)
・「事業戦略と国際標準化」(小川先生の著書)
について、説明しました。出てきた専門用語などは、各自で調べ、またそれらを統合して、自分なりの「発明論」としてしっかりまとめてください。
この、
「調べる」と「統合」
が、学びの本質です。
「誰かが話したこと」「書いてあること」をそのまま憶えることは、学びでもなんでもありません。
では、次回もよろしく。
「世界的規模の課題解決に取り組む」学生と共に、2010年に設立しました。
今後も、「未来予測」「発明」「投資」を通じ、世界的規模の課題解決へに取り組み、継続的に有為な人材を輩出することを目指します。
(「発明塾」は、運営元であるTechnoProducer株式会社の登録商標です)
2013年6月20日木曜日
2013年6月16日日曜日
塾長の部屋(44)~「集中」の技法
もっと長期的かつ哲学的なことを、色々書きたいと思っているのですが、夏休みの発明活動に支障が出ないように、やや足元のことを書いておきましょう。
塾で、「発明が出る」学生と「出ない」学生。何が違うか、なぜ「出ない」か。
一つは、
「よくわからないので、止めます」=ゼロリスク嗜好/思考
のタイプ。いやいやいや、「よくわからないから」(発明を)するのであって、結果がわかっていることを、する必要はない(再発明のムダ)。ダメならダメ、なんでダメなのか、しっかり考える必要があります。同じ過ちを、何度も繰り返すタイプ、と言えます(結局、以下につながる)。
もう一つは、「極めて効率が悪い、タイプ。これには更に二つある。
①同じ事を何度も繰り返す(作業)
②考えずに「悩んで」いる(作業以前)
どれも結局は「おなじところを何度も何度もウロウロしている」という意味では同じですが、それを「作業」のレベルと、「作業以前」で分けておきます。
①同じ作業を繰り返すムダ
たとえば、特許公報を分析的に読む際に、読むべき場所はほぼ決まっている。請求項、図面、実施例、効果、などである。これらを有機的に結びつけて思想を抽出する作業が、「権利情報を技術情報に変換する(注1)」作業である。
であれば、最初から該当する公報を、ブラウザのタブで複数表示しておき、それぞれ必要な箇所に表示を合わせて、タブで切り替えて見るべきでしょう。
都度「スクロール」して見ていては、時間がいくら有っても足らない。
「作業」をいかに効率化するか、これはなにをするにせよ、最低限必要なことである(受験勉強で、しっかり身に付けるはずですけどね:注2)。
②考えずに「悩んで」いる
詳しくは「イシュー・・」(注3)を読んでいただきたいですが、この手の人は、「その人が与えられた時間で、あきらかにその人には直接答えが出せない質問を自分で立てて、それに答えようとしている」ことになります。
前述の「イシュー・・」では、10分だか15分だか考えて、何の進展もないのであれば、それは「悩んでいる」可能性が高い、と書かれています。
解決策はいくつかありますが、
・「人に教えを請う」
が一番わかり易いでしょう。もう一つは、
・「答えの出ない問題」→「答えの出る問題」に因数分解→「結果の出る作業」に変換
です。逆に、この思考が徹底的できている人は悩まない。例えば発明作業で、
「この発明を因数分解して」
と問いかけて、進む人間(出来るとは言わない)は、
「まず機械的に言葉を抜き出す」→「妥当かどうか、意味を考えて確認」→「おかしい部分をやり直す」
と、「作業(マシーンになる部分)」と「判断(人間的な要素)」を分けている。つまり、
「漠然とした思考(答えが出ない問題)」=「作業(必ず結果が出る)」+「判断(厳密な思考=答えが出る問題)」
という回路である。
「判断しながら」「作業をする」というのは、ワーキングメモリを食いすぎるという意味でも、極めて効率が悪い。
例えば、文章が大量にうまく書ける人は、
「まず書いて(もしくはネタを集めて)から」「後で見直す(妥当性の判断)」
など、作業と判断を分けて、確実に執筆が進むようにしている。「朝早起き(5時おきなんたら、とか色んな仕事術本が出ていますが)」とかは、おそらく一切関係ない。
「考える」から「作業」を分け、また、「できるだけ作業に変換」して、その作業を「できるだけ効率化」することを考える。
「発明が遅い」(仕事が遅い)
といつも言われる人は、身につけてください。この習慣は、一生、役立つでしょう(注4)。
※ 注1)「知的財産戦略」丸島 参照
※ 注2)実は、中学/高校レベルの数学や物理の知識も「使わずに」、発明をしようとする学生も散見される。よほど大学で「スポイル」されているのだろうなと、推測は付くのですが。僕はこの手の学生には、非常に厳しい。知っている知識をフル活用せずに、勝負に挑んで勝てるはずはない。
※ 注3)「イシューからはじめよ」安宅 参照
※ 注4)これができると、「なにが任せられて、何を自分でやらないといけないか」が明確になるので、仕事が効率的になる。部下が付くようになると、ここで差がでます。「仕事を、人(外部も含む)にうまく頼めない(=仕様書・企画書が書けない)」上司にならないように、今のうちに身に着けておきましょう。
発明提案書は企画書であるため、この能力は、発明を効率よく行う上で欠かせないと、僕は考えます。実際、これができていない人は、発明提案書が書けていません。
塾で、「発明が出る」学生と「出ない」学生。何が違うか、なぜ「出ない」か。
一つは、
「よくわからないので、止めます」=ゼロリスク嗜好/思考
のタイプ。いやいやいや、「よくわからないから」(発明を)するのであって、結果がわかっていることを、する必要はない(再発明のムダ)。ダメならダメ、なんでダメなのか、しっかり考える必要があります。同じ過ちを、何度も繰り返すタイプ、と言えます(結局、以下につながる)。
もう一つは、「極めて効率が悪い、タイプ。これには更に二つある。
①同じ事を何度も繰り返す(作業)
②考えずに「悩んで」いる(作業以前)
どれも結局は「おなじところを何度も何度もウロウロしている」という意味では同じですが、それを「作業」のレベルと、「作業以前」で分けておきます。
①同じ作業を繰り返すムダ
たとえば、特許公報を分析的に読む際に、読むべき場所はほぼ決まっている。請求項、図面、実施例、効果、などである。これらを有機的に結びつけて思想を抽出する作業が、「権利情報を技術情報に変換する(注1)」作業である。
であれば、最初から該当する公報を、ブラウザのタブで複数表示しておき、それぞれ必要な箇所に表示を合わせて、タブで切り替えて見るべきでしょう。
都度「スクロール」して見ていては、時間がいくら有っても足らない。
「作業」をいかに効率化するか、これはなにをするにせよ、最低限必要なことである(受験勉強で、しっかり身に付けるはずですけどね:注2)。
