「来るべき時に備えて、もっと勉強しよう!」
と思ってくれたようです。しかし、中には数名、
「もっと企業時代(川崎、小松)の、話が聞きたかった」
という学生さんもおられました、ごめんね。
続きは発明塾でお話しするか、3月に機械系が主催する、
「OBと学生の交流会」
でお会いする際に、しましょう。
さて、差支えの無い範囲で、レポートを振り返ってみましょう。
今回のレポート課題は、
「ウエアラブルデバイスにしか、解決できない課題」
という観点で、発明を創造しましょう、ということにしました。
講義中、3Dプリンタ(3次元プリンタ)を具体例として挙げ、
「既存の各種工作機械や組立法など、既存の製造法では出来ないもの、解決できない課題に適用してこそ、大きなチャンスが生まれる」
という話をしました。この視点を、
「ウエアラブルでも、使ってね」
というわけです。
今回のレポートも、加点方式です。加点の基準は、
①論理展開の正しさ(特に、必然性)
②切り口の斬新さ(先行技術との比較)
という、「発明塾式」としました。
「24時間身に付けていることに意味がある」
「両手が空くことに意味があるんだ」
などなど、いろいろな観点で議論を展開してくれました。
いつも通り、レポートを読むのは時間を忘れる程楽しく、一つ一つじっくりと読ませていただきましたヨ!
アイデアについては、ここに書けないのが残念ですが、代わりに、講義の感想の一部を、個人が特定できないように、抜粋記載しておきます。
・「Linked In 始めました!」
これは、Linked In って、何のツールか知ってる?という問いかけから始まった一連の説明を受けてのことのようです。今回の講義から Global に Professional として活躍する学生さんが、出てきてほしいですね。
・「紹介いただいた本を買いました/読み始めました」
1.5時間の講義で話せることは、知れています。「望むなら、(その扉の前に)連れて行こう」(T.サビーヌ)のが関の山です。本のリストを「地図」にして、是非「冒険の扉」を開き、「知の大海原」を航海して欲しい。
「もっと勉強したい」と思った、など、冬休みを前に気合が入ったなら、まずは目標は達成できたと思っています。
「扉を開けるのは、君だ!」
・「自分にも発明が出来そう」
これは、すごくうれしい。発明について、正しい(達成可能であるという)認識を持ってもらい、様々な課題を解決する機械やサービスを、毎日ドンドン考えて欲しい。
ちなみに塾生さん曰く、「楠浦さんのすごいところは、絶対この問題は解けると信じて疑わないこと」だそうです。それが、塾生さんをして「発明に取り組ませている」のだとか。
僕は、人類の知性とその進歩を信じています。
「難しい問題に取り組むことを、恐れるな。
ひょっとしたら、その問題に取り組む過程で、なにか興味深い問題が解けるかもしれない」
(モンゴメリー)
数学者モンゴメリーは、ゼータ関数のゼロ点分布について考察する過程で、物理学者フリーマン・ダイソンに出合います。二人の出会いは、リーマン予想の証明に、重要な進歩をもたらしました。
前回のブログで取り上げた「素数の音楽」からの一幕です。
(画像をクリックすると Amazon.co.jp のサイトへ移動します)
Amazonのプログラムを利用して画像を引用することにしました。
A.ワイルズは、7年間誰にも話さず、
ひたすらこの定理の証明に、情熱を注ぎ続けた。
「解けるという確信」のなせる業でしょうか?
「解けるという確信」のなせる業でしょうか?
まさに「頭脳をかけた大博打」です。
・「25-65才の平日の昼間という、人生の最もよい時間を費やす以上、どういう仕事につくか、仕事の時間をどう過ごすかが非常に重要である、という言葉がすごく響いた」
講義中ほとんど触れなかったにもかかわらず、同じような感想を、かなりの割合の学生さんが、自分なりの言葉で書いてくれていました。これも、僕にとって、とてもうれしいことでした。
42になり、残された時間が少なくなる中「残りの短い人生をどう過ごすか」常に選択を迫られている僕の心境を、学生さんは、敏感に感じ取っていたのかもしれません。
「数学者のほとんどは、10台若しくは20代に大きな業績を上げる」といわれる中、A.ワイルズが40を超えて「フェルマーの最終定理」を証明したことは、やはり偉業の名にふさわしい仕事なのでしょう。
接頭辞として、
「仕事は、お金が儲かればよいと思っていた」
「嫌々でも儲かる仕事をやって、お金を稼いで、休日に趣味で楽しめばよいと思っていた」
等の感想も、ありました。
唯一の答えは有りませんが、多くの先人が人生を振り返っている言葉が、参考になるでしょう。
もちろん、これは僕の仕事観、人生観なので、他の方に押し付ける気は毛頭ありません。ひょっとすると、死ぬときには答えが出て、でも、そのままその答えを持っていくのだと、思います。
・「短すぎた」「あと2-3時間やって欲しかった」
有り難いリクエストでもあり、もっといろいろ話せるはずだったという反省もありますが、やはり、この講義での僕の仕事は、
「扉の前に連れていく」
ことだったのだろうと、思っています。
来年は、また違う話をします。興味があれば毎年出てもらうのも、一興だと思っています。
単位にはなりませんが・・・そもそも大学の講義は、単位のために聞くものではありませんので・・・よろしく。
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