・アイデア
・観点
・競合
を抜き出し、討議を深めました。一度具体化して、各自のアイデアを固定化しておくことも重要だと考えた僕の判断で、アイデアを絞り込んでの討議にしました。
しかし、これまでの経験で皆わかっているように、この段階のアイデアが生き残ることは、ほとんどありません。僕も濱口さんと同様に、
「早い段階からアイデア=仮説をもって、それを検証する過程で、情報を集め、仮説を惜しげもなく突き崩し、昇華させ、”預言的(注1)”なものにしていく」
ことにしています。これは「イシュー」(安宅)にも、「1 week hypothesis」として、書かれています。
勝負はここから、ということで。試験終了後、第一回合宿を行いますので、よろしく!
次回に向けた作業として、「発明提案書(Solution Report:略してSR)」(注3)書いてきてね、としています。
古典を紐解くのは、「教養のため」ではなく
「時間の重みに耐えて残された、言葉」を知るため。
考えるために不可欠な道具、それが言葉。
良い道具を、常に追求したい。
そう思うと、つい「古い本」に手が伸びる。
いつも繰り返していることですが、「言語化」「具体化」が極めて重要です。
「まだまとまっていないから、書けません」
と言う人がいますが、
「書かないから、まとまらない」
のが、実態でしょう。
因果関係の認識を逆にしてみると、アクションにつながります。
創造的であるためには、常に「具体的」でなければならない。
創造、という行為自体がそもそも「不可能と思える、漠然としたものに、形を与える(embody)」ことです。
言葉を選び、自分の頭の中にある漠然としたものに「形」を与え、具現化していく作業こそ、創造であり、発明なのです。
では、次回もよろしく!
※ 注1) Propheting Invention という、マイクロソフト 元CTO ネイサン・ミアボルド(注2) との発明議論で出た言葉を、僕なりに和訳したもの。
※ 注2) 彼のぶっ飛び具合は、以下のような評判からも、よくわかる。会ってみて、その通りの人であった。「5つの学位を持つ天才」 から抜粋。
「ネイサン・ミアボルドが認めるように、マイクロソフトは歴史的にほかの会社の技術をまねすることはあっても、開発したことはなかった。それに不満なネイサン・ミアボルドは1990年代に入ってマイクロソフトに研究所を作るために奔走する。
・・・カーネギー・メロン大学からリック・ラシッドを引き抜き、その下にダン・リンを付け、トランザクション処理分野でジム・グレイを獲得、グラフィックス分野でジム・カジヤ、ジム・ブリン、アンドリュー・グラスナー、アルビー・レイ・スミスなどを獲得した。
マイクロソフトの研究所の重点研究項目は、音声認識、自然言語処理、人工知能、プログラミング言語とツールなどである。このような高尚な分野を標的に選んだのでは、はっきりいって成果を上げるのは難しいだろう。山が高すぎるのだ」
※ 注3) 発明提案書は、”発明”提案書ではなく、発明”提案書”なのです。だから、Solution でなくてはならない。発明報告書、みたいなSRは「発明塾」には不要なので、注意してね。