②考えずに「悩んで」いる
詳しくは「イシュー・・」(注3)を読んでいただきたいですが、この手の人は、「その人が与えられた時間で、あきらかにその人には直接答えが出せない質問を自分で立てて、それに答えようとしている」ことになります。
前述の「イシュー・・」では、10分だか15分だか考えて、何の進展もないのであれば、それは「悩んでいる」可能性が高い、と書かれています。
解決策はいくつかありますが、
・「人に教えを請う」
が一番わかり易いでしょう。もう一つは、
・「答えの出ない問題」→「答えの出る問題」に因数分解→「結果の出る作業」に変換
です。逆に、この思考が徹底的できている人は悩まない。例えば発明作業で、
「この発明を因数分解して」
と問いかけて、進む人間(出来るとは言わない)は、
「まず機械的に言葉を抜き出す」→「妥当かどうか、意味を考えて確認」→「おかしい部分をやり直す」
と、「作業(マシーンになる部分)」と「判断(人間的な要素)」を分けている。つまり、
「漠然とした思考(答えが出ない問題)」=「作業(必ず結果が出る)」+「判断(厳密な思考=答えが出る問題)」
という回路である。
「判断しながら」「作業をする」というのは、ワーキングメモリを食いすぎるという意味でも、極めて効率が悪い。
例えば、文章が大量にうまく書ける人は、
「まず書いて(もしくはネタを集めて)から」「後で見直す(妥当性の判断)」
など、作業と判断を分けて、確実に執筆が進むようにしている。「朝早起き(5時おきなんたら、とか色んな仕事術本が出ていますが)」とかは、おそらく一切関係ない。
「考える」から「作業」を分け、また、「できるだけ作業に変換」して、その作業を「できるだけ効率化」することを考える。
「発明が遅い」(仕事が遅い)
といつも言われる人は、身につけてください。この習慣は、一生、役立つでしょう(注4)。
※ 注1)「知的財産戦略」丸島 参照
※ 注2)実は、中学/高校レベルの数学や物理の知識も「使わずに」、発明をしようとする学生も散見される。よほど大学で「スポイル」されているのだろうなと、推測は付くのですが。僕はこの手の学生には、非常に厳しい。知っている知識をフル活用せずに、勝負に挑んで勝てるはずはない。
※ 注3)「イシューからはじめよ」安宅 参照
※ 注4)これができると、「なにが任せられて、何を自分でやらないといけないか」が明確になるので、仕事が効率的になる。部下が付くようになると、ここで差がでます。「仕事を、人(外部も含む)にうまく頼めない(=仕様書・企画書が書けない)」上司にならないように、今のうちに身に着けておきましょう。
発明提案書は企画書であるため、この能力は、発明を効率よく行う上で欠かせないと、僕は考えます。実際、これができていない人は、発明提案書が書けていません。
2013年6月13日木曜日
発明塾京都第134回開催報告
第134回も無事終了しました。
今回は、ある塾生発明提案書の論理展開(ロジック)の確認、および、先行技術の分析を行いました。発明提案書は、A4で20枚程度になるわけですから、論理が破綻していては、誰にも読んでもらえません。評価以前の問題です。
日本への特許出願の重要性は益々低下していますから、最初から英語圏への出願を視野に入れて、「英語にしてもおかしくないような、接続詞、因果関係の明示」を、行なっておきましょう。
3時間の討議時間中、集中力を切らすこと無く発明や討議に没頭することも、非常に重要です。体力不足は問題外ですが、他人の発明なのでと、他人事で臨むのは時間の無駄です。
「必ず場に貢献する」
これが、発明塾に参加する人の義務です。それではじめて、学ぶ権利が得られます(注1)。
また、その日のうちに参加した議論を、自分なりに消化し、まとめておくことも重要です。
「寝て起きたら別人」
70%以上忘れます。
今回、ある塾生が「先行技術の分析」の重要性を痛感し、僕が分析してみせたある特許の内容を、余さずメモにしてくれました(注2)。僕がいつも用いる手法を、繰り返し訓練して身につければ、またく初めての分野でも、自由に発明を生み出すことができます(注3)。
メモを見て、彼の意欲と能力がわかりました。
今後の活躍に期待したいと思います。
では。
※ 注1) 「7つの習慣」主体性を発揮する、参照。
※ 注2) 「発明塾式」先行技術分析法、による。
※ 注3) 塾生が証明してくれています。
今回は、ある塾生発明提案書の論理展開(ロジック)の確認、および、先行技術の分析を行いました。発明提案書は、A4で20枚程度になるわけですから、論理が破綻していては、誰にも読んでもらえません。評価以前の問題です。
日本への特許出願の重要性は益々低下していますから、最初から英語圏への出願を視野に入れて、「英語にしてもおかしくないような、接続詞、因果関係の明示」を、行なっておきましょう。
3時間の討議時間中、集中力を切らすこと無く発明や討議に没頭することも、非常に重要です。体力不足は問題外ですが、他人の発明なのでと、他人事で臨むのは時間の無駄です。
「必ず場に貢献する」
これが、発明塾に参加する人の義務です。それではじめて、学ぶ権利が得られます(注1)。
また、その日のうちに参加した議論を、自分なりに消化し、まとめておくことも重要です。
「寝て起きたら別人」
70%以上忘れます。
今回、ある塾生が「先行技術の分析」の重要性を痛感し、僕が分析してみせたある特許の内容を、余さずメモにしてくれました(注2)。僕がいつも用いる手法を、繰り返し訓練して身につければ、またく初めての分野でも、自由に発明を生み出すことができます(注3)。
メモを見て、彼の意欲と能力がわかりました。
今後の活躍に期待したいと思います。
では。
※ 注1) 「7つの習慣」主体性を発揮する、参照。
※ 注2) 「発明塾式」先行技術分析法、による。
※ 注3) 塾生が証明してくれています。
2013年6月11日火曜日
無線通信で世界を変えた「クアルコム」に学ぶ~「特許戦略セミナー」定点観測とその反省
本日、通算で何回目か忘れましたけど、かれこれ3年越しで実施している「特許戦略セミナー」(弊社内通称、クアルコムセミナー*)を実施して来ました。
* クアルコムについては、こちらの記事、および、こちらのページ内の該当箇所を参照
* クアルコムの取り組みに学ぶ「発明研究所のすすめ」も参照
多少のブラッシュアップを経ていますが、コンセプトは基本的に同じであるため、僕にとっては「特許戦略」に関する「定点観測」の場となっています。
クアルコムのビジネスモデルは、知れば知るほど秀逸です。「知財は交渉力」と、ある企業の方がおっしゃっていましたが、それを「地道」かつ「徹底的」に実践している企業、と言えます。
