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2015年11月28日土曜日

「突破発明」創出とは?/分析とは「比較」~第312回/第313回開催報告

第312回/第313回も無事終了しました。
(楠浦は、どうしても討議したい内容があり、第313回だけ参加しました)

2回を通じて、ある分野で大きな影響力を持っていたと思われる特許に対して、「突破発明」創出のための、討議を行いました。


発明塾で「突破発明」は、以下の条件を満たす発明を指します。


① 対象に設定する「特許」を回避していること

② 大きな「技術の流れ」に沿ったものであること
③ 対象に設定する「特許」に記載された発明が、潜在的に持っている問題点を解決するもの

今回は、かなり古い特許を対象に議論を行いましたので、「回避」した発明は特許検索などにより、多く見つかりました。


重要なことは、②と③を外さないように、議論を進めることです。

詳細は、この教材で紹介していますが、

「見つかった課題に、”なぜ”を問いかけ」


て、技術の歴史を遡り、大きな流れを把握します。サマースクール生の皆さんは、手元に「指南」があるはずですので、しっかり見直しておきましょう。




(クリックするとAmazonのサイトへ移動します)
「教科書通りにやってみる」、重要ですね。
分析の話をする際に度々紹介する、安宅氏の「イシュー・・・」。
すでに100回以上読んでいます。
憶えてしまわないと、教科書通りにはできません。


他、以前から繰り返し討議している「食品包装容器」について、改めて、特許情報分析を行いました。

今後の議論の起点になる特許を見つけることが、目的です。

流れを復習しておきましょう。


KW検索の結果から特許を1件選び出し、自分が分析したい分野のIPCを調べました。

今回は「 #IPC B65D85/50」に仮決めし、進めました。

「 #IPC B65D85/50」に関する特許調査

(クリックすると、「かんたん特許調査」のサイトへ移動します)

分析結果の「住友ベークライト」の出願は、野菜などの包装フィルムについてのものであり、「積水化成品」の出願は、魚などを入れる発泡容器についてのものでした。


分野は異なりますが、この二つを比較するとどうでしょうか?

あくまで比較論ですが、「発泡容器」のほうが、まだまだ技術的に工夫する余地がありそうです。
「原理」「メカニズム」に踏み込んで「再発明」にトライすれば、新しい包装容器にたどり着けるのではないでしょうか。

ここから、「農業の次は水産」という仮説を導き出した塾生さんがいれば、ぜひ次回、その続きをやりましょう。


Aquaculture というKWで、調べてみては?



では、次回もよろしく!



※ 注) 「突破発明」はTechnoProducer株式会社の登録商標です。



2015年11月8日日曜日

サマースクールからの新塾生を迎えるにあたり~第311回報告他

第311回も、活発な討議が行われたようです。
(楠浦不在にて、討議を行ってもらいました)

今回は、ある特許について「突破発明(※)」創出の準備討議が行われました。
次回が、突破本番のようです。こちらには、楠浦も参加予定です。
楽しみですね。

「突破発明」創出に向けて、何が突破のポイントか、過去事例をふりかえっておきましょう。

先行技術を「突破」するために必要なのは、「技術の進化点」の見極めである~発明塾第301回開催報告

対象になる特許発明の「原理」を理解し、「技術の進化」に沿って発明を創出する。

原理原則、基本に忠実に、お願いします。


さて、11月以降、「サマースクール2015」を乗り越えた方々に、発明塾に合流していただくことにしました。

「最後、発明提案書にたどりつけず、悔いが残ります」

という方もおられますので、それは、今後晴らしていただきたい。



また、OBOGが「自分のテーマがなくても」参加できるように、今後は「情報分析を通じた”投資”意思決定」を、定期的に題材に取りあげます。
今年春に、何度か取りあげましたが、誰にとっても得るものがある、非常に良い題材であると感じました。
分野は、希望があれば受け付けますし、なければ楠浦が決めます。

頭脳を投資する人は発明家、人生を投資する人は起業家、
株式や債権に投資する人は投資家、いろんな呼び方がありますが、
本質は「常に1つ」。
いずれにせよ塾生さん(学生さん)は近い将来、
「人生残り35年」という、その時点で持っている
最大の資産を掛けた投資の意思決定を迫られます。


