「企画の本質は逆張り」
という話をしました。
「技術者が陥りがちな”ダメな企画”立案」~第318回報告
「企画の本質は”逆張り”?」~第317回報告
実は、情報分析の段階で、この
「逆張り」
を徹底する必要があります(*1)。
ダメな情報分析の典型的な例を、以下に示しておきましょう。
「世の中でXXXといわれている通り、弊社もZZZに取り組めば、チャンスがあります」
もう言われているのであれば、やれば「いくばくか」のチャンスがあることは、だれでもわかる事なので、わざわざ「コストをかけて」情報分析をしてまで出す結論ではありません。
では逆に、「どういう結論を導き出せばよいのか」を、以下に示します。
「世の中ではXXXだといわれているが、実はそうではない。なので、弊社はZZZに取り組むべきだ」(*2)
つまり、「逆張り」です。
「調査技術」もさることながら
「なんであれ、プロになるために、何をすべきか」
が書かれた、プロによるプロのための本です。
ここで重要なのは、
「分析した結果、偶然、こういう結論が出ました」
という
「成り行き」の「ヌルい」
分析をするのではなく、元々、
「世の中で一般的に言われていることの”逆”を示すデータがないか」
「今まで分析して得られた”マクロ的な結論”を覆す、”ミクロ”な傾向/データがないか」
と
「探索」
しながら、
「分析」
を行うことです。
「常識の逆」
「マクロトレンドの逆」
を示すデータは、
「なんとなく」
見ている人は、必ず見過ごしてしまいます。最初から、
「自分の期待」「世間の期待」
を裏切るデータがあるはずだ、という視点で見るのがポイントです。
発明塾(企業内開催も含む)では、特許に限らず、情報分析の定石として
「マクロ分析で状況を把握するのは、”常識”を得るため」
「ミクロ分析で、その”常識”が裏切られたときに、大きなリターンが得られる」
と教えています。
実際に、過去、
「画期的な発明」
「大きな投資機会」
を発掘できた例は、定石通りになっています。
もう少し補足すると、
「”常識”を裏切る、”当たり前の結論”が得られた時」
に、最高の結果を生み出しています。
企画や情報分析を担当される方(アナリスト、と呼ばれる方を含む)は、一度意識してみてはいかがでしょうか?
e発明塾「特許情報分析」講座も、どうぞ。
*1 発明と関連して、以前簡単に取り上げました。
発明に「情報分析」が重要なわけ~発明塾第302/303回開催報告