「発明塾®」へようこそ!: 「分析屋が陥りがちな”ダメな”情報分析」~”常識”を裏切る、”当たり前の結論”を探せ

2016年1月31日日曜日

「分析屋が陥りがちな”ダメな”情報分析」~”常識”を裏切る、”当たり前の結論”を探せ

以前、

「企画の本質は逆張り」

という話をしました。


「技術者が陥りがちな”ダメな企画”立案」~第318回報告
「企画の本質は”逆張り”?」~第317回報告

実は、情報分析の段階で、この

「逆張り」

を徹底する必要があります(*1)。


ダメな情報分析の典型的な例を、以下に示しておきましょう。

「世の中でXXXといわれている通り、弊社もZZZに取り組めば、チャンスがあります」


もう言われているのであれば、やれば「いくばくか」のチャンスがあることは、だれでもわかる事なので、わざわざ「コストをかけて」情報分析をしてまで出す結論ではありません。


では逆に、「どういう結論を導き出せばよいのか」を、以下に示します。

「世の中ではXXXだといわれているが、実はそうではない。なので、弊社はZZZに取り組むべきだ」(*2)


つまり、「逆張り」です。


「調査技術」もさることながら
「なんであれ、プロになるために、何をすべきか」
が書かれた、プロによるプロのための本です。



ここで重要なのは、

「分析した結果、偶然、こういう結論が出ました」

という

「成り行き」の「ヌルい」

分析をするのではなく、元々、

「世の中で一般的に言われていることの”逆”を示すデータがないか」
「今まで分析して得られた”マクロ的な結論”を覆す、”ミクロ”な傾向/データがないか」



「探索」

しながら、

「分析」

を行うことです。


「常識の逆」
「マクロトレンドの逆」

を示すデータは、

「なんとなく」

見ている人は、必ず見過ごしてしまいます。最初から、

「自分の期待」「世間の期待」

を裏切るデータがあるはずだ、という視点で見るのがポイントです。


発明塾(企業内開催も含む)では、特許に限らず、情報分析の定石として

「マクロ分析で状況を把握するのは、”常識”を得るため」
「ミクロ分析で、その”常識”が裏切られたときに、大きなリターンが得られる」

と教えています。

実際に、過去、

「画期的な発明」
「大きな投資機会」

を発掘できた例は、定石通りになっています。


もう少し補足すると、

「”常識”を裏切る、”当たり前の結論”が得られた時」

に、最高の結果を生み出しています。


企画や情報分析を担当される方(アナリスト、と呼ばれる方を含む)は、一度意識してみてはいかがでしょうか?


e発明塾「特許情報分析」講座も、どうぞ。



*1 発明と関連して、以前簡単に取り上げました。
   発明に「情報分析」が重要なわけ~発明塾第302/303回開催報告

*2 実際には、他にもいくつかの「分析結果として価値が高い結論の”フォーマット”」があります。一部は、発明塾参考書の定番「イシューからはじめよ」にも、記載されています。