参加メンバーの都合で、発明塾/投資部を連続で開催したため、報告もまとめて、にて失礼します。
投資部の方では、
「歯科分野」
の急成長企業について討議しました。データ/AIの活用などで、今後も大きな変化が訪れる分野だと、予想しました。
今後も、急成長分野、および、急成長企業がフォーカスしている
「課題」
について、討議を行っていきましょう。
発明塾の討議では、今回特に、僕の口癖である
「原理原則(Principle)」
が問われたのではないでしょうか。
原理原則に立ち返らないと、どうしても、
・小手先の発明
・成り立たない発明
のいずれかに陥ってしまう可能性が高いように感じます。
高校時代から、何かを理解する際に、字面を丸暗記するのではなく原理原則に立ち返って理解することは意識していましたが、特にそれが問われ、また成果につながったのは、前職のナノテクStart-Up時代に行った、多数の
「産学連携」
「アライアンス」
「共同研究」
でした。当時、人もカネも時間もない中で成果を出すため、
「70を超える、公的機関・大学など」
と、共同研究を行っていました。
Start-Upだけでなく
・新規分野に進出しようとする大企業
・研究開発や新製品開発の人的資源(ヒト)が不足しがちな中小企業/中堅企業
にとっても、産学連携・アライアンス・共同研究は欠かせない選択肢(オプション)だと認識され、活用されていると思います。
産学連携・アライアンス・共同研究では、知財の取り扱いやサンプル提供など
「契約」
の話が注目されがちで、僕も、その経験を e発明塾 にまとめています。
e発明塾「アライアンスと知的財産」
一部の事例は、その後、より新しいものに差し替えていますが、今でも、半数以上の事例が、前職Start-Up時代の事例です。契約上は多数の失敗がありましたが、研究・開発の成果としては、多くの方々の協力のおかげで、素晴らしいものが多数ありました。
お詫びもかねて白状しておくと、契約のいくつかにおいて、かなり致命的なミスがあり、一部の共同研究先には、多大なご迷惑をおかけしました。
言い訳になりますが、それまで、契約書らしい契約書に目を通したこともない状態でしたので、やむを得なかったのかもしれません。
「産学連携・アライアンス・共同研究についての契約」
「知財に関する契約」
についての知識の重要性を、痛感した時期でした。
(画像をクリックすると Amazon.co.jp のサイトへ移動します)
Amazonのプログラムを利用して画像を引用することにしました。
「若い技術者は、解析的に解ける問題を解きたがる傾向にある」と
書かれています。僕は、「解析的に解けるようにする」までの作業が
「技術屋」の仕事だと考えています。解析的に解けるなら、あとは
機械がやってくれます。
● 「原理原則」で、一つ一つ解きほぐし、共同研究へ持ち込む
新しい分野に取り組んでいると、次々に生じる問題について、
「適切な解決策、あるいは、それにつながる知識を持つ人」
は、いないように思えます。例えば、僕の場合
「ナノ金型の疲労強度」
が知りたかったのですが、そのまま検索しても、近い研究をやっている人はいませんでした。
よく考えればあたりまえで、
「課題の存在自体が新しい」
ので、誰かが取り組んでいるはずがないのです。
結局、上記の例の場合、僕は
「解けないと思われる問題」
を
「解ける問題にする」
ために、問題をさらに細かく分解し、あるいは、その問題にかかわっているであろう
「サイエンス」
「原理原則」
に遡り、専門家を特定し、話を聴きに行き、サンプルを提供し、知見をもらう、ということを、地道に繰り返しました。
「ナノ金型」は、「薄膜」にヒントがありそうでした。
また、疲労強度、あるいは、そもそも、加わっている応力の推定には、「トライボロジー」がかかわっていると考えました。
他にも、問題に関わっているであろうサイエンス、あるいは、問題を解くカギになりそうな要素技術を列挙し、片っ端から専門家をリストアップしました。
関係する機関や組織が
「70を超える」
ことになったのは、
「解けないように思える問題」
を
「解ける問題に分解する」
作業の結果だったのです。
(関係構築と維持は、大変でしたが・・・)
発明塾生の大半は、
「それって、発明と同じですよね」
と、気づくでしょう。
いずれも、根気のいる地道な作業の積み重ねです。
華々しいことは、何もありません。
その地味さに、耐えられるかどうか、だけの話です。
次回討議もよろしく。
楠浦 拝
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