残念ながら、マシンビジョンの方は、塾終了後のオンライン討議で、
「ドンズバ」
な先行技術が見つかりましたので、仕切り直しです。
以下、過去発明の討議について、簡単に振り返っておきましょう。
●「急速充放電できる電池」は、どのように事業化すれば、「その技術の価値を最大化」できるのか?
例えば、「京都」発のベンチャー「CONNEXX SYSTEMS」は、
「40Cで急速充放電できる Liイオン電池 を開発」
しています。
具体的には、負極材として「シリコン」を利用することで、ブレークスルーを試みています。
素晴らしいですね。
ここで重要なことは、
「急速充放電できる電池が出来れば、何がどうなるのか」
を考え、その成果が最大になるビジネスモデルを設計し、アライアンスも含めた知財戦略に落とし込むことです。
「アライアンス/契約を見据えて、必要な知財を手配し、交渉力を高め、実用化と普及を加速する」
発明塾で、いつも教えていることです。
エジソンの発明の歴史が、まさに上記の通りになっています。
このあたりは、また「紙上講義(無料)」で議論しましょう。
では、
「急速充放電ができるようになると、何がどう」
なるか、考えてみましょう。
まず「放電」から行きましょうか。
ここで、「充放電」を一緒にしないことが、重要です。
「充電と放電」
は、
「ユーザー価値が異なる」
行為だからです。
教え子もどんどん増えてきて
「教え子に教えられ」
みたいなことが頻発し始めました。
この本も、元塾生さんが教えてくれました。
ありがとう!
急速放電(例えば40C以上)の場合、
「小さな電池でも、大きな力が出せる」
ことに、価値がありそうです。
「瞬発力」
と、名づけましょうか。
「瞬発力のある電池」
ということになると、電池自体の価値が高まります。
ですので、
「電池を高く売る」
という、王道のモデルが成り立つ気がしますね。
実際、
「系統電力の安定化」
「動力回生」
等の用途を、「CONNEXX SYSTEMS」は、模索しているようです。
では「充電」はどうでしょうか?
「急速充電できると、何がどうなる」
でしょうか。
「充電時間を短くできる」
そうですね。これは正しいです。
「ちょっとした待ち時間に充電できる」
と言い換えましょうか。
そうなると、
「時間を短縮した分だけ、高い価値を提供していることになる」
と言えますね。実際、
「そのように説明して、電池を売る」
ことも可能でしょう。
ここで少し、頭を切り替えましょう。
「この電池が普及すると、だれが一番、収益を上げそう(儲かりそう)」
でしょうか。
たぶん、
「電気を売る人」
でしょうね。
「ちょっとした時間に、急いで充電したい人」
は、
「時間をお金で買う」
癖がついていますから、結果として
「電気を高く売る」
ことが出来ます。
となると、
「電気を売る」
立場から、
「急速充電ができる電池」
を、
「再発明」
する必要があります。
このように、「発明塾式」では、
「技術の価値を、いかに最大化するか」
という観点で、発明を「戦略的」に導き出します。
この発明も、引き続き議論していきましょう!