東京常連組は、毎回各自のアイデアを発表してもらい、ある程度時間をかけて討議するスタイルに落ち着いています(人数も3-4名なので)。
とはいえ、30分-1時間程度で討議できる内容は知れているので、どうしても持ち帰りの内容が多くなります。アイデア発表→軽く討議→ポイントを抽出→持ち帰ってなにをすべきかの講義、という感じですね。
今回は、各自のアイデアの「本質」を考える、というところに注目しました。いつも言っていることですが、発明を詰めていく作業の中で、この「本質がなにか」というところをしっかり考えることが、一番重要なことです。これがすべての議論の土台になります。この本質の部分を、強化し最適化する作業が「発明を詰める」ということになります(もちろん実現可能性の証明も)。
ここで、本質を考えるためにまず第一にすべきことは「先行技術を徹底的に調べて、一番近い技術を探し出し、その差分を考える」ことです。これは、その発明を特許化すると考えたときに、その「進歩性」を主張する、という作業になります。自分が先人の功績に新しく付け足した部分、それが「世間から見た」自分のアイデアの「本質」です。
また、先行技術を見つけると、自分のアイデアと殆ど変わらないんじゃないかな、という場合もあります。しかし、それが実現されていない場合には、実現されていない「技術的理由」が必ずあるはずです。正確に言うと、その理由を、技術的に解決することができるはずです(たとえコストの問題であったとしても、それは技術的に解決できるはずです=構造の簡略化、加工方法の改善など)。そこが「本当の課題」であり、解決出来れば「本質」になる部分です。
土曜日の初級クラスで、一人の塾生さんがいいことを言ってくれました。
「本質、もしくは本質になりうる技術的解決策を探すってことですよね」
そのとおりです。
・先行技術との差分を切り出し、抽象化⇔具体化し、発展させる。そして最適化する。
「要するに何?」
・先行技術が実現されていない理由を深堀し、解決策を考える(調べる:ここで異分野技術が効いてくる)。
「なんでやってないの?」