また、今回のテーマに関連して「表面エネルギー」について、おさらいをしました。過去にも、
「壁が汚れない塗料」「新しい手術器具」「サーバールームの冷却」
等、様々な発明に取り組む際に出てきた、とても重要な概念です。
僕が、こういった科学的な概念を、きちんと理解してもらうために心がけていることは、
「実際のモノ」 や 「他の現象、理論、概念」
と結び付けて説明をする、ことです。
今回は、フッ素コーティングの話に始まり、
「フッ素樹脂が、なぜ表面エネルギーが低いのかを、化学式で見てみる」
「接着剤が、なぜ”接着”剤か、化学式と表面エネルギーで考えてみる」
「なぜ水玉が”丸くなる”のかを、表面自由エネルギーから考えてみる」
という、高校の物理化学の延長線の話に始まり、
「破壊力学の基礎式を、表面エネルギーの視点で解説してみる」
「半導体ウエハーの常温接合と、表面エネルギー」
のように、大学で学び/研究するテーマに言及し、表面エネルギーについて学びました。
「撥水性と濡れ性(Young-Dupret, Wenzel, Cassie-Baxter 等)」
の話を、忘れました(笑。
(再登場です)
発明を通じて、日常を科学し、学ぶ。
「モノづくり解体新書(※)」と本書が、
僕の発明の原点。是非読んでね。
その後、余談として
「半導体~Si単結晶ウエハーの作り方(CZ法)」
「半導体~ACF(異方導電性テープ)という”秀逸”な発明」
「レオロジー~固体でも液体でも”ある”もの~高分子のお話」
「レオロジー~時間と熱が等価であること」
など、発明を行う上で欠かせない、基礎的な科学の話をしました。
「ガラス転移」「貯蔵弾性率と損失弾性率」「結晶って何?」
「光の波長、回折と半導体製造技術」「位相制御で解像度が上がる」
「メッキと濡れ性(また濡れ性!)」
「気相からの結晶成長~CVDとPVD)」
なんて話も、ホントはじっくりとしたかったのですが・・・。
工学部の物理工学系/機械系では、半導体の話も、連続体力学の話も専門科目で出てきますので、そこでさらにしっかり学んでね。
「そうやって考えると、めっちゃ面白いですね!」
とのことなので、発明を通じて学ぶことの楽しさは、伝わったのかな?
今回は時間切れで、ここまで。
次回もよろしく!
※ 注)発明塾文庫、として全巻揃えています。