しかし、3年前に私がこのセミナーを始めたときは、
「弊社はモノを作る企業ですので、お話いただいたような戦略は、一切関係ありません」(いや、クアルコムも無線技術と半導体チップを開発してますけど・・・ファブはアウトソースですが:注1)
「弊社は、パテントトロールには、なれません」(クアルコムは、いわるゆるパテントトロール=過激な交渉・訴訟を仕掛けてくるNPE、とは違うと思いますが・・・)
というような反応が大半でした。なんでそうなるの?と思いつつも、まぁ話し方・取り上げ方の問題なのかなと、いくつか事例を追加して、試行錯誤を繰り返していました(注2)。
しかし、3年という月日は随分人を変えるようで、そう言っておられた方々からも、
「ようやく意味が理解できました」
「一つの究極の戦略ですよね」
という意見が返ってくるようになりました。少し安心いたしました(笑。
この「3年」という時間の読みは、実はほぼ予想通りで、これまでの経験上、私が目をつけた分野は3-5年後に、世間的に「受け入れられる」ようになります(理由は、わかりません)。
「特許情報分析を用いた技術マーケティング」の時も、そうでした。今では当たり前のこの考え方ですが、当時は、
「特許情報なんて、嘘ばっかり書いてあるんだから、分析しても何もわからないんじゃないの?」
という意見が、大変多く寄せられ、閉口しました(その企業の方々は、特許に嘘ばっかり書いておられるのでしょうか?笑)。あくまでも「私はその情報を活用して、ヒアリングに行って、裏をとって、新規事業を決断しましたよ/投資をして頂きましたよ」という、事実ベースの話だったんですけどね・・・。
今では、コピー?セミナーを色々な方が実施されるほど、ありきたりな手法/コンセプトになりました。新参者ですので、業界の発展に貢献できましたこと、大変光栄に存じます(笑 (注3)。
脱線失礼。つい熱くなりました。クアルコムの特許戦略の話に戻りましょう。
さて、今後は「ではその戦略を、具体的にどう実行するのか」という話題になれば良いなと、個人的には思っています。これまでに得た「気付き」を糧に、そろそろ次のステップに移りたいところです。
私は、セミナー前に講義ノートを作成(注4)し、セミナー後に反省ノートを付ける(注5)ことにしていますが、今日までの反省や気付きは、すでに作成中の「次のセミナー企画」に盛り込まれる予定です。知財の専門家の方々には、クアルコムの戦略は「いい意味で当たり前」のものになりつつありますので、それを実践する「現場」の人が理解しやすいもの/周囲に説明しやすいものを、作っています。
お披露目は、8月になりますかね。
また会場で皆様にお会いできるのを、大変楽しみにしています。
※ 注1) この時代に、いまから敢えて自社ファブを構える可能性も、示唆されているぐらいです。むしろ、割と真面目なモノづくり企業、といえるのではないでしょうか。
http://eetimes.jp/ee/articles/1207/02/news037.html
※ 注2) そのせいで、本来メインにしていた「発想法」に関する内容を、大幅に削除して現在に至っています。これは、別のセミナーに移植予定です。
※ 注3) 念のため申し添えておくと、この考え方(特許情報分析で、技術の用途が見つかるのではないか)自体は、古くから言われていることだと思います。また、私の事例では、この手法を実施してみようと具体的なサジェスチョンをくれたのは、当時一緒に事業を行なっていた、非常に優秀な後輩です。私一人では、到底たどり着かなかったでしょう。
※ 注4) さすがに今回のような、ほぼ同じ内容で20回もやっているようなセミナーは、もうノートは作らないのですが。
※ 注5) 大学時代(塾講師)から、教材を全て自作していたことも有って、講義ノートと反省ノート(もしくはメモ)は習慣になっています。偶然見つけた、田坂広志氏の「反省」に関する記事を以下に引用します。反省ノートや講義ノートの意味については、また場を改めて。
・「反省」を通じて、「経験」を「体験」にまで高める
http://www.nikkeibp.co.jp/article/column/20130509/350049/?ST=career&P=6&rt=nocnt
『夜、独りで大学ノートを広げ、その日一日の仕事を振り返りながら、「なぜ、こうしたトラブルが起こったのか?」「自分の仕事のスタイルのどこに問題があったのか?」「自分の心の姿勢の何が問題だったのか?」「今後の成長のために、仕事のスタイルの何を改善し、心の姿勢のどこを改めなければならないのか?」といったことを書き連ねていきました。』
私は、仕事については、以前も取り上げた通り「5年日記」で同様のことをしています。
* クアルコムについては、こちらの記事、および、こちらのページ内の該当箇所を参照
* クアルコムの取り組みに学ぶ「発明研究所のすすめ」も参照
多少のブラッシュアップを経ていますが、コンセプトは基本的に同じであるため、僕にとっては「特許戦略」に関する「定点観測」の場となっています。
クアルコムのビジネスモデルは、知れば知るほど秀逸です。「知財は交渉力」と、ある企業の方がおっしゃっていましたが、それを「地道」かつ「徹底的」に実践している企業、と言えます。
しかし、3年前に私がこのセミナーを始めたときは、
「弊社はモノを作る企業ですので、お話いただいたような戦略は、一切関係ありません」(いや、クアルコムも無線技術と半導体チップを開発してますけど・・・ファブはアウトソースですが:注1)
「弊社は、パテントトロールには、なれません」(クアルコムは、いわるゆるパテントトロール=過激な交渉・訴訟を仕掛けてくるNPE、とは違うと思いますが・・・)
というような反応が大半でした。なんでそうなるの?と思いつつも、まぁ話し方・取り上げ方の問題なのかなと、いくつか事例を追加して、試行錯誤を繰り返していました(注2)。
しかし、3年という月日は随分人を変えるようで、そう言っておられた方々からも、
「ようやく意味が理解できました」
「一つの究極の戦略ですよね」
という意見が返ってくるようになりました。少し安心いたしました(笑。
この「3年」という時間の読みは、実はほぼ予想通りで、これまでの経験上、私が目をつけた分野は3-5年後に、世間的に「受け入れられる」ようになります(理由は、わかりません)。
「特許情報分析を用いた技術マーケティング」の時も、そうでした。今では当たり前のこの考え方ですが、当時は、
「特許情報なんて、嘘ばっかり書いてあるんだから、分析しても何もわからないんじゃないの?」