以前書いたように、

「今年は、さらなる飛躍への準備期間」

です。


すでに、サマースクールの時点で、

「楠浦ではなく、塾OBが指導した学生さん」
「高校生時代に楠浦と出会い、その後大学生になって発明塾へ」

という、「予想していた未来」が、着実に実現されていることが確認できました。


今後は、OBOGへの支援と新たな世代の育成が一体になることで、より大きな成果に結びつくように、着実に進めていきます。


では、次回もよろしく。




※ 「突破発明」は、TechnoProducer株式会社の登録商標です。


2015年10月31日土曜日

「モーターショー」が再び熱くなるとは~第309/310回報告、京都大学講義報告他

サマースクールの課題討議(第309/310回)も無事終了し、11月からは通常の活動へ復帰する予定です。

10月の活動を振り返っておきましょう。


1.サマースクール

発明塾サマースクール2015」は、全プログラムを終了しました。
無事、課題提出した皆さん、お疲れさんでした。
残念ながら課題提出に至らなかったサマースクール生は、次回是非チャレンジして下さい。

「発明提案書に仕上げる中で、”発明になる”」

ものなので、ジャストアイデアで終わらせず、ぜひ”発明”をしましょう。


2.京都大学機械系での講義

京都大学機械系「ものつくり講義」で、今年も講義を行いました。
今年は、「キャリア」の話をしました。
僕のキャリアを振り返りながら、どこでどういうことを学んだか、という話をしました。

ロボット/自動車など、機械系の古典的なトピックが、IoT/人工知能などの最先端技術と結びついているせいか、

「製造業系の企業に就職し、開発や設計などの職につきたい」

と考えている人が多いようでした。

EV、自動運転などの動向を見ると、時代が一周して、

「また、自動車の時代が来た」

という気すらします。

今年はモーターショーに行こう、と思います。


3.特許情報分析

ようやく、この12年ほどの「特許情報分析」に関する様々な経験や知見を、教材としてまとめる作業に着手しました。

第一弾の「開発テーマ企画・立案における特許情報分析の活用」は、発明塾以前の時点ですでに実績が出ていた手法を、教材としてまとめたものです。
もちろん、発明塾でも常に活用しています。

今後は、発明塾で培った「発明のための特許情報分析」ノウハウを、教材化していく予定です。

お楽しみに、


2015年9月26日土曜日

「制約を外し、次元を上げる」~発明塾第308回報告

第308回は、久々に僕も出席し、皆さんとの議論を楽しむことが出来ました。
サマースクールの課題を、「発明提案書」に落としこむ作業を行いながら、今回の課題の「本質」を探る議論を行いました。

発明塾では、提案書作成段階の作業を

「詰める」

と呼んでいますが、

「詰められない(つまり、行き詰まる)」

時に、

「発明の本質が明らかになる」

という鉄則があります。

「すぐ詰められる(つまり、すぐに具現化できる)」

発明は、だいたいの場合、先行技術があったりしますので、

「詰められない発明が、なぜ”詰まらないか”」

を追求することで、発明の本質が見えてくるわけです。


(元塾生さん紹介の本です)
「この問題は二年ぐらいで解ける問題ですか」
「君が二年で解けることがわかっているなら、僕が今解くよ」
「今までにやった人がいますか」
「有名な数学者がやって解けなかったから、君が解いたら面白いよ」


広中先生は、

「特異点があるのは、もっと次元の高い何かの”影”を見ているから」

とおっしゃっています。

発明塾では、

暗黙の制約を取り払うと、解が出る(「前提を疑え」)」

と教えています。


「簡単に詰められそうな発明(どうせ先行技術がある)ではなく、詰められないかもしれないと思う問題に取り組む」

のが、発明成功の秘訣です。仮に詰められなかったとしても、

「本質が明らかになり、次に繋がる」

からです。

「難しい問題に取り組むことを、恐れるな。ひょっとしたら、その問題に取り組む過程で、なにか興味深い問題が解けるかもしれない」(モンゴメリー)

では、次回もよろしく!


