本日の、京都大学工学部機械系主催の「OBと学生の交流会」に参加した塾生は、お疲れ様でした。久しぶりの塾生、卒業生と少なからず話ができたので、非常に有意義な場でした。その場で話した「なぜクアルコムはシャープに出資するのか」「インテルはどうするのか」ということについては、ぜひ各自で考えてみてください。普段発明塾で教えている、小川先生の理論、丸島先生の教えを踏まえれば、各自なりの答えは出ると思います。
このように「なぜそうなっているのか」「この場合自分ならどうするのか」ということを、常に考えることが重要です。仮説が出たら、ぜひ検証してみましょう。
さて、今回は2007年2月の日記から抜粋とします。今後もたまには、時事ネタではない、普遍的なテーマを取り上げるようにします。
「現在の地位を日本にもたらした原動力は、外国の方法を自分のものにする能力にあるだけでなく、外国の文明や教えを同化させる日本の内的な再生産能力にあるという点だ。民族にしても、個人にしても、外からの知識の蓄積ではなく、内にある自己の実現があって初めて真の進歩があるのである。」
-岡倉天心「日本の目覚め」より
「日本の目覚め」と「東洋の理想」
僕はここで岡倉天心が「内的な再生産能力」と呼んでいるものについて、2007年以来ずっと考えてきました(注)。結局、経営をするにせよ教育をするにせよ、誰かに何かを「教え」なきゃいけないわけですが、どういう条件において、何が可能なのか、ということが知りたかったわけです。
結論から言うと、発明塾での取り組みを通じて、大体わかりました。経験上「相手の質問の仕方から、回答が理解できるかどうかが判る」ことは分かっていたのですが、その裏付けが、この岡倉天心の本と、注)に挙げた本で取れました。
「内的な再生産能力」そして「内にある自己の実現」
この一言の意味がわかるのに、5年の歳月を費やしたわけですが、意味がわかった嬉しさと同時に同時に、「記憶しておく」もしくは「記録しておく」ことの重要性を痛感しました。
詳しくは、塾でやりましょう。
※ 注)その延長線上の本として「 『経験知』を伝える技術 ディープスマートの本質 」がある。