「発明塾®」へようこそ!: 発明塾京都 第40回開催報告

2011年6月2日木曜日

発明塾京都 第40回開催報告

@京都の第40回も無事終了しました。
新しい方法にして2回目です。個人的には、フィードバックを早く返せるので、各自の発明が進むのと、各自のレベルに応じた討議ができるのでいいかなと思っていますが、気付いた点があれば、皆さんから「課題」を挙げてもらえればと思います。(解決策ではなく:笑)

あくまで課題分析、課題発掘、課題創造で。

さて、昨日は時間を取って「知財戦略とはなんなのか」という話をしました。ちょうど午前に、ある企業さんで全くおなじ話をしたので、その時の資料を配りました。(その会社では、まさにこの考え方を実行したいそうです)

しかも、僕が話すのは「弱者の知財戦略」です。戦略論を考えるときは、必ず強者の戦略なのか、弱者の戦略なのかを明らかにする必要があります。ランチェスターによれば、強者と弱者で取るべき戦略が全く異なるからです。詳しくは以下。

・ランチェスター戦略
ランチェスターの理論そのもの: http://www2k.biglobe.ne.jp/~yano/LAN.html
ビジネス応用: http://www.sengoku.biz/lan.htm

で、個人、起業もしくは新規事業であれば、基本的に弱者戦略になりますから、「本当に新しいことを実行する」人が身につけるべき戦略は「弱者の戦略」になります。

実は、アカデミアは基本的に「個人」なので、なにをするにも取るべき戦略は「弱者の戦略」になります。知財においても同じです。自分の知をどう「財産」にし、「価値化(現金化と言ってもいい)」していくか、というのが、アカデミアの知財戦略になります。完全に個人事業主です。この点は、ほとんどのアカデミア志願者は理解していないので、強調しておきます。大学が何とかしてくれる、みたいな事は起こりません。放置すれば「パクられて」終わるだけです。成果は論文で発表するわけなので、公知技術になりますから、誰でも使えます。

知識社会において、個人が自分の知をどう活用し生き残るか、それを教えるのも発明塾の仕事の一つだと思っています。

また、MOTやMBAで学ぶ戦略論のほとんどが「強者の戦略」なので、注意しておいてください。(強者の論理、と言ってもいいかも知れません。この辺は、本多勝一の「殺される側の論理」などを読むといいでしょう。立場が変われば、論理も変わるわけです。)

ここには内容は書ききれませんが、僕が「知財戦略セミナー」で話している内容の分かりやすい部分(難しい理屈ではなく、実例)を抜粋して、その場で話しました。今後メルマガでも解説をしていこうと思っていますので、メルマガ配信されてない人は申し込んでおいてください。

@a_dat さんとのTwitterでのやり取りで取り上げましたが、ある発言や理論が、どういう立場(の人)からのものなのか、を理解しておくことは非常に重要です。つまり「暗黙の前提条件」を明らかにしておく、ということです。これは発明でも同じという話はしましたね。

勝ち続けている人が勝つための方法なのか、全く無名の人間が突如TOPに出るための方法なのか。前職のベンチャーでは、僕自身もこの辺が消化しきれていなくて、初期的には失敗しました。大手企業出身の起業家は、この辺が落とし穴なのかも知れませんね。

ではでは、次回もきちんと準備して、討議に望んでください。有意義な討議ができることを、期待しています。