今回は、ノーベル賞候補の「遺伝子改変技術」です。
この分野に詳しい塾生さんの、推薦です。
よく「味わって」くださいね。
では。
なお、メール講義「e発明塾通信」は毎週発行で、そこで取り上げたエッジ特許をすべて掲載すると膨大な数になりますので、「バックナンバー」では、そのごく一部の紹介にとどめさせて頂きます。
(過去配信分についてのお問い合わせは、ご容赦ください。定期的に「振り返り」にて、過去分も掲載します。)
「エッジ特許」について、もっと知りたい、という方は メール講義「e発明塾通信」(毎週発行、無料)にお申し込みください。
=以下、メール講義より抜粋
■■■ iPS並みの新技術~遺伝子編集技術「CRISPR-Cas9」のエッジ特許 ■■■
今回は、従来のゲノム編集技術に比べて手軽で、幅広い応用が期待される
遺伝子編集技術「CRISPR-Cas9」のエッジ特許を、取りあげます。
最近は、新聞やニュースでも度々取りあげられていますね。
CRISPR-Cas9 は、「遺伝子を自由に編集できる画期的な技術」であり
「iPS並みの新技術」とする声があります。
直前予想: 2015年のノーベル生理学・医学賞、気になるテーマ4つ
ノーベル賞候補として、CRISPR-Cas9 を含む4つの技術を取り上げた記事で、
「簡便で、細菌・・・魚類まで幅広い生物に適用できる」のが特長であるとしています。
遺伝子を自由に切断する新技術「クリスパー・キャス」の威力
「iPS並みの新技術」としており、「がん細胞」の研究など病気のメカニズムの解明や
創薬への応用(※1)について、現状を紹介しています。
CRISPR-Cas9 について、米国の大学/研究機関により、特許網が構築されつつあります。
この分野のTop研究者である MITの Feng Zhang による初期の出願を、以下に取りあげます。
既に権利化されており、CRISPR-Cas9 についての基本特許の1つ(※2)と思われます。
(登録特許:GooglePatentへ移動します)
米国特許庁のサイトで関連出願と出願/権利化の経緯を確認すると(※3)、仮出願をベースに、
多くの分割出願を行い、巧妙に権利化を進めていることがわかります。
まさに「エッジ特許」(※4)です。
創薬応用にとどまらず、「難病の治療」(※5)や「食糧増産を目的とした動物の遺伝子編集」
についても研究が進められており、「世界を変える」技術になるかもしれません。
今後も、発明塾独自の視点で ”エッジ特許” 選定を継続し、配信させていただきます。
皆様の「発明」「知財活動」のご参考になれば幸いです。
※1 創薬への応用について、例えば、アストラゼネカが以下のプレスリリースを出し、
CRISPR-Cas9 は
「疾患の機転に関わる重要な遺伝子の操作や、改変の影響を検証することができる
シンプルで強力なツール」
であるとしています。
※2 CRISPR-Cas9 の特許について、「最初に発明したのは誰か」が、議論になっています。
※3 パテントファミリーの出願番号、および、優先権主張番号などについて、
GooglePatent 内リンク先の「Espacenet」で確認できます(クリックしてみてください)。
また、米国出願の経緯について、以下のUSPTOのサイト
「PAIR(Patent Application Information Retrieval)」で確認できます。
「PAIR(Patent Application Information Retrieval)」で確認できます。