前回、各自の「発明」について振り返りましたが、今回は、
「発明法」
を振り返ることに、時間を割きました。
繰り替しですが、発明を振り返ることには、2つの意味があります。
①その発明を、更によいものにする
②発明法を、更によいものにする
この、②のような「メタ」な部分が非常に重要です。
「時間を、メタな部分に投資して、将来の自由度を高める」
それが、
「マスタリー(熟達)」
です。
今回僕は、実際に「マシンビジョン」の新たな用途を創出する、というテーマにおいて、その場で、発明方程式を様々な観点から解いて、
「求められるどのような観点からも、問題は解きうること」
を、示しました。
「シェリル・サンドバーグは、幸運の銀のスプーンを
くわえて生まれてきたのか?それとも・・・」P.ティール
ツールを使うのは、その方が効率がいいから、のはずなので、
「より効率よく解ける手法」
を、常に追及する必要があります。
過去に教わったワンパターンな方法を、なんとなく、漫然と繰り返していても、どこにも行けません。
(そういう状態を”道具に使われている”と、僕は呼びます)
ツールは、目的とともに変化してこそ有効です。
日常生活で、「マスタリー」のために「PDCA(Plan-Do-Chech-Action)」を行う、としましょう。
「PDCAを行おう」
と掛け声をかけても、何も変化は起こりません。
「目的に応じたツール化」
が、されていないからです。僕が実際に行っている「ツール化」は、以下です。
①日記
②日報
③振り返りメモ
以下、少し詳細を見てみましょう。
①日記
以前も紹介したように、「5年日記」を使って、目標に対してどこまで来ているのか、毎年毎年の状況を日付で比較できるようにしています。
目標も変わりますが、変わりゆく目標を並べることで、本当に目指すところが見えてくる、という意味で「先読み」に向いています。
過去を振り返ることで、自分の成長はもちろんですが、
「失敗(特に、決断=意思決定の失敗)を明らかにする」
ことが、第一の目的です。
このフィードバックがあってこそ、よりよい意思決定が行えるようになります。
②日報
日々の業務、特に時間配分をチェックします。ドラッカーも同じことを書いていますが、僕は川崎重工時代に(ドラッカーの件は知らず)
「毎日、なんでこんなに忙しいんだろうか?」
と思って、全ての作業を時刻でメモをしたことがあります。当時、設計者だった僕が、最も時間を使っていた作業、それは、
「図面作製でも、設計計算でも、実験データの分析でもなく、”電話”だった」
ことがわかりました。当時、PCは2名に1台、自分の電子メールアドレスはあっても、取引先にはない(つまり社内用)、という時代でした。
「取引先に、FAXで図面を送って、その説明のために電話をかけまくる」
ことに、1日の80%以上の時間を使っていました。
畳何枚分もあるような巨大な図面を、A4に切って番号を付けて送って・・・今考えると、ローテク過ぎてゾっとします(笑
後に、自分の仕事を考え直す、きっかけになりました。
ちなみにその後、
「3次元データを、そのまま協力先に転送して、自動で金型が出来る」
みたいなPJをやりました。
「21世紀の仕事って、こうでなきゃ」
と思いましたね。
③振り返りメモ
これは、主に
「発明討議」
「各種セミナー/討議」
のログを残す/振り返り、方法論をブラッシュアップする、ために用いています。発明討議については、一部は手書きで整理しています。
「Why」
を掘り下げ、理論化することで、次の見通し(Plan)が立てやすくなります。
関連書籍からの引用なども付け加え、手法を進化/深化させるための、
「時間を確保する」
意味でも、
「どんなに時間が経っても」
必ずまとめることにしています。
皆さんも、日々の発明作業に埋没するのではなく、
「マスタリー」
のための作業を、きちんと日々の生活に組み込みましょう。
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