「発明塾®」へようこそ!: ダナハーに学ぶ「カミソリBiz」モデル~繰り返し、繰り返し、繰り返し・・・

2016年8月18日木曜日

ダナハーに学ぶ「カミソリBiz」モデル~繰り返し、繰り返し、繰り返し・・・

今週の発明塾は、本日開催予定ですね。

いくつかトピックがありますが、6年間

「発明」
「技術情報分析(特に特許情報分析)」

を積み重ねてきました。以前、何名かの”サポーター”の方からご指摘いただきましたが、おかげさまで、

「やりつくした」

感もありますので、今後は、

「投資」
「経営分析(財務分析を含む)」

の割合を増やしたいと考えています。

「本当にやりたかったこと」(そして、これまでの経験が生かせること)

は、むしろこちらの方ですので、

「長かったが、いよいよ準備が整ったな」

という気がしています。


「起業するメンバー」
「自力で研究テーマを立案したいメンバー(公的機関の研究職を含む)」



「大きな成果に結びつくテーマ/アイデアかどうか」
「ヒト・モノ・カネ が集まるテーマか」

を検討するにあたり、

「投資家目線(投資家の、投資するロジック)」
「経営者目線(経営者が、リスクをとるロジック)」

を理解することが、

「遠回りのようで、結局、最短距離」

だからです。


また、特に「起業するメンバー」にとって、発明/アイデア創出の初期から、

「理解ある投資家候補」
「理解ある経営者候補」

と、

「創造的な議論」

を、じっくりと積み重ねることが、これまた

「最短距離」

だと、経験上”痛感”しているからです。


といっても、僕にとって、何か特別なことをするわけでもなければ、塾としても、まったく土地勘がない話をするわけでもありません。

「誰もが、何かを成し遂げたい場合、いずれ通過すること」

を、

「少し前倒しで」

やるだけです。



上記に関連して、以前のBlogで告知した「ダナハー」の資料を、簡単に紹介しておきます。

キーワードは、これまた発明塾定番の

「カミソリBiz」

です。


「Critical になるには、Creative でなければならない」~第320/321/322回報告

で取り上げたのも、「カミソリ」でした。




● 「カミソリか、否か」で事業を分けた?~ダナハー

ダナハーは、「知る人ぞ知る」企業かもしれません。直近では、

Pall

のM&Aがありましたので、フィルター関係の業界の方には、おなじみの会社でしょうか。

上記、Pall の M&A と時期を同じくして、2つの企業に分かれることを、発表しました。

直近のIR資料からの抜粋を、以下に示しておきます。


(Danaher June 2, 2016 Presentation 資料より)


Spin-Off した「産業計測」事業群は、「フォーティブ」として上場しています。「デジタル化」が進む領域であり、よりスピード感のある経営と投資が求められるから、ということでしょう。

以前紹介した、GE や Honeywell の話と、オーバーラップします。



(Danaher June 2, 2016 Presentation 資料より)


他方、「ダナハー」としては、医療・ライフサイエンス・水質計測・フィルターなどの事業群を抱えています。資料では、

「環境・ヘルスケア・食品安全」

と、まとめられています。

「分けた基準は何かな?」(投資家目線では、ここが一番気になりますね)

と見てみると・・・



(Danaher June 2, 2016 Presentation 資料より)


「繰り返し、繰り返し」



「消耗品Biz」

かどうか、というところのようです。

「カミソリBiz」(Razor/Razorable)

ということですね。


「経営者と投資家」

の対話から、それぞれの目線を盗み、よい発明と事業の創出に役立てる、そんな活動を、今後、より積極的に進めていきます。



楠浦 拝