2015年9月13日日曜日

「準備が全て」~発明塾サマースクール2015&第307回報告

今回、初めての取り組みになった「発明塾サマースクール」の、スクーリング(参加者全員での発明討議を通じた、発明創出法の学習の場)が、無事終了しました。

また、第307回はその準備に充てました(楠浦欠席)。

せっかくですので、スクーリングを振り返ってみましょう。


1.「発明討議は、準備が全て」~事前学習/事前課題
企業で実際に研修し使用している、「発明塾で、大学生が実際に数々の発明を創出していた手法」のごく一部を教材化した、非常に簡易的なものを、事前学習教材として設定しました。

・参考) e発明塾「課題解決思考(2)

また、企業で実際に解決を必要としている「技術課題」を、事前課題として設定し、上記教材の流れに従って、取り組んでいただきました。

結論から言うと、

「予想通りの出来栄えの、事前課題への回答が得られ、当日の討議が非常に有意義に」

進みました。

「予想通り」

が非常に重要で、

「完全な答え/素晴らしい発明が得られるわけはない」(だったら集まる必要ない)

のですが、

「素晴らしい発明に繋がる、必要なパーツ」

が、ほぼ揃いました。

発明塾でも準備討議をしましたので、それと組み合わせると、

「準備は万全」

と言えるでしょう。サマースクール生、塾生さん、および、小塚さん、お疲れさんでした。
僕がいなくても、

「発明の準備は整う」

ことは示されました。

同時に、

「準備中に予想していたものと、全く異なる領域で発明が創出された」

ことが、

「集まる意味」

を明確に示しています。

「十分に準備をした上で、集まる」

ことで、素晴らしいブレークスルーが起きることは、すでに発明塾では常識ですが、今回もそれは裏切られませんでした。


2.受講者の感想
これも予想通りでしたが、サマースクール生から

「納得行くまでじっくり取り組むことができてよかった」
「事前に繰り返し考えることで、考えが深まった」
「空いている時間に考えることができてよかった」

といった感想が寄せられました。

「集まってやるべきことと、そのために、個人でやるべきこと」

を明確にわけて準備を行い、さらに、集合討議中も

「最も効率よく知識創造につながる時間配分、役割分担を追求する」

ことを徹底する「発明塾式」に、事前学習と事前課題を通じて、

「自然に馴染む」

事ができたのかなと、思っています。つまり、

「事前学習の効果は、知識だけではなく、心構えや、頭の準備」

でも、あるようです。


「第6回」と「あとがき」は
何度も読み返したい。
個人的に。


3.サマースクールを終えて~あとは発明提案書
終えて、は少し早いかもしれません。「発明提案書」を仕上げる工程が未だ残っています。

「再びここで、発明が ”大化け(おおばけ)” する」

ことが、よくあります。

「先行技術と比較し、本質を磨きこむ」

工程は、発想的な思考と論理的思考の双方のバランスが試される、難しい作業の連続になりますが、この作業を時間を掛けてこなすことで、

「”Creative”につながる本当の能力」

が身につきます。

今回は、関西、および、海外からの参加者が過半を占めたため、今後の発明提案書のブラッシュアップ討議は、遠隔で行います。


では、引き続きよろしく!



2015年9月5日土曜日

「”良い仲間とGood Idea”が揃う時が、始める時」~発明塾第305回/306回報告他

発明塾第305回、第306回の報告を兼ねて、近況報告を。


1.いよいよサマースクール

直近の討議は、基本的にサマースクール準備に充てました。一部、楠浦不在での運営となっていますが、「そもそも、楠浦がいないと成り立たない議論には意味が無い」というのが、僕の持論ですので、当面の仕事は、



ということになりそうです。幸いにも、準備はほぼ整っていますので、あとは時間を作って、実装するだけです。



「ものづくりは大好き」

なので、苦にはなりません。バイクでも教材でも、作るとなればやり方は同じです。



「僕の考えでは、自分の仕事に対して努力していること、
精一杯頑張っていること、それが僕のプライドなのだ。
だから・・・自分が努力しなかったら、
それが自分のプライドを傷つけることになる」
基準が周りではなく、自分の中にある、ということなのでしょう。


2.「起業する」塾生/教え子さんへ、どうしても伝えておきたいこと

タイミングでしょうか、何名かの「起業する」という塾生/教え子さんと話をする機会がありました。
基本的に僕は「起業をすすめる」ことはしません。
また起業する人には「メンバーを誘うことは勧めない」と言っています。

詳しいことは割愛しますが、


「全てはタイミングであり、それを外して、余計なエネルギーを費やして始めたことは、結局上手くいかない」・・・(1)


ことが、身に染みているからです。


つまらないことで人生を無駄にして欲しくない、という、僕の親心?かもしれません。


次は、


「どんなに上手く行っても、それが本当にやりたいことでなくなったら、すぐに辞める/止めるべき」・・・(2)


