「発明塾®」へようこそ!: 数字から「仮説」を立てる~IR資料「読み方」の基礎/第343回

2016年8月26日金曜日

数字から「仮説」を立てる~IR資料「読み方」の基礎/第343回

第343回は、持ち込みの発明討議を1件と、投資先選定の討議を1件行いました。



● 「先行技術検索」が、すべて

ベテラン塾生やOBOGは、

「耳タコ」

だと思いますが、

「先行技術との差分を、発明と捉え、強化し、再度、先行技術を調べる」
突破 と 発明の本質把握

を、愚直に繰り返しせば、

「かなり効率的に」

アイデアが、提案できるレベルの発明になります。

ここで

仮説検索

を駆使することになります。

テクニックや基本的な考え方の習得は、それぞれのリンク先でしっかり訓練を。



● 「数字」から「仮説」が立つか

今回読んだ Resmed は、「睡眠」「呼吸」をキーワードに、急成長中の企業です。

まず、基本的な数字を確認しながら、IR資料を読むための「仮説」を立てます。


正確には、

「数字の分析」

から、

「IRを読む際の、KSQ」
(こうなってるんじゃないかと思うけど、それってどこに書いてあるかな?)

を立て、

「KSQに従って、IR資料を読み解き、また、確認する」

になります。

価格下落の原因は・・・?


モーニングスターで10年の数字をどう読むか、PER、PBR、PSR etcをどう使い分けるか、投資家がどう見ているかを「どう読むか」、過去推移や同業との比較など、基礎的な

「数字の見方」

について、

「実際に、楠浦がどう読んでいるか」

解説しながら、読んでいきました。


例えば、

「財務レバレッジ」

の変化が何を意味するか。


ROEは、財務レバレッジに左右される指標ですので、経営指標として読む際には、

「その裏」

を見ながら、読む必要があります。


今回は、

「ほぼ全額借り入れ」

で、

「ソフトウェア企業」

を買収したであろうことが、数字だけからわかる、ことを示しました。
(事実そうでした)

まず、

「こういう数字であるということは、こういう経営の実態なのではないか」

という仮説を立てないと、短時間で多くの企業について、投資対象として適切かどうかスクリーニングすることは不可能です。


つまり、

「数字(通知簿)」

から、

「経営のシナリオ」

を読むわけです。
(過去はもちろん、「未来」も*)


PL、BS、CFの相関や、各指標の相関はもちろんですが、

「どういう経営上の施策を打つと、どの数字がどう変わるか」

を、

「実際に経営しているつもりで」

シミュレーションしながら、見ていきましょう。


そのうち

「経営したくなる」

でしょう(笑


数字の見方について、僕は20代に学んだつもりでしたが、

「こういう数字の企業って、たぶんこうなってるんだよな」

のような実感としてわかるようになったのは、30代に入ってからでした。


まぁしかし、それでは遅い気がしました。


20代でチャンスを掴みたい、という塾生・OBOGは、今回の

「結果を出しながら腕を磨く」

機会を、うまく活用してください。



楠浦 拝


* 「未来」は意外に重要で、「数字がこうなったらダメ」「今はダメだけど、数字がこうなったら、投資適格」のように、「事前に基準を決めておく」ことで、「素早い投資意思決定」が可能になります。数字(決算報告書)が出てから、読んであれこれ考えていては、間に合わないことが多いので。