「発明塾®」へようこそ!: 「自動車」から「人工心臓」まで~「機械工学」は人類の未来にどう貢献できるか/元エンジン屋の独り言(発明塾第391回)

2017年7月22日土曜日

「自動車」から「人工心臓」まで~「機械工学」は人類の未来にどう貢献できるか/元エンジン屋の独り言(発明塾第391回)

今回も、発明提案書の仕上げ作業を行いました。

発明塾は、あくまでも

「塾」
(僕の「塾講師」経験が、原点となり発展している場です)

なので、

「発明を創出し、完成させたい」

人に応じて、指導をしています。


今回は

「個人指導塾」

のような形式になりました。


京都でリアル開催していた時は、同様の作業を、会場下の茶店(カフェ)で、僕は仕事、皆さんは提案書を書きながら、時折

「これ、ちょっと見てもらえます」

とかなんとか、やり取りしながら進めていました。


今は昔、懐かしいですね。


ちょうど先日、京都大学機械工学系の先生よりご連絡をいただき、毎年開催の

「ものつくり」

に関する講義の日程が決まりました。


内容を考えるために、過去の記事を振り返っていて、感じたことを書いておきます。
(塾生さん/過去の受講生の方、参考にしてね)






● 機械工学は、自動車と共に発展してきた ~ では、これからは?

僕は、そう思っています。先輩、友人、知人にも、自動車業界関係者が圧倒的に多いですし、僕が学んだ当時の講義内容、および、研究室の研究テーマも、自動車関係が圧倒的に多かったです。

たとえば、

「数値流体力学」

は、それこそ、自動車の空力/エンジンの燃焼解析とは切り離せない分野でした。
(1‐2回生のころから、奇特な先輩に夜な夜な研究室に連れていっていただき、いろいろなことを教えていただきました・・・なぜか皆さん、夜に研究されるんですよね・・・僕もそうでしたけど・・・)


ですが、僕がいつも講義で話すのは、


「機械工学は、人類の明るい未来に、どう貢献するのか。そこで君は、どう貢献したいのか。」

という話です。

AI、低侵襲医療、精密農業、再生可能エネルギー、空間の有効利用、途上国の水問題をIoTで解決する、VRで精神疾患を治療する、電気刺激で痛みを抑える、太陽光発電とファイナンスの仕組みで世界の隅々まで「電気のある生活」をいきわたらせる・・・何でもよいと思います。


何か


「自分なりのシナリオ」

を見つけ取り組んで欲しいですね。



● 「ホンダ」が新エンジンを発表「しない」時代 ~ 偶然か否か

詳しくは以下に譲りますが、2012年の10月、京都大学機械系での会合で話した時から、こういう日が来るんだろうなと感じていました。

塾長の部屋(19)~機械工学の未来と知財


ニュースによれば、

2017年6月に栃木で開催した報道関係者向けのイベント「Honda Meeting 2017」において、エンジンの新技術の発表がなかった

そうです。
(例年は、あるらしいです)


たまたま、かもしれません。


しかし、僕が

「エンジン屋」

だったころは、ホンダに限らず、常にどこかのメーカーがエンジンに新しい技術や材料を取り込み、それが業界のニュースになり、開発者も競合機種を

「ティアダウン」
(分解して、材料や製造法、コストや製造元などを、隅々まで分析すること。信じない人も多いと思いますが、部品の製造元を推定し、裏取りして確認するところまでやります。分析とはそういうもんです。)

して、いろいろ学ぶ・・・そんな日々でした。
(僕が「エンジン分解」「携帯電話分解」など、分解モノの講義が好きなのは、設計者だったことの名残です)


ホンダの V-TEC、三菱の GDI、マツダの ミラーサイクル、ヤマハの T/M3軸トライアングル配置 など華々しいものはもちろんですが、僕が感心したのは

「トヨタの初代ヴィッツ」

が出た時です。トヨタの技報に出た断面図と解説を読んで

「よー出来とるなー、さすがトヨタさん」

しか言葉が出なかった記憶があります。いい小型車を作ろう、そのためにエンジンはこうあるべき、という設計者の熱意が伝わってくるエンジンでした。


今は昔、なのか、僕が現場にいないだけか・・・。



● 今年、(たぶん)お伝えすること

まだ、決まってません(笑

縛られるのも嫌なので、書くかどうか迷いましたが、過去を振り返りつつ、現時点の考えを書き出すことにしました。
(ですので、講義コンセプト作りを、いま、行っている状態になります)

まず、振り返りましょう


「出図」をめぐる思い出~「設計」という仕事/京都大学講義「ものつくり講義2016」
昨年は、設計の話、発明の話、投資家視点で世界を見る話、最先端の技術動向など、盛りだくさんでした。レポートも読ませていただきました。


「モーターショー」が再び熱くなるとは~第309/310回報告、京都大学講義報告他
2015年は、キャリアの話を軸にしました。この年は、非常に多忙な年で、レポートを読ませていただくことが出来ませんでした。非常に後悔したことを覚えています。


「難しい問題に取り組むことを、恐れるな」~京都大学「ものつくりセミナ2014」のレポートから
2014年は、発明がテーマでした。発明塾の話が少し多かったため、「もっと、キャリアの話が聴きたかった」という意見がアンケートに多くあり、次年度に反映しました。


京都大学「ものつくりセミナ」(2013年)レポートを読んで~何のための「機械工学」

25-65という人生の黄金期の、平日の8時-17時という最もいい時間を費やす以上、「仕事」で成果を出すかどうか、そこでいかに「よい目標を立て、達成するか」「成長できるか」で人生は決まる

というメッセージについての言及が多かったのが、2013年のレポートの特徴でした。


京都大学「ものつくり演習」講義レポートを読んで~在るために働く(B価値)

2013年は、発明を考えてもらったりしました。
少なからぬ学生が「人と違うことを考える、する、ことの重要性」に気づいてくれたようで、

「これまで、周りの人と同様にやっていれば大丈夫と思っていた自分には、とても衝撃的な授業でした」
「同じ事を、繰り返しうまくやることを目指してきた自分にとって、不安ではあるが受け入れざるをえない現実と感じた」

のような感想を寄せてくれたのが印象的でした。






キャリアの話、発明の話、時には発明をしてもらったり、最先端技術動向に触れたりと、僕の講義には、あまり一貫性がないみたいですね(笑


話している僕が飽きてしまうと、まったく

「オモロない」

話になるので、毎年、内容はゼロから作ることにしています。



あと、いつ終わりになるかわからないので、毎回

「”これで最後” になってもOK」

と思えるような内容にしているつもりです。



しかし、毎年入れているメッセージがいくつかあります。

25-65という人生の黄金期の、平日の8時-17時という最もいい時間を費やす以上、「仕事」で成果を出すかどうか、そこでいかに「よい目標を立て、達成するか」「成長できるか」で人生は決まる

今年もお楽しみに。




楠浦 拝




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