ということです。僕と違って、どなたも優秀で真面目な方ばかりなので、



「実は大してやりたく無いことでも、上手く行ってしまう」
「上手く行ってしまうと、辞められない/止められない」

ということになりかねないな、と感じました。

でもそれは、



「1回きり、賞味期限35年程度の、貴重な人生を棒に振る」

ことになります。上手く行ったから、続けなければならないわけでもありません。



「自分がいなければ、それは、起こらなかったことなのか?」

常に自問自答し、



「もっとチャレンジングな、自分以外誰も挑戦しないこと」

に取り組んで欲しい。僕も自信はないですが、人生の末期に後悔する気がします。


もう一つは、



「まだ解決されていない課題に、だれも考えたことのない方法で取り組む」

ことです。先日お会いした方は、よく勉強されていたのですが、


「過去、こういうパターンで業界に改革が起きていて、同じようなパターンで、また業界に改革を起こしたい」


という思考回路でした。歴史の繰り返しは、誰かに任せておけば良いと思います。勉強はしても、手段にとらわれてはいけません。


「誰も提示していない、もっと鮮やかな解決方法があるのではないか」


と、考えて欲しいと伝えました。



3.やはり「良い仲間」が一番難しい、そして「それがタイミング」

この間、いろいろ考えましたが、やはり一番難しいのが、

「良い仲間が揃うこと」

だと思います。発明塾が始まったのも、起業と事業創造、という京都大学の講義や理学部生との出会いが重なり、

「良い仲間」

が、その瞬間に集まったからだと思います。

逆に言うと、

「タイミングは、逃さない」

ことが重要かもしれません。良い仲間が集まる、というのは、ある人が言うところの

「惑星直列」

のような、

「運と計画」

の賜物です。実際には、元々決まってることだと思うのですが、そのタイミングに生きているという意味で運なのでしょうし、一方で、計算すれば、そのタイミングは分かりますから、備えることも出来ます。

言い得て妙だなと、最近特に感じます。

サマースクールが、

「惑星直列」

になりますように!


2015年7月26日日曜日

「Negawatt(ネガワット)」の時代から~過去の蓄積を無駄にせず「エッジ特許」から始めるのが発明塾式

所定人数の応募者がありましたので、サマースクールの開催は決定しました。
ただし、京都は応募が少ないため中止。東京開催のみです。

今後の申し込みは、キャンセル待ちとなります。

現時点で、キャンセル連絡が来ていますので、キャンセル待ちは十分機能すると思います。


さて今回は、直近配信のメルマガと関連したトピックを。


自己紹介他、で何度か書いた通り、

・大学時代の専攻は「金属材料の低サイクル疲労強度」
・大学院は「エネルギー応用工学」専攻

という、大学院改組の過渡期にあたったため、いろいろ貴重な経験をさせていただいた。

学士と修士の論文タイトルは全く同じ。

「”低サイクル”疲労」
(航空機、プラント、原子力発電所など、材料の性能を最大限引き出す必要がある機器の設計や、極限状態を想定して設計される機器の設計に、必要な考え方です)

といえども、数千回から数万回程度の繰り返し荷重試験が必要なので、

「昼夜交代」

で、試験装置の前にスタンバイし、亀裂進展をレプリカ法で観察し・・・1週間ぐらいで1本の試験片をテストする、日々でした。

試験片(チタン合金)も高価だったりと、1名の学生が論文として取り上げられるデータ点数が限られていたので、僕の学士の論文は、

「過去15年ぐらいの先輩のデータに、10個ほど点を付け加え、まとめなおしただけ」

のものでした。

「材料開発が、世界中の研究者の気の遠くなるような努力の積み重ね」

であること、そして

「過去データ/論文の重要性」

を実感できたことは、現在の仕事にも大きく役立っています。

「すでに存在するデータや論文を無視して、あれこれ考えたところで、無駄が多い」

と、発明塾で度々言うのは、上記のような理由から、でもあります。

 ※ 知識コスト/情報コスト、検索の重要性については、過去にここで触れた


大学3回生ぐらいで読んでおくと、
いろいろ変わってくるのではないでしょうか。
本人にお会いしたことはありませんが、役員クラスの
OBの方に、一度ご指導いただいたことがあります。
やはり同じようなことを、おっしゃられていました。