という意見が、大変多く寄せられ、閉口しました(その企業の方々は、特許に嘘ばっかり書いておられるのでしょうか?笑)。あくまでも「私はその情報を活用して、ヒアリングに行って、裏をとって、新規事業を決断しましたよ/投資をして頂きましたよ」という、事実ベースの話だったんですけどね・・・。
今では、コピー?セミナーを色々な方が実施されるほど、ありきたりな手法/コンセプトになりました。新参者ですので、業界の発展に貢献できましたこと、大変光栄に存じます(笑 (注3)。
脱線失礼。つい熱くなりました。クアルコムの特許戦略の話に戻りましょう。
さて、今後は「ではその戦略を、具体的にどう実行するのか」という話題になれば良いなと、個人的には思っています。これまでに得た「気付き」を糧に、そろそろ次のステップに移りたいところです。
私は、セミナー前に講義ノートを作成(注4)し、セミナー後に反省ノートを付ける(注5)ことにしていますが、今日までの反省や気付きは、すでに作成中の「次のセミナー企画」に盛り込まれる予定です。知財の専門家の方々には、クアルコムの戦略は「いい意味で当たり前」のものになりつつありますので、それを実践する「現場」の人が理解しやすいもの/周囲に説明しやすいものを、作っています。
お披露目は、8月になりますかね。
また会場で皆様にお会いできるのを、大変楽しみにしています。
※ 注1) この時代に、いまから敢えて自社ファブを構える可能性も、示唆されているぐらいです。むしろ、割と真面目なモノづくり企業、といえるのではないでしょうか。
http://eetimes.jp/ee/articles/1207/02/news037.html
※ 注2) そのせいで、本来メインにしていた「発想法」に関する内容を、大幅に削除して現在に至っています。これは、別のセミナーに移植予定です。
※ 注3) 念のため申し添えておくと、この考え方(特許情報分析で、技術の用途が見つかるのではないか)自体は、古くから言われていることだと思います。また、私の事例では、この手法を実施してみようと具体的なサジェスチョンをくれたのは、当時一緒に事業を行なっていた、非常に優秀な後輩です。私一人では、到底たどり着かなかったでしょう。
※ 注4) さすがに今回のような、ほぼ同じ内容で20回もやっているようなセミナーは、もうノートは作らないのですが。
※ 注5) 大学時代(塾講師)から、教材を全て自作していたことも有って、講義ノートと反省ノート(もしくはメモ)は習慣になっています。偶然見つけた、田坂広志氏の「反省」に関する記事を以下に引用します。反省ノートや講義ノートの意味については、また場を改めて。
・「反省」を通じて、「経験」を「体験」にまで高める
http://www.nikkeibp.co.jp/article/column/20130509/350049/?ST=career&P=6&rt=nocnt
『夜、独りで大学ノートを広げ、その日一日の仕事を振り返りながら、「なぜ、こうしたトラブルが起こったのか?」「自分の仕事のスタイルのどこに問題があったのか?」「自分の心の姿勢の何が問題だったのか?」「今後の成長のために、仕事のスタイルの何を改善し、心の姿勢のどこを改めなければならないのか?」といったことを書き連ねていきました。』
私は、仕事については、以前も取り上げた通り「5年日記」で同様のことをしています。
2013年6月9日日曜日
立命館大学MOT大学院 第一回講義を終えて~「教室」の可能性
今月から、MOT大学院での講義が始まりましたので、所感を。
実は、始まる前から今年は一つ変化がありました。いわゆるLMS(学習マネジメントシステム)の変更です。
・Manaba
http://manaba.jp/ja/
ハーバードビジネススクールでも利用しているそうです。
http://manaba.jp/91
昨年までは、おそらく自主開発と思われる教材の共有システムを利用していましたが、よくも悪くも、「伝言板」と「電子資料配布」の仕組みを抜けていませんでした。
2013年度の準備を始めるにあたり、LMSが変更になるということで、利用法を色々考えていました。注目している機能はいくつかありますが(注1)、いずれも、SNS的な部分が利用価値が高いと考えています。
講義でも少し利用してみましたが、学生間、学生・講師間の情報の流れをうまく(速く)制御することが出来るツールだなと、実感しました。
以前から発明塾では、この「情報の流れをいかに早くするか」に挑戦し、それにより、各自の能力を限られた時間内で最大限引き出し、成果に繋げられることを、度々実証しています(注2)。
立命館大学でも、同様のことをやりたいなと思っていましたが、インフラが整わず(セキュリティの関係もあり、学内のPCに各種ソフトをインストールすることが出来なかったので)断念しておりましたが、意外と速く、整備されました(注3)。
今年は、昨年以上に「教室の可能性」を追求していきます。
なんで、こんなことを言うか、と申しますと。。。
ちょうど都合のいい(笑)記事がありましたので、引用させて頂きます。
・「単位はネットで買えるか」
http://ameblo.jp/asayoji-zeirishi/entry-11546560488.html
ここに引用されている内田樹氏(注4)の意見は、MOOCsやeラーニングを考える上で、無視できないものでしょう。限定された空間が、質の高い活動に必要、という点は、以前私も書いています。
・「イノベーションの正体見たり・・・」
http://edison-univ.blogspot.jp/2012/02/blog-post_19.html
「膝付きあわせ、口角泡飛ばして」の「知識の応酬」が、学びの中心であるのは、私もその通りだと考えます。
ペンシルバニア大学/エイミー・ガットマン学長は「当然その程度のことは」、踏まえた上で、同大学のMOOCsプロジェクトを推進していると考えるのが、妥当でしょう。
MOOCsやeラーニング/「教室」講義それぞれの可能性について、ここで書けるレベルにとどめた場合、僕は以下を想定し、立命館大学での講義にも、その要素を取り入れたいと思っています。
・MOOCsやeラーニング
「思考実験」により、批判的に自習ができる学習者への、より多くの機会の提供
すでに各方面で実行されている、SNSとの接続
反転学習のツール(教科書は家で読んでおく)
補習(むしろ、こちらが「教室」講義になる可能性も高いですが)
・「教室」
学習者間/学習者・講師間のリアルタイム、制限時間付き「知の応酬」による、より多面的で緻密な学習
協調性を求められる、実験・試行錯誤的なコンテンツの提供(いわゆる、実験や演習)
身体知の伝授
ところで、「教室」とは、物理的な場所を必要とするのでしょうか?
