発明塾では今後も、
「農林水畜産」
に注目し、様々な議論や調査分析を行う予定です。
以前、e発明塾通信で取り上げた キンバリークラーク社 のエッジ特許について、僕はその後も様々な観点から情報分析を継続しています。
ウェアーハウザー、インターナショナルペーパーなど、林業から製紙業まで、バリューチェーンで情報分析を繰り返すと、世の中の人が「なぜか」だれも触れない、とても意外なものが見えてきます。
「紙」「木材」は、かなり将来性がある事業領域のようですね。
関連出願の動向を見ると、興味深い出願を日本へ行っている企業もあり
「森林資源国としての日本」
「木材消費国としての日本」
の価値を、再認識しています。
「エッジ特許」
から見えてくるものは、実に深いものがあります。
事業会社の方にとっては、「事業機会」「提携先」「M&A先」であり、投資家にとっては投資先。発明家にとっては「発明すべき課題(頭脳を投資すべき領域)」を見出すため、と、目的は様々ですが、基本的な手法は同じです。
「公開情報」から、いかに「未だ誰も気づいていない視点」を引き出すか
これに尽きます。この考え方自体が、
「発明」
的な考え方です。
「探偵」
とおっしゃる方も、おられます。
「発明塾式」発想法には、
技術屋としての仕事術という点で、川崎重工での設計者としての経験、
および、「特許や情報を”読み解く”」という点で、英語科講師としての経験が
詰まっています。
技術屋としての仕事術という点で、川崎重工での設計者としての経験、
および、「特許や情報を”読み解く”」という点で、英語科講師としての経験が
詰まっています。
さて、今回、塾OBOGに贈りたい言葉は、
「XXさんがOKと言ったので・・・」という発想は止めよう
です。
発明塾京都第147回開催報告~「常に100%を目指せ」
で触れた内容ですし、度々
「自分の基準を持ちましょう」(そしてそれを、日々、上げましょう)
と言っているので、耳タコとは思いますが、再掲しておきます。
例えば、発明提案書を何度も何度も書き直していると、
「だんだん、自分でもなのがOKで、何がダメかわからなく」
なり、主体性を失い、
「楠浦さんがOKというならOKなんだろう」
「・・・さんがダメというから、とにかく修正する」
のような状態になりがちです。
ここで重要なことは、
「なぜダメなのか」
「なぜOKなのか」
を、徹底的に追及し、相手に食い下がって確認することです。
「XXさん的にOK」
ではなく、
「OK」
の基準を、自分の中に作り上げることです。
「XXさん」
が正しいことを、だれが保証するのか、という話です。
これが、
発明塾京都第147回開催報告~「常に100%を目指せ」
で取り上げた、
「前の図面が・・・・」
では通用しない、という話で、僕が伝えたかったことです。
「私/僕の仕事」
にできるかどうか、です。
川崎重工で僕が徹底的に叩き込まれたこの思想は、発明塾の手法の一つ、
「リバる」
に発展しています。
オートバイのエンジンを設計する際、参考(ベンチマーク)にする図面の大半は、
「すでに、設計におられない」
方が設計し、図面に落とし込まれたものです。
川崎重工のエンジンは、どれも、型式としての寿命が長いからです。
(大きなモデルチェンジが、長い間行われない、ということです。)
「なぜこの寸法(許容差)なのか」
直接聞けない場合、
「調べ倒して、リバる」
しか、ありません。
結局、「発明塾式発想法」の大半は、
「技術屋としての基礎体力」
みたいなものであり、
「僕の設計者/開発者/新規事業担当としての仕事術」
そのものです。
在塾生、つまり学生さんは、発明という
「一見キャッチーな題材」
をもとに、
「技術屋としての準備」
をしている、と思えばよいでしょう。卒業生は、これを痛感しているはずです。
しっかり準備をして、扉を開けられるよう。