また、開催に向け告知・ご案内などでご協力を賜りました皆様、篤く御礼申しあげます。 ご都合がつかず、お申込みいただけなかった方、次回、あるいは、弊社の他のセミナーにて、お待ちしております。
12月15日 「制約思考」セミナー
1月18日 「未来創造設計書」セミナー
ご質問やご感想を頂いた部分を含め、内容の振り返り、また、補足をさせていただきます。
● どの出願に注目して作業を開始するか~「核となる技術思想」を見出すために
今回は、「数百件」の特許から、
「核となる技術思想」
をどのように見出したか、情報分析の過程と、特に重視した特許の一部について
「技術思想を把握する」
作業を紹介し、また、追体験いただけるような演習を入れました。
また、注目すべき出願を選び出すための手法について、一部
e発明塾「特許情報分析」
の抜粋も提示しながら、
「弊社で独自に開発した手法」
「今回用いた、審査経過や分割出願の経緯を用いた手法」
など、いくつか、試していただきたい手法を紹介いたしました。
特許情報分析の基本的な「型」や、注目すべき出願の選定法の基本的な考え方については、
e発明塾「特許情報分析」
を参照ください。演習課題に沿って受講を進めていただければ、一通りの手法と考え方が身につくように、設計された講座です。
僕の数学についての知識の範疇を超えていますが、たまに読み返すと
「ああ、高校の時の”塾”の数学の授業は、これがネタだったんだな」
という気付きがあります。
僕はこういう「元ネタ」探し/推論が好きです。
数学は、背景にある物理や経済などの事象を
理解することも含め、一つの問題を長く楽しめる点で好きです。
ただ、周りの同級生と比較すると、決して得意だったとは言えません。
(ので、数学のネタ/話題は振らないでください)
● 請求項に表現されている技術的思想と「実体」は?~難解なパラメータ特許を読み解く
あくまで結果論ですが、紹介した「突破」作業において、当時、発明塾で注目した特許の大半は、いわゆる「パラメータ特許」でした。物理/化学的な実体を、ある種の方程式(数学)を用い、概念に変換し、表現されていましたので、それらを
「逆に読み解く」
必要がありました。ここで重要なことは、
「どういう実体を、どこまで取りたいのか」
についての仮説と、
「そのために、どういう数学を用いているのか」
を仮説検証的に推定していくことです。
今回紹介した特許の一つは、
「溝幅ゼロの溝」
を取得する目的の特許であることが、そのパラメータの設計から、すぐにわかりました。
(明細書中の記載も、参考になりました)
また、別の特許では、数値の関係と
「円」
をもちいて概念を構成していたため、その背景に
「三角関数を用いているのでは?」
という仮説を立て、解いたところ、
「あっさり」
解けました。
(JP355096 です。興味ある方はぜひ、トライしてみて下さい。)
もっとも、実際に塾で議論した際、当初は全員
「????」
でした。沈思黙考すること数分後
「解けた!!!!」
となり、あわててホワイトボードでいろいろ図示し、周りの塾生さんに検証を求めたことを、今でも鮮明に思い出します。
まさに、ちょっとした数学の問題を解く感じでした。
(さほど高等な数学は使いませんので、これぐらいでよければ、とても楽しいです)
● 我々が学んだこと~「実体」、「技術思想」、そして「パラメータ化」
セミナー中、資料に書ききれなかった、様々な気づきを紹介させていただきました。
「拒絶理由への対処法」
「分割出願の利用法」
もさることながら、やはり、
「実体を、どう、思想化し、表現するか」
「思想を、どのような数学を用いて変換し、請求項として表現するか」
について、特に気づきが大きかった特許群です。
拒絶理由への対応など、一部内容は、以下
e発明塾「本質から学ぶ特許概論」
に、収録しています。ぜひこちらも、ご参照ください。
個人的には
「数学をどう使うか」
について、とても考えさせられました。
発明塾生の大半も、度々混乱していましたので、多くの発明者には
「一見では、理解不能(つまり、近寄らないようにしようと思わせるに十分)」
な出願/特許だったと思います。
同じように考えて出願すれば、
「多くの人は、近寄りたくない」
出願が出来上がる、と考えています。
(一部、弊社の出願でも、実践しています)
「巧妙を超えて、”狡猾”」
な出願/特許だなぁと、いつ読んでも感じます。
今回ご参加いただけなかった方、また次回、ぜひ討議させていただきたく、よろしくお願いいたします。
=======
入塾希望の方は、こちらを御覧ください。
「発明塾講義」配信希望の方は、こちらをご覧下さい。