ペン大が、様々なツールを駆使して、より裾野を拡大しながら、高みを目指していると考え、今後の取組に注目したいと思います。
立命館大学も、負けてられないと思いますよ(笑。ペン大も「私学」ですからね。
そのうち僕の講義も、
「テキストは読んできてね。読んで理解している前提で、演習から始めます。理解できないポイントは、予めSNSで仲間と共有して、教えてもらっておいてね。どうしても残っている質問のみ、冒頭で簡潔に僕が答えてから、演習を開始します。」
みたいな状態になるのでしょう。実際、一部の(私の提供する)企業内セミナーは、この手法に切り替えています。
だって「講師が前でテキストを読む」みたいな講義って、退屈極まりないですよね(笑。
僕はそれが原因で、大学時代ほとんど授業に出なかったわけなので(その先生の著書読めば、だいたいわかることを、わざわざ言って聞く気がしなかった)。
今年は、ますます「教育を科学」できる年に、なりそうです。ユニークな学習環境を整備していただいた、立命館大学のスタッフに、感謝!(注5)
※ 注1) 立命オリジナル機能の可能性もあるので、念のため、詳細は割愛します。
※ 注2) 彼らの発明数とその採択率が、物語っています。
※ 注3) 立命館大学は、現場から見ていて、常に改善がなされていることを実感します。柔軟性とスピード、という意味では、日本の大学の中でも有数ではないでしょうか?「株式会社」と揶揄される理由がわかります(笑
※ 注4) いつもその発言に注目している方の、一人です。
※ 注5) 僕の講義は、全8回、遠隔配信もされているのですが、遠隔で受講している学生(主に社会人)とも、SNSや会話をやり取りしながら進める授業は、なかなかおもしろいです。これが出来るのも、専門スタッフが、常についているからです。いくら大学院とはいえ、出席者10名ぐらいの講義に、講師とスタッフ2名って、コスト的には全く合わないと思いますが。。。立命館大学の「徹底」ぶりが伺えます。
実は、始まる前から今年は一つ変化がありました。いわゆるLMS(学習マネジメントシステム)の変更です。
・Manaba
http://manaba.jp/ja/
ハーバードビジネススクールでも利用しているそうです。
http://manaba.jp/91
昨年までは、おそらく自主開発と思われる教材の共有システムを利用していましたが、よくも悪くも、「伝言板」と「電子資料配布」の仕組みを抜けていませんでした。
2013年度の準備を始めるにあたり、LMSが変更になるということで、利用法を色々考えていました。注目している機能はいくつかありますが(注1)、いずれも、SNS的な部分が利用価値が高いと考えています。
講義でも少し利用してみましたが、学生間、学生・講師間の情報の流れをうまく(速く)制御することが出来るツールだなと、実感しました。
以前から発明塾では、この「情報の流れをいかに早くするか」に挑戦し、それにより、各自の能力を限られた時間内で最大限引き出し、成果に繋げられることを、度々実証しています(注2)。
立命館大学でも、同様のことをやりたいなと思っていましたが、インフラが整わず(セキュリティの関係もあり、学内のPCに各種ソフトをインストールすることが出来なかったので)断念しておりましたが、意外と速く、整備されました(注3)。
今年は、昨年以上に「教室の可能性」を追求していきます。
なんで、こんなことを言うか、と申しますと。。。
ちょうど都合のいい(笑)記事がありましたので、引用させて頂きます。
・「単位はネットで買えるか」
http://ameblo.jp/asayoji-zeirishi/entry-11546560488.html
ここに引用されている内田樹氏(注4)の意見は、MOOCsやeラーニングを考える上で、無視できないものでしょう。限定された空間が、質の高い活動に必要、という点は、以前私も書いています。
・「イノベーションの正体見たり・・・」
http://edison-univ.blogspot.jp/2012/02/blog-post_19.html
「膝付きあわせ、口角泡飛ばして」の「知識の応酬」が、学びの中心であるのは、私もその通りだと考えます。
ペンシルバニア大学/エイミー・ガットマン学長は「当然その程度のことは」、踏まえた上で、同大学のMOOCsプロジェクトを推進していると考えるのが、妥当でしょう。
MOOCsやeラーニング/「教室」講義それぞれの可能性について、ここで書けるレベルにとどめた場合、僕は以下を想定し、立命館大学での講義にも、その要素を取り入れたいと思っています。
・MOOCsやeラーニング
「思考実験」により、批判的に自習ができる学習者への、より多くの機会の提供
すでに各方面で実行されている、SNSとの接続
反転学習のツール(教科書は家で読んでおく)
補習(むしろ、こちらが「教室」講義になる可能性も高いですが)
・「教室」
学習者間/学習者・講師間のリアルタイム、制限時間付き「知の応酬」による、より多面的で緻密な学習
協調性を求められる、実験・試行錯誤的なコンテンツの提供(いわゆる、実験や演習)
身体知の伝授
ところで、「教室」とは、物理的な場所を必要とするのでしょうか?
