GWに読んだ数十冊の本の中で、マニアックすぎず、普段お付き合いがある方と共有しておきたいものを一つ挙げておきます。
(教育学、哲学、医学生物学の本などは、現時点で、私の周りで話題として一緒に盛り上がれそうな方があまり居ないので・・・)
その本は、
「経営戦略としての知財」(久慈)
です。
念の為、知財業界以外の方のために、紹介をさせていただくと、久慈さんは
の理事をされており、ホンダで知財部長をされていました。
私が知財業界の人かどうかは微妙なところ(笑)ですが、最近は、知財業界以外の人にも読んでいただきたい&読んで面白い、知財の本が増えてきました。
関連する仕事をやっている身としては、嬉しいことです。
AIやオープンイノベーションなど、最新のトピックについても
切れ味良く答えておられ、わかりやすくて、読んでいて気持ちが良い本です。
余り書くとネタバレになりますので、細かいことは書きませんが、僕が気になったところをいくつかあげておきます。
①戦うべきゲームは何か?
本書の、第三章に
日本企業が、類似の研究開発を行っていることは、ゲームを「協調的にすべし」ということを示している、せせこましい改良特許の先取り争いなんぞを、一生懸命やっている場合ではない
というようなことが書かれています。
(これは、私の理解です)
戦略と戦術の話ですね。
②著作権と意匠権、どちらが有望か
これは第五章です。
著作権の本質について、よく考えさせられました。
これに商標も絡めると、非常に面白いことになります。
弊社のメインフィールドの一つはこの辺ですので、とても参考になりました。
久慈さん、ありがとうございました。
③共通基盤技術と大学の役割
第四章です。これも、誤解を恐れずに言うと
共通基盤技術については、大学で積極的に開発して知財化し、広くライセンスしてくれる方が、「せせこましい争い」で戦力を浪費して消耗することがなくなるので、国益にも叶うし、日本企業すべてが助かる
という感じのことが書かれています。
(私の理解です)
そうだな、と思いました。
④IPランドスケープを含む、情報分析の重要性
これは、業界の人には今さら感ある話かもしれませんが、久慈さんは
いまみんなが作って騒いでるのは、ランドスケープとは呼べねーよ!
とおっしゃっていると、私は理解しました。
(私の理解です)
気になる方は、ぜひ、お読みください。
(ジャパネット楠浦より)
その他、読みながら考えたことを、つらつらと。
最近、僕が知財のお話をする際、
「知財活動は、資産を作ること」」
だというお話をする機会が増えてきました。
「企業価値を、飛躍的に向上させる財産をどう作り出すか」
と考えた場合、
「知財」
は、経営資源の投資先として、非常に魅力的だと感じておられる経営者が、確実に増えています。
(少なくとも、私と話すと/話している間は、そう感じていただけるようです)
IT抜きで仕事ができる業種職種はもはや存在しないこと、および、意匠、商標、また、著作権まで視野に入れて考える必然性がどんどん増してきたこと、を考慮すると、すべての経営者の方、まぁ、課長さん以上ぐらいの方には、必読の本だと思いました。
読まれた方、お会いした際にぜひ、感想などお聞かせくださいませ。
楠浦 拝
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