それは、
「組織の成長なくして個人の成長なく、個人の成長なくして組織の成長は無い」
という、極めてシンプルかつ当たり前のことです。アルバイトの学生さんも含めると、常時20名を超える組織となった弊社も、当初は常勤の社員数名で始まりました。
発明塾も、最初は例の「起業と事業創造」に出てくれた学生さん数名から、始まっています。
いずれも、新たなメンバーが加わるごとに、メンバーひとりひとりも成長し、その結果、組織として成長してきました。
弊社では原則、「ペア」を組ませて、仕事を進めることにしています。僕の経験上、1人でも3人でもなく、「ペア」が最も効率よく、かつ、本人たちの中長期的な成長を促します。
ほとんどの人は、「なにかと比べ」ないと、自分のやり方の何が悪いのか、自分に何が足りないのか、自分がなぜ失敗するのか、気づくことが出来ません。
「相手の視点を盗む」
ことで、客観的な視点を身に付け、また特に「相補的な視点」を、身に付けることが出来ます。
以前紹介した、「Critical & Optimistic」も、相補的な視点です。
発明塾でも同じです。意図的にペアは組ませていませんが、各自に「こういう人と議論するように」とあらかじめ指示しておく他、合宿等でのGr分けを、「本人達が成長でき、かつ、議論が創造的になる」ように、設定しています。
ご存じ、チクセントミハイの「フロー」。
原書のタイトルには、
「How to Achieve Happiness」とある。
Achieve なんですね。
マズローの言う通り、
「一人で、暗い洞窟に籠って、自己実現を達成できた」
人はいないのです。適切な対話、創造的な議論が出来る仲間との対話を通じて、長い成長過程の末に、自己実現に達するのです。
「良き仲間に恵まれること」
実は、これが「組織」の最も重要な目的だと、僕は考えています。僕が繰り返し引用している、
「知識創造企業」(野中)
に書かれていることも、結局これに尽きます。
大学での講義も含め、仕事柄、僭越ながら前に立って、何かを学んでいただく場を主導することが多いのですが、僕が心がけるのは常に、
「創造的な議論、対話」
です。そういう対話が出来るような「問い」を立てることから、教材作り、指導案作り(注)は始まります。それは「教室」もまた一つの組織として、「学習共同体」として、運営していく必要があるからです。良い仲間に恵まれることで、よい学びが達成されます。
複数の人間が集まって何かをする。それは、
「創造的対話を通じて、互いに成長し、その結果”場”が発展する」
ためだと、僕は考えています。教室であれ、企業であれ、同じです。
今後も発明塾は、
「創造的な議論が出来る人材の輩出」
を通じて、それぞれの組織と社会を発展させることを、目指します。
※ 注) 弊社の知的財産、発明に関するセミナーは、すべて「指導案から独自に」作成しています。また、全てのセミナー講師に「指導案作成」を、義務付けています。