前置きはこれぐらいにして、本題へ。

今回取り上げる「ネガワット」との出会いは、大学院時代。

「省エネ」「節電」

というと、

「我慢」「美徳」「節約」・・・

という印象が強かったのですが、

「それはビジネスで、生産活動の一つです」

と宣言したのが、

「ネガワット(Negawatt)」

という考え方です。


「これからはエネルギー問題の解決が重要」

という「課題-解決型」で生まれた大学院でしたので、およそ関係ありそうな学問は片っ端からカリキュラムに挙がっていました。

エネルギー効率に関する基礎的な理論、関連技術、安全保障、国際経済、社会工学、環境経済学、etc

こんなに無差別に勉強させてもらえるなんて、本当にいい時代だったな、と思います。


メルマガで取り上げた特許を、少し視点を変えて、ココでも取り上げます。

ENERGY SAVINGS AGGREGATION

日本語訳はイマイチですし、わざとわかりにくく訳す企業もありますので、発明を志し「創造的になりたい」大学生なら、ぜひ原文で読みましょう。

ここに挙げられている思想は、「電力削減をとりまとめて、ビジネスにする」というものです。


発明塾として典型的な今後の「個人作業」の流れは、

目についたニュース
 ⇒ 更に詳しい情報を特許で
  ⇒ 関連出願を発明者や共同出願人から探る
   ⇒ 引用被引用で、業界構造を見る
    ⇒ 技術の流れと業界構造を把握
     ⇒ エッジ特許を再選定
      ⇒ 課題(T/O)を抽出

ですね。ここまでやってくれば、僕も「気持ちよく」議論が開始できます。

「個人の時間と、集まる時間の使い分け」



「調べるか、考えるかの意思決定」

は、発明塾式の

「2大ルール」

かもしれません。

サマースクール生の皆さんは、ぜひ当日これらをマスターし、

「創造的な議論をリードできる」

人になってほしいなと、思います。


では、当日までよろしく!


2015年7月12日日曜日

「数学が苦手な高校生が、数学を好きになった理由」~発明塾の原点をたどる

僕が「発明」や「創造性」という領域に取り組むことになった直接のきっかけは、以前もどこかでお話したように、前職を退任する際の挨拶回りで、

「今度、知財の仕事をされるんですよね。だったら、昔の部下がちょうど知財と発明創出の仕事をやってまして・・・」


と、ある投資家の方に掛けていただいた「一言」でした。



紆余曲折はあるものの、経営者である以上、


「期限までに投資家に約束した結果が出なければ、責任をとって一度辞めるべき」


という、今から考えれば当たり前のことを、30そこそこで経験出来たことと、そこからの再出発のチャンスを頂いたことは、いずれも貴重な財産となりました。

現職での道のりも平坦ではなく、リーマン・ショック後に、特許調査/分析からの撤退を即断し、知財/発明教育の事業を軸に据えて再出発(※)。

「その投資家の方の一言」がなければ、現在の事業は存在しなかったでしょう。


数百の発明を、数日から数ヶ月という短期間で創出するためには、それなりの方法論が必要で、過去の知識/経験や思いつきに頼ることは出来ない。


「もっと効率よくアイデアを生み出せないのか」

アイデアを生み出す方法を開発するところから、始まりました。


大学生に発明なんかできるの?

と、よく言われました。

「できます」

と自信を持って言えるのは、何故か。


「高校の数学教育が、”発明教育”と、仕掛けとして同じ」

だからです。



過去にも、数学に関する話題を幾つか取り上げているので、


「楠浦さんは数学が得意で、その手法が発明にも使えるんだな」


と思った方、答えはNoです。


「中学の数学の成績は、常に赤点ギリギリか、赤点。3年間下がりっぱなし。」


これが実態です。当然、科目として好きなはずもなく、それがまた成績が下る原因となる・・・という絵に書いたような悪循環。



最後まで残った苦手科目「歴史」も
この本で完全に解消されました。
偶然でしょうが、この本を「大学在学中に読んでおくべき」と
推奨いただいたのは、工業数学担当の教授でした。
工業数学の単位は落としましたが、元はとった気がします。


これが変わったのが、高校時代の数学。


成績は「良い」とは言えないまでも、好きな科目となり、現在でも数学書をたまに読むぐらいになっています。



では、高校の数学は、何が違うのか。何が面白いのか。


「多様な解法を探求しながら、多面的に学ぶ」

「解き方を覚えるのではなく、常に新しい解き方を考える」

そんな科目だったから、ということに尽きます。


「終わりがなくなっている」(覚えてハイ終わり、ではない)

ことの、面白さでしょうか。

もちろん、中学と高校で厳密に分けられるものでもなく、例えば中学の数学でも、「代数」に比べると「幾何」は、かなりこの要素を含んでいたと思います。



「もっと他の方法で、解けるんじゃないかな」


という問いを常に立てることを、教わったのが「高校の数学」でした。


「解けるか解けないか、ではなく、もっと良い解き方はないか、を考える」


ここに、「知財と発明」の原点があります。


高校数学で学びの基礎ができていれば、発明にも「楽しんで」取り組んでくれるはず、その予想は、ピタリとアタリました。


これって数学だけ?