ペン大が、様々なツールを駆使して、より裾野を拡大しながら、高みを目指していると考え、今後の取組に注目したいと思います。
立命館大学も、負けてられないと思いますよ(笑。ペン大も「私学」ですからね。
そのうち僕の講義も、
「テキストは読んできてね。読んで理解している前提で、演習から始めます。理解できないポイントは、予めSNSで仲間と共有して、教えてもらっておいてね。どうしても残っている質問のみ、冒頭で簡潔に僕が答えてから、演習を開始します。」
みたいな状態になるのでしょう。実際、一部の(私の提供する)企業内セミナーは、この手法に切り替えています。
だって「講師が前でテキストを読む」みたいな講義って、退屈極まりないですよね(笑。
僕はそれが原因で、大学時代ほとんど授業に出なかったわけなので(その先生の著書読めば、だいたいわかることを、わざわざ言って聞く気がしなかった)。
今年は、ますます「教育を科学」できる年に、なりそうです。ユニークな学習環境を整備していただいた、立命館大学のスタッフに、感謝!(注5)
※ 注1) 立命オリジナル機能の可能性もあるので、念のため、詳細は割愛します。
※ 注2) 彼らの発明数とその採択率が、物語っています。
※ 注3) 立命館大学は、現場から見ていて、常に改善がなされていることを実感します。柔軟性とスピード、という意味では、日本の大学の中でも有数ではないでしょうか?「株式会社」と揶揄される理由がわかります(笑
※ 注4) いつもその発言に注目している方の、一人です。
※ 注5) 僕の講義は、全8回、遠隔配信もされているのですが、遠隔で受講している学生(主に社会人)とも、SNSや会話をやり取りしながら進める授業は、なかなかおもしろいです。これが出来るのも、専門スタッフが、常についているからです。いくら大学院とはいえ、出席者10名ぐらいの講義に、講師とスタッフ2名って、コスト的には全く合わないと思いますが。。。立命館大学の「徹底」ぶりが伺えます。
2013年6月6日木曜日
発明塾京都第133回開催報告
第133回も無事終了しました。
今回は、何故か人数が少なかったですが、例に漏れず、非常に重要な気付きが有った回となりました。
繰り返しですが、発明において、
「どんな発明が必要とされるのか」
を、自分で考えることが重要です(注)。
ヒントは、常に、先行技術にある。
「先行技術を超えろ」
これが、発明の本質である。
「どの先行技術を」「どの方向から」「どう超えるのか」
を考える。そのために、先行技術の分析の方法論を、基礎から毎回指導している。
前回の講義でも話したように「日本語としてちゃんと読めていない」は、問題外であるが、「技術思想として読む」ことができているか。その先は「意図」が読めるか。
つまり先行技術の分析にも、いろいろある。未だ有望な発明の着想に至っていない人は、
「書いてある事」
「書いてある事から、合理的に推定できること」
を明確にして、先行技術を今一度しっかりと選定し、分析してきてください。学びたければ、自分なりにしっかり分析した上で、誰かと討議するしか無い。
では、次回も宜しく。
※ 注) 「どんな発明をすればいいですか」と質問する人は、「どんな株に投資すれば儲かりますか」という質問をする人と、とても似ている。
今回は、何故か人数が少なかったですが、例に漏れず、非常に重要な気付きが有った回となりました。
繰り返しですが、発明において、
「どんな発明が必要とされるのか」
を、自分で考えることが重要です(注)。
ヒントは、常に、先行技術にある。
「先行技術を超えろ」
これが、発明の本質である。
「どの先行技術を」「どの方向から」「どう超えるのか」
を考える。そのために、先行技術の分析の方法論を、基礎から毎回指導している。
前回の講義でも話したように「日本語としてちゃんと読めていない」は、問題外であるが、「技術思想として読む」ことができているか。その先は「意図」が読めるか。
つまり先行技術の分析にも、いろいろある。未だ有望な発明の着想に至っていない人は、
「書いてある事」
「書いてある事から、合理的に推定できること」
を明確にして、先行技術を今一度しっかりと選定し、分析してきてください。学びたければ、自分なりにしっかり分析した上で、誰かと討議するしか無い。
では、次回も宜しく。
※ 注) 「どんな発明をすればいいですか」と質問する人は、「どんな株に投資すれば儲かりますか」という質問をする人と、とても似ている。
2013年6月4日火曜日
2013年6月1日土曜日
塾長の部屋(43)~もっと「攻め」よ
今回の発明塾でのコメントと関連することで、いい発明を出すために必要なことについて、書きたいと思う。
それは「攻める」ことである。
時間節約のため、塾生に送ったメールを引用しながら進めます。
>>>以下引用
それは「攻める」ことである。
時間節約のため、塾生に送ったメールを引用しながら進めます。
>>>以下引用
・僕が持っている、発明の規準
を共有できていない気がします。
どんない正しい方法で取り組んだとしても、自分の中の規準が間違っていると(甘いと)、世間の規準に到達できないので、「規準を盗む」 ことに注力したほうがいいでしょう。
世間の規準に到達できるかどうかは、
・「世間の規準」を、明確に理解していること
・そこに達するまで、諦めず(正しい方向の)努力ができること
この2つだけです。前者を満たしていないと、自分では満足しても他人が満足できないものが、出来上がってしまう。
自分の規準を上げること。自分の中の規準が甘いと、結局、周りから見て「グダグダ」なものが出来てしまう。
>>>引用終わり
社会人的には、プロ意識、と呼ぶべきものだと思います。ちなみに、トクヴィルは、同様のことを
「自分の考えを、そのあらゆる論理的帰結にまで突き詰め、しばしば、虚偽や非現実と紙一重のところまで近づかざるを得ない」
と、述べています(「アメリカのデモクラシー」)。発明においても、「自分の思想を突き詰め」てください。発明とは「新たな技術思想の創出」なので。
ちなみに僕は、仕事のことを考え過ぎたり、発明をし過ぎたりするとたまに、「あー何となく狂いそうだな」ということを感じる。将棋の羽生氏も「狂気の手前」などと、著書に書いていましたが、レベルは違うでしょうが、同様の感覚ではないかと思います。
そこには、古今東西の人が指摘している、共通の何かが在るのでしょう。
>>>以下引用
焦る必要はない。先行技術を技術文献としてしっかり読み、それを分析、思想化する。
焦る必要はない。先行技術を技術文献としてしっかり読み、それを分析、思想化する。
その繰り返しにより、突破すべき技術的な壁が見えてくる。それを「課題」という。
丸島先生の本に、ゼロックスの特許網を突破した時のことが書いてある(「知的財産戦略」のコラム参照)。
・メルマガ120号
先行技術を分析し、思想化し、突破すべき壁を設定する。それは、特許だけではなく研究(論文)、事業( 先行している企業の事業分析)も同じ。すべての基礎になる。
ちょっと面白いからといってやっていては、人生が終わってしまう(利根川進 ノーベル医学・生理学賞)から。
>>>引用終わり
発明塾生に限らず、僕が誰かと何かを一緒にするとして、その人達に求めるものの一つ「素直さ」。それは「素直に諦める」ことを意味しない。「成果を出そうとする意思」が前提にある。
「意思のない素直さは、害悪でしか無い」
