「発明塾®」へようこそ!: 発明塾東京 第42回開催報告

2011年4月3日日曜日

発明塾東京 第42回開催報告

第42回も無事終了しました。

今回のテーマはナノ粒子による汚染を防止。

京都組と同じように、いくつか(今回は2件)の特許をじっくり査読し、そこから「ナノ粒子による汚染を防止する」ということにおける技術的課題を抽出しました。

・特開2008-019853
特開2001-113143

大抵の特許(正確にはそこで表現されている発明)は、複数の要素技術(小さなアイデア)を含み、また、それらの組み合わせにより、複数の課題(正確にはトレードオフ)を解決しています。

①発明の中の要素を一つづつ取り上げ、それがどういう課題を解決しているのか、組み合わせでどういう効果が出ているのか、を書きだす。
②それらを「Why」「要するに」で上位概念化していく。

この作業をいくつかの特許について行うことにより、当該分野での課題を抽出します。

③そして、それぞれの関係(因果関係、相関関係、トレードオフ)を把握します。
④多数のトレードオフの中心になっている課題をまず選び、それとトレードオフにある課題をもう一つ選びます。
⑤そして、それを「セットで解決する」(つまりそのトレードオフ自体を解決する)ことを、「実現すべき命題」(実現すべきコンセプト)として、設定します。

あとは、それを実現できるアイデアを出すために、今度は特許にあった「解決策」を整理しながら、思考を広げていくことになります。

考える「命題」を、根本的なトレードオフに設定します。こうすることで、集中して考えることが出来ます。よく、アイデア出しをやっていると「こんなのはどうか」と、どんどん話がずれます。もちろん、それで良いアイデアが出るときもありますが、たいていは、話が発散して終わります。

集中して考える、ための方法論を持っておくことは、知的生産性を上げるためには、非常に重要なことだと思います。集中して考えられなければ、コンスタントに結果は出せません。せいぜい「ちょっと面白い人」で終わってしまうでしょう。これは、利根川先生が言っている「ちょっと面白いぐらいでテーマを選んでいては、あっという間に一生が終わってしまう」という言葉そのものです。

考えるに価する課題を設定し、集中して考える。

この習慣と方法論を、まず身につけましょう。