たぶん、「高校のすべての科目」で、上記の要素が増すのだと僕は考えています。


例えば、英語。


「おー久しぶり、元気?」


たったこれだけの内容も、想定する状況しだいで、英語としての表現が変わります。


英語について、


「論理性と、表現の多様性」


を意識して学べるようになったのは、「駿台予備校」の講師の方々のお陰です。

特に英作文の授業では、徹底的に

「別解」


と追求するように、指導頂きました。


「1問から、どれだけ学べるか」


のほうが、


「たくさんの問題に取り組むよりも、実は効率が良い」


ということも、教えていただきました。



こういうことを、高校/予備校時代に学べたことは、今の僕の「発明・知財教育」に、非常に大きな影響を与えています。


「立命館高校」の先生方

「甲斐塾」塾長と講師の方々、および同期生も含めた生徒、教え子や後輩の皆さん
「駿台予備校京都校」の講師の方々
「発明塾」の塾生さんと、継続的に支援をいただいている企業/個人の方々

との出会いと、そこでの学びを、


「完成度の高い、発明・知財教育教材として形にしていく」


ことが、僕の当面の「発明」のテーマになりそうです。




※ どんな小さな事業でも、やはり撤退するにはそれなりの時間と労力がかかる。

   頭でわかっていても、実際やると「あぁ、だからズルズルと続けてしまうのだな」ということがわかった、貴重な体験でした。
   同時に、「辞める/止める」ことを、始める時から織り込んでおかなければいけない、ということも強く感じました。


2015年7月11日土曜日

もっと創造的な「チーム」を作るには~発明塾第304回開催報告

報告が遅れましたが、第304回の内容を振り返っておきましょう。


今回は、発明塾初期の頃から行っている、

「各自が、どういう創造能力を持つのか」

という点に関して、簡単な課題/討議を行いました。


これも、発明塾で多くの学生さんに参加してもらう中で、僕の中に新しく作られた視点のひとつです。

それぞれが異なる能力を持つ前提で、自分にあった「創造性」発揮の手法を、身につける。

これが、

「発明塾式」

です。

第2章に「創造的音楽教育」とあります。
ヤマハ音楽教室で、川上氏が目指したものが何か、
よく伝わってきます


「XXXX法」

のような、キャッチーな名前のついた発想法ではなく、そういった種々雑多な方法(失礼!)を

「自分のルーチン」

に落としこむために、日々、どのようなトレーニングを行い、誰とどういう議論をすべきか。

それこそが、発明塾で学べることです。


以前、一緒に発明活動を行っていた、NASDAQに上場した半導体ベンチャーの社長からは、

「クスウラがやってるのは、起業家/企業家教育なんだろ?」
(You mean its a entrepreneur-ship training?)

と言われたことを、いつも思い出します。


自分のアイデアを、実行可能で、ファンドから投資が得られるロジックに作りこんで、提案書として仕上げる。

これを、発明を変え、何度も行う。


彼からすれば、

「発明というよりは、企画提案のトレーニングだよな」

ということのようです。


もう一つは、その作業を複数のメンバーで行うことで、

「良い仲間」

が出来、

「良い仲間との付き合い方」

が、身につくことです。

これが、一番大きいかもしれません。

一生の財産となるでしょう。


発明法、発想法、知財戦略の考え方、特許情報分析・・・すべては、

「創造的なチームを作り上げ、世界を変える、最高の成果を出すため」

です。


発明塾では引き続き、「創造的なチームを、いかにして作るか」を、科学します。

今後も宜しく。






2015年6月20日土曜日

「チームからアイデアを引き出そう!~クリエイティブ・ファシリテーター育成講座」 (発明塾サマースクール2015)告知開始!

告知開始しました!→こちら


発明塾活動開始から5年。

活動開始時に宣言していた通り、には少し遅れていますが、着実に


「教育機関」

としての体制を、整えることができています。

皆様のご支援、ご指導に感謝いたします。


今後も、

「有言実行」

を肝に銘じて。


楠浦 拝