2013年5月26日日曜日

塾長の部屋(42)~「ものづくり」を学びたい人に

 なかなか時間が取れず、延期続きになっていましたが、久しぶりに書きたいと思います。今回のテーマは「ものづくり」です。もちろん、発明という文脈になりますが。

 今、大学でどういう「ものづくり」教育が「実際に」なされているか(シラバスに並ぶ美辞麗句ではなく)、僕自身把握しきれていませんが、仮に「ものづくり」、もしくは「発明」に興味があるのであれば、以下2つの視点で、しっかりと勉強しておくことをおすすめします。

①材料
②製造技術(生産技術)

どっちも「地味」な学問ですね。つまり、普遍的、ということになるでしょう。仮に「モノ」ベースで学ぶのであれば、以下2つの「製品」について、徹底的に勉強することをおすすめします。

A)自動車
B)携帯電話

いまさら?という気もしますね。つまり、こなれた技術なので資料がたくさんあって、勉強しやすい、ということになります(注)。実際、発明塾では、僕の開発したエンジンを京大機械系で、一度見てもらいましたし、定期的に携帯電話を分解して、技術の説明をしています。


 さて、なぜ「材料」「製造技術」なのか?

・世の中の新しい?技術は、実は全て既存の技術の組み合わせである。本当に新しいのは、材料(生化学的なものも含め)だけ。エジソンが「材料」の知識をベースに、次々と発明を生み出したのには、ちゃんとした理由があるのです(そして僕の下敷きは、今でも「周期律表」です)。

・何かを考えだした時に「それをどうやって作るか」がイメージできることは、発明のハードルを下げるために、非常に有益である。「これぐらいのものは作れるはず」という「相場観」。同時に「作ることが出来ない」という課題を持つ先行発明も多く、「課題発掘」にも役立つ。


 では、なぜ「自動車」「携帯電話」なのか?

・機械工学の「粋」が自動車産業であることは、議論の余地がない。機械工学科=自動車工学科、と呼んでも良いぐらいである。

・携帯電話は、エレクトロニクスの最先端。小型化、軽量化を追求し、これもまた技術の粋である。無線通信、電池、ディスプレー、UI、AR、音声工学、各種センサーなど、最先端技術がぎっしり詰まっている。


この2つの切り口から、以下2冊の参考書を挙げておきます。

「クルマはかくして作られる」シリーズ(別冊CG)
自動車☓製造技術。詳細は「参考図書(2)」を。
http://edison-univ.blogspot.jp/p/blog-page_6.html

・「これで使える機能性材料パーフェクトガイド」
材料、という観点で比較的新しいものを挙げておきます。特にこれに限らず、材料に注目した本を、いくつか手元においておくと良いでしょう。

 携帯電話についても、是非自分なりに参考図書を探してみてください。また機会があれば、古い携帯電話を分解したいと思います。


 他、技術分野という意味では「ナノテク」「バイオ」「半導体」「ICT(通信含む)」については、ひと通り勉強しておきましょう、というのは、以前からの繰り返しですので、委細は割愛。


※ 注) ちなみにこの「こなれた」教材で学ぶ、ということは非常に重要です。僕がここ数ヶ月「尋常じゃなく」時間を割いている勉強会「国際標準化と事業戦略」勉強会で、ある方のオススメで「IBMのPC事業における失敗をリバ」っているのですが、資料が結構あるので、「仮説→検証」が可能で、非常に勉強になっています。近い将来、論文とケーススタディにする予定ですので、お楽しみに。