いくつかトピックがありますが、6年間
「発明」
「技術情報分析(特に特許情報分析)」
を積み重ねてきました。以前、何名かの”サポーター”の方からご指摘いただきましたが、おかげさまで、
「やりつくした」
感もありますので、今後は、
「投資」
「経営分析(財務分析を含む)」
の割合を増やしたいと考えています。
「本当にやりたかったこと」(そして、これまでの経験が生かせること)
は、むしろこちらの方ですので、
「長かったが、いよいよ準備が整ったな」
という気がしています。
「起業するメンバー」
「自力で研究テーマを立案したいメンバー(公的機関の研究職を含む)」
が
「大きな成果に結びつくテーマ/アイデアかどうか」
「ヒト・モノ・カネ が集まるテーマか」
を検討するにあたり、
「投資家目線(投資家の、投資するロジック)」
「経営者目線(経営者が、リスクをとるロジック)」
を理解することが、
「遠回りのようで、結局、最短距離」
だからです。
また、特に「起業するメンバー」にとって、発明/アイデア創出の初期から、
「理解ある投資家候補」
「理解ある経営者候補」
と、
「創造的な議論」
を、じっくりと積み重ねることが、これまた
「最短距離」
だと、経験上”痛感”しているからです。
といっても、僕にとって、何か特別なことをするわけでもなければ、塾としても、まったく土地勘がない話をするわけでもありません。
「誰もが、何かを成し遂げたい場合、いずれ通過すること」
を、
「少し前倒しで」
やるだけです。
上記に関連して、以前のBlogで告知した「ダナハー」の資料を、簡単に紹介しておきます。
キーワードは、これまた発明塾定番の
「カミソリBiz」
です。
「Critical になるには、Creative でなければならない」~第320/321/322回報告
で取り上げたのも、「カミソリ」でした。
● 「カミソリか、否か」で事業を分けた?~ダナハー
ダナハーは、「知る人ぞ知る」企業かもしれません。直近では、
「Pall」
のM&Aがありましたので、フィルター関係の業界の方には、おなじみの会社でしょうか。
上記、Pall の M&A と時期を同じくして、2つの企業に分かれることを、発表しました。
直近のIR資料からの抜粋を、以下に示しておきます。
(Danaher June 2, 2016 Presentation 資料より)
Spin-Off した「産業計測」事業群は、「フォーティブ」として上場しています。「デジタル化」が進む領域であり、よりスピード感のある経営と投資が求められるから、ということでしょう。
以前紹介した、GE や Honeywell の話と、オーバーラップします。
(Danaher June 2, 2016 Presentation 資料より)
他方、「ダナハー」としては、医療・ライフサイエンス・水質計測・フィルターなどの事業群を抱えています。資料では、
「環境・ヘルスケア・食品安全」
と、まとめられています。
「分けた基準は何かな?」(投資家目線では、ここが一番気になりますね)
と見てみると・・・
(Danaher June 2, 2016 Presentation 資料より)
「繰り返し、繰り返し」
の
「消耗品Biz」
かどうか、というところのようです。
「カミソリBiz」(Razor/Razorable)
ということですね。
「経営者と投資家」
の対話から、それぞれの目線を盗み、よい発明と事業の創出に役立てる、そんな活動を、今後、より積極的に進めていきます。
楠浦 拝