厳しいようですが、
「大学生なので、この辺で勘弁してもらう」
みたいな発想は、発明塾には不要です。成果オリエンテッドで評価してもらう、ということは、年齢や学歴は関係ない、ということです。現に、発明提案書には、年齢や学歴を書く欄は有りません。
僕は度々、海外のレビュアーや発明家に、
「え、あの発明を出したの、あなただったの?」
「こんなに若いと思わなかった」
と言われました。
多くのレビュアーには、僕の発明は、
「70歳ぐらいの、企業を引退したベテラン技術屋が書いた発明」
に見えるそうです。
「よく練られた、緻密な発明(elaborate と言ってました)」
だそうです。
褒め言葉だと、思うことにしています。
川崎重工、そして小松製作所時代に、設計者として鍛えられ身に付けた
「要求仕様を適切に定め、それを達成するために、世界中から技術を探し出し、組み合わせ、徹底的に最適化し、足りない部分を補う」
能力、思考回路が、そのまま役に立っています。
「設計者」として、今でもたまに読み返します。
「発明って設計」と思うのは、僕だけでしょうか?
技術を一つ一つ、精緻に組み合わせ、目的を達成する。
「設計こそ、発明」
一方で、発明に携わるようになってから、
「技術シーズの新しい用途を見つける/発明する」
ことの面白さを、実感しています。
既にある製品や技術の先を考えることも楽しいのですが、
「技術を始点に、飛び地を取っていく」
ような、
「ダイナミックな楽しさ」
が、シーズ型の発明には、存在します。
「飛び地が見つかった時の、ドキドキ、ワクワク」(注)
には、体験した人にしかわからない、表現し難いものが有ります。
ぜひ、多くの人に体験してほしいと、思っています。
シーズ型、ニーズ型など、発明の方向性には、いくつかのパターンがあります。配信中の「発明塾講義」で解説しているように、目的に応じて、発明の手法は大きく異なります。
「なんとなく集まって、ワイワイやる」
のも、楽しみではありますが、
「知的生産」
という点では、「楽しい!」で満足していては、なかなかレベルは上がりません。
今回のコンテストを通じて、
「技術シーズ型発明」
の方法論と「ドキドキ」「ワクワク」を、しっかりと自分のものにしてね。
ではでは、次回もよろしく!
※ 注) 前回の討議内容を参照