と思っている。
「課題が見つからないので発明ができません、また来週までに探してきます」
素直だけど、それは意味が無い(言い訳ではない、という仮定で)。たぶん永久に発明は出せない。むしろ、
「なんでもいいからとにかく発明してみました。先行技術はありません。これが解決している(出来る)課題について、考えたいと思います」
の方が、だいぶマシである。
結果に向けて、とにかく攻めよ、ということである。自分の規準を高く持ち、結果のために手段を選ばない。その上で、粘り強く、じっくりと取り組む。ウロウロ、キョロキョロしない。
実はそれが、発明の最大のコツである。
そしてその能力は、むしろ発明ではなく、人生の様々な場面でこそ、武器になる。
2013年5月30日木曜日
発明塾京都第132回開催報告
第132回も無事終了しました。
今回、「事実か意見か」を突っ込まれたメンバーは、再度「事実は何か」(本多勝一)をよく読んでおくこと。
・事実+判断規準/理論=意見
の場合、事実であるなら「どこに示されているのか」、意見であるなら「その根拠となる事実と、そこから意見を導き出すために用いた理論」を示す必要がある。何が本当かわからないと、議論のしようがない。
全て確認していては、時間がいくらあっても足らない。
発明云々ではなく、「議論の基礎」なので、しっかり守ってください。新規メンバーが多いとはいえ、日本語会話の基礎、のような低レベルの話をする時間は、出来るだけ省きたい(古株のメンバーは、耳タコでしょうし)。
さて、今回の講義では塾生の一人が出てくれたセミナーの内容紹介と、GoogleのAPMプログラムとメリッサ・メイヤーの話をしました。
メリッサ・メイヤーのAPMプログラム, 出身者との繋がりについての日本語記事
僕がメリッサ・メイヤーに注目する理由は、「Googleが、コア人材の育成プログラムを持っていた」ことと「10年間、その中心人物であった」ことにあります。
企業で人材育成を担当しておられる方なら、実感されていると思いますが、ある程度の密度のプログラムを、10年間継続するというのは、それなりにハードな作業です。おそらく彼女は、このプログラムに余程の個人的な思い入れがあったに、違いありません(APMの生みの親でもある:注)。
APMプログラムについて、卒業生が語る
http://www.youtube.com/watch?v=or_dtJmgP-0
いかにも”アメリカのスマートな若者”という感じの卒業生の姿が、とても眩しい(笑
メリッサの後を継いでAPMを運営するラコウスキー(もちろん卒業生)のコメント
http://ilab.harvard.edu/2012/11/19/conversation-brian-rakowski-google%E2%80%99s-first-associate-product-manager
「最初、”検索エンジン”の何かをやれって言われるんじゃないかと思ってたんだけど、メリッサが話し始めたのは”Email”の事だった。・・・まさかGoogleがEmailを開発してて、学校を出たての若造に担当させるなんて思いもよらなかったから、びっくりして言葉も出なかったよ。」
みたいな感じでしょうか(笑
優秀な人材を惹きつけ、育て、ネットワーク化し、会社の財産にする。抜かりなくそれを実行出来る企業であるGoogleと、その生みの親であるメリッサの今後に、引き続き注目して行きたいと思います。
※ 注) 機会があれば、「なんでAPMを始めたのか」ということを、直接インタビューしてみたい。
今回、「事実か意見か」を突っ込まれたメンバーは、再度「事実は何か」(本多勝一)をよく読んでおくこと。
・事実+判断規準/理論=意見
の場合、事実であるなら「どこに示されているのか」、意見であるなら「その根拠となる事実と、そこから意見を導き出すために用いた理論」を示す必要がある。何が本当かわからないと、議論のしようがない。
全て確認していては、時間がいくらあっても足らない。
発明云々ではなく、「議論の基礎」なので、しっかり守ってください。新規メンバーが多いとはいえ、日本語会話の基礎、のような低レベルの話をする時間は、出来るだけ省きたい(古株のメンバーは、耳タコでしょうし)。
さて、今回の講義では塾生の一人が出てくれたセミナーの内容紹介と、GoogleのAPMプログラムとメリッサ・メイヤーの話をしました。
メリッサ・メイヤーのAPMプログラム,
僕がメリッサ・メイヤーに注目する理由は、「Googleが、コア人材の育成プログラムを持っていた」ことと「10年間、その中心人物であった」ことにあります。
企業で人材育成を担当しておられる方なら、実感されていると思いますが、ある程度の密度のプログラムを、10年間継続するというのは、それなりにハードな作業です。おそらく彼女は、このプログラムに余程の個人的な思い入れがあったに、違いありません(APMの生みの親でもある:注)。
APMプログラムについて、卒業生が語る
http://www.youtube.com/watch?v=or_dtJmgP-0
いかにも”アメリカのスマートな若者”という感じの卒業生の姿が、とても眩しい(笑
メリッサの後を継いでAPMを運営するラコウスキー(もちろん卒業生)のコメント
http://ilab.harvard.edu/2012/11/19/conversation-brian-rakowski-google%E2%80%99s-first-associate-product-manager
「最初、”検索エンジン”の何かをやれって言われるんじゃないかと思ってたんだけど、メリッサが話し始めたのは”Email”の事だった。・・・まさかGoogleがEmailを開発してて、学校を出たての若造に担当させるなんて思いもよらなかったから、びっくりして言葉も出なかったよ。」
みたいな感じでしょうか(笑
優秀な人材を惹きつけ、育て、ネットワーク化し、会社の財産にする。抜かりなくそれを実行出来る企業であるGoogleと、その生みの親であるメリッサの今後に、引き続き注目して行きたいと思います。
※ 注) 機会があれば、「なんでAPMを始めたのか」ということを、直接インタビューしてみたい。
2013年5月26日日曜日
塾長の部屋(42)~「ものづくり」を学びたい人に
なかなか時間が取れず、延期続きになっていましたが、久しぶりに書きたいと思います。今回のテーマは「ものづくり」です。もちろん、発明という文脈になりますが。
今、大学でどういう「ものづくり」教育が「実際に」なされているか(シラバスに並ぶ美辞麗句ではなく)、僕自身把握しきれていませんが、仮に「ものづくり」、もしくは「発明」に興味があるのであれば、以下2つの視点で、しっかりと勉強しておくことをおすすめします。
①材料
②製造技術(生産技術)
どっちも「地味」な学問ですね。つまり、普遍的、ということになるでしょう。仮に「モノ」ベースで学ぶのであれば、以下2つの「製品」について、徹底的に勉強することをおすすめします。
A)自動車
B)携帯電話
いまさら?という気もしますね。つまり、こなれた技術なので資料がたくさんあって、勉強しやすい、ということになります(注)。実際、発明塾では、僕の開発したエンジンを京大機械系で、一度見てもらいましたし、定期的に携帯電話を分解して、技術の説明をしています。
さて、なぜ「材料」「製造技術」なのか?
