最近は、再び塾生さんだけの討議の場も持ち、活発に討議が行われているようですので、その振り返りから入りました。
テーマはもちろん「マシンビジョン」ですが、よりわかりやすい題材として、
「アラウンドビュー」
技術を取り上げていたようです(僕は、題材選びと議論に関与せず)。
・日産自動車HP アラウンドビューモニター
2008年1月17日付の朝日新聞には、
「日産自動車が自動車技術の特許のライセンスを異業種に売り込んでいる。
建設機械メーカーなど複数の会社・団体と交渉中で、近く契約を結ぶ見通しだ。売り込み中の技術の一つは、自動車につけた四つのカメラの画像を合成して、自車を上から見下ろしたような映像を車内に表示できる「アラウンドビューモニター」。クレーンなどの大型の建機や潜水調査船、農業機械につければ、作業中の事故を防ぎやすくなるとみている。
ゼネコンの鹿島や独立行政法人海洋研究開発機構などが採用を検討している。」
とあり、自動車だけでなく、幅広い業界に波及する技術として、日産自動車自身も期待していることが、伺えます。
実際、日立建機が、建設機械に応用し、実用化しています。
・日産のアラウンドビューモニター、日立建機に技術供与
大型建設機械では、周囲確認が大変/かつ重要ですから、いい用途ですね。ちょうどこの時期、日産自動車がライセンス活動に熱心だったのは、業界では有名な話です。
専門の情報分析/セールス?部隊も組織し、活発に活動しておられました。
ある講義の際の板書
(今回の内容とは、一切関係ありません)
発明のツールは、「背理法」「帰納法」「MECE」など
アルキメデス/ピタゴラス/アリストテレス・・・
デカルトぐらいまでの手法で、ほぼ事足ります。
「XX思考」みたいな、流行に流されないように・・・・
「分析とは比較である」(デカルト)
さて、この技術をさらに用途拡大したい場合、
「アラウンドビュー」
の本質は何か、ということをよく考える必要があります。
「他にできないこと」
ですね。
議論の詳細は割愛します(今後「発明塾講義(無料)」で配信予定)が、振り返り討議の結論として、この技術を
「ナビゲーションが、自車のカメラだけで、自己完結的に処理できること」
と表現することにしました。表現方法は無限にあるので、どの程度の概念のサイズにするかは、その後どういう議論をしたいかで変わります。
もう一問、頭の体操として、
「DMMのロボットビジネス"DMM.make ROBOTS"の本質は何か」
を、討議しました。先行するビジネスの本質が見えれば、攻め方/仕掛け方が見えてきます。
・DMMがロボット関連事業に参入--“キャリア”となり、2017年「売上100億円」めざす
記事を見ると、
「ロボット同士がインターネットを通じてつながり、データ連携することで成長するロボット」
と定義した「スマートロボット」について、「ロボットキャリア事業」を展開することになっています。
「携帯電話のキャリア事業と似たイメージで展開される」
とも。
さて、DMMの言う「スマートロボット」の本質は何でしょうか?
議論は、どのようにでも始められるのがポイントです。
つまり、
「どこからでも始めれば」
よいのです。ZIBAの濱口さんがおっしゃるように、
「初日から、情報はゼロではない」
ことが重要です。
詳細は割愛します(今後「発明塾講義(無料)」で配信予定)が、多少討議した結果として、
「ちょうどいいサイズと距離感のUIを家庭に入れるビジネス」
少し分かりやすく言い換えると
「LINE、Facebook の世界を、常時接続&リアルにするビジネス」
と、なりました。
「携帯電話・・・と似た・・・」
とDMM自身がコメントしていますが、
「携帯電話」
「ウエアラブル」
との対比や補完関係に注目すると、この新しいビジネスの秘めた可能性が、はっきり見えてきます。
DMMが失敗したり、伸び悩んだら、チャンスかもしれませんね。
キヤノンがお得意の、
「後発参入にチャンスがある」
パターンに持ち込めそうです。
「携帯電話」
「携帯キャリア」
「ウエアラブル」
「IoT」
関係の方は、当面このDMMの"DMM.make ROBOTS"から、目が離せないですね。
(特許は先に・・・出しておいた方が・・・よさそうです、アイデア勝負ですから)
その後のマシンビジョンの討議で、練習問題の成果は、しっかり生かせましたかね?
次回も引き続き、マシンビジョンの討議をします!
※ 注) ついでに、「なぜホリエモンは、DMMのロボットビジネスを否定したのか」についても、考察しました。裏読みですかね。