・世の中の新しい?技術は、実は全て既存の技術の組み合わせである。本当に新しいのは、材料(生化学的なものも含め)だけ。エジソンが「材料」の知識をベースに、次々と発明を生み出したのには、ちゃんとした理由があるのです(そして僕の下敷きは、今でも「周期律表」です)。
・何かを考えだした時に「それをどうやって作るか」がイメージできることは、発明のハードルを下げるために、非常に有益である。「これぐらいのものは作れるはず」という「相場観」。同時に「作ることが出来ない」という課題を持つ先行発明も多く、「課題発掘」にも役立つ。
では、なぜ「自動車」「携帯電話」なのか?
・機械工学の「粋」が自動車産業であることは、議論の余地がない。機械工学科=自動車工学科、と呼んでも良いぐらいである。
・携帯電話は、エレクトロニクスの最先端。小型化、軽量化を追求し、これもまた技術の粋である。無線通信、電池、ディスプレー、UI、AR、音声工学、各種センサーなど、最先端技術がぎっしり詰まっている。
この2つの切り口から、以下2冊の参考書を挙げておきます。
・「クルマはかくして作られる」シリーズ(別冊CG)
自動車☓製造技術。詳細は「参考図書(2)」を。
http://edison-univ.blogspot.jp/p/blog-page_6.html
・「これで使える機能性材料パーフェクトガイド」
材料、という観点で比較的新しいものを挙げておきます。特にこれに限らず、材料に注目した本を、いくつか手元においておくと良いでしょう。
携帯電話についても、是非自分なりに参考図書を探してみてください。また機会があれば、古い携帯電話を分解したいと思います。
他、技術分野という意味では「ナノテク」「バイオ」「半導体」「ICT(通信含む)」については、ひと通り勉強しておきましょう、というのは、以前からの繰り返しですので、委細は割愛。
※ 注) ちなみにこの「こなれた」教材で学ぶ、ということは非常に重要です。僕がここ数ヶ月「尋常じゃなく」時間を割いている勉強会「国際標準化と事業戦略」勉強会で、ある方のオススメで「IBMのPC事業における失敗をリバ」っているのですが、資料が結構あるので、「仮説→検証」が可能で、非常に勉強になっています。近い将来、論文とケーススタディにする予定ですので、お楽しみに。
今、大学でどういう「ものづくり」教育が「実際に」なされているか(シラバスに並ぶ美辞麗句ではなく)、僕自身把握しきれていませんが、仮に「ものづくり」、もしくは「発明」に興味があるのであれば、以下2つの視点で、しっかりと勉強しておくことをおすすめします。
①材料
②製造技術(生産技術)
どっちも「地味」な学問ですね。つまり、普遍的、ということになるでしょう。仮に「モノ」ベースで学ぶのであれば、以下2つの「製品」について、徹底的に勉強することをおすすめします。
A)自動車
B)携帯電話
いまさら?という気もしますね。つまり、こなれた技術なので資料がたくさんあって、勉強しやすい、ということになります(注)。実際、発明塾では、僕の開発したエンジンを京大機械系で、一度見てもらいましたし、定期的に携帯電話を分解して、技術の説明をしています。
さて、なぜ「材料」「製造技術」なのか?
・世の中の新しい?技術は、実は全て既存の技術の組み合わせである。本当に新しいのは、材料(生化学的なものも含め)だけ。エジソンが「材料」の知識をベースに、次々と発明を生み出したのには、ちゃんとした理由があるのです(そして僕の下敷きは、今でも「周期律表」です)。
・何かを考えだした時に「それをどうやって作るか」がイメージできることは、発明のハードルを下げるために、非常に有益である。「これぐらいのものは作れるはず」という「相場観」。同時に「作ることが出来ない」という課題を持つ先行発明も多く、「課題発掘」にも役立つ。
では、なぜ「自動車」「携帯電話」なのか?
・機械工学の「粋」が自動車産業であることは、議論の余地がない。機械工学科=自動車工学科、と呼んでも良いぐらいである。
・携帯電話は、エレクトロニクスの最先端。小型化、軽量化を追求し、これもまた技術の粋である。無線通信、電池、ディスプレー、UI、AR、音声工学、各種センサーなど、最先端技術がぎっしり詰まっている。
この2つの切り口から、以下2冊の参考書を挙げておきます。
・「クルマはかくして作られる」シリーズ(別冊CG)
自動車☓製造技術。詳細は「参考図書(2)」を。
http://edison-univ.blogspot.jp/p/blog-page_6.html
・「これで使える機能性材料パーフェクトガイド」
材料、という観点で比較的新しいものを挙げておきます。特にこれに限らず、材料に注目した本を、いくつか手元においておくと良いでしょう。
携帯電話についても、是非自分なりに参考図書を探してみてください。また機会があれば、古い携帯電話を分解したいと思います。
他、技術分野という意味では「ナノテク」「バイオ」「半導体」「ICT(通信含む)」については、ひと通り勉強しておきましょう、というのは、以前からの繰り返しですので、委細は割愛。
※ 注) ちなみにこの「こなれた」教材で学ぶ、ということは非常に重要です。僕がここ数ヶ月「尋常じゃなく」時間を割いている勉強会「国際標準化と事業戦略」勉強会で、ある方のオススメで「IBMのPC事業における失敗をリバ」っているのですが、資料が結構あるので、「仮説→検証」が可能で、非常に勉強になっています。近い将来、論文とケーススタディにする予定ですので、お楽しみに。
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