来週に向け、しっかりと提案書を仕上げ、また、「誰がその発明を待っておられるのか」も、明確にしましょう。
よい発明は、
「全ての利害関係者のニーズを満たす」
ものになります。発明塾用語で言う
「惑星直列」
を待つ、針の穴を通すような作業です。じっくり考え、提案書として仕上げて下さい。
一方で、発明には「タイミング」も重要です。技術発展、市場動向、マクロ経済など、複数の視点から、
「今取り組むべき」「今提案すべき」
というタイミングで、アイデアを提案書にまで一気に仕上げ、世に送り出していく必要があります。
すでに起業準備に入っている人は、「資金調達のタイミング」が、「マクロ経済動向」に大きく左右されることを憶えておきましょう。順風が止む前か、逆風が止まるタイミングを、うまく捉えることも重要です。
楠浦が普段チェックしているレポートの一つに、米国 WellsFargo ストラテジストが出すレポートがあります。日本の金融機関のものも、みずほ、三菱UFJなどいくつかチェックしています。
ちなみに WellsFargo は、カリフォルニアを拠点とした Community Banking 大手で、
「カリフォルニアを独占している金融機関」
と考えても、大きな間違いはないでしょう。Bizモデルとしても、大いに参考になります。
直近のレポート(5月13日)を、見てみましょう。
May 13, 2016
A key stock market indicator is finally rising again!?!
とあります。今後の米国経済がどうか、というようなお話です。
(画像をクリックすると、レポートへ移動します)
マクロ経済データにも、強くなってね。
労働時間の伸びを示すチャートが掲示されています。失業率はどんどん低下し、労働時間は長くなり・・・ですから、あとは、給与所得の伸びなどをチェックすれば、可処分所得が増え、消費が上向きつつある流れは固いのではないか、という仮説が立てられます。
実際の数字は、すでに紹介済みの セントルイス連銀「FRED」 で確認できます。後は各自で見て欲しいですが、
✔ 消費支出は伸びている
✔ 住宅も堅調
な一方で、
✔ 自動車、耐久消費財の数値が伸び悩んでいる
✔ 需給バランスは、供給過剰気味で、在庫が解消されていない(というか増えている)
ことに気づきます。
「サービスエコノミー」
等と言われますが、やはり、これまで伸びてきた「自動車」「耐久消費財」が伸びていないのは気がかりです。これが直接の原因ではないでしょうが、自動車メーカーにも動きがあります。
「Uberとトヨタ、配車サービスとリースで戦略提携を発表」(Techcrunch より)
他、自動車ローンの焦げ付きが増加しているという報告もあり、気になるところです。
ビル・ゲイツおすすめの本。
「これから事業を始める」方には、
ナルホドこういう手もあるのか、
と参考になるでしょう。
さて、発明塾7年目にあたり、過去のブログやメモを見なおしています。
それで、最近思い出したことの一つに、ある支援者の方から頂いた言葉があります。
「楠浦さん、発明塾って誰でも真似できるんですかね。そうだとしたら、早く普及させて、他に手柄を取られないようにしたいですね」
大体、上記のようなお話でした。真似できるようなできないような、当時は未だよくわからない状況だったので、いろいろなことを考えるよいきっかけになったお言葉でした。
その後やってみて気付いたことは、
✔ 発明塾の本質は、「発明を育てる」こと
✔ 過去の楠浦の時間の大半は、「発明提案書」をベースに、発明を育てることに費やされていたこと
✔ 「発明を育てる」のは、実は「たいがい、めんどくさい(関西弁で)」作業であること
✔ こんな面倒なことを、他にやりたがる人がいるとは、とても思えないこと(*)
✔ しかし、楠浦はこの作業が、「結構好きであること」
です。少し前に、
「その時、”君”がリーダーになる」~創造的リーダーへのStepその1(第331回報告)
で、Jazz の Improvisation の話をしました。
「即興で、これまでの流れや文脈を踏まえ、かつ、全く新しい表現を追求する」
が、 Improvisation の本質であり、それは「発明」の本質でもあると。
別のところで、「正常進化」という話もしました。
「エッジを拾い、進化させろ!」~カワサキで学んだこと(第323回報告)
「エッジ」を拾い、improvisation で「正しく進化」させる。
弊社 e発明塾「課題解決思考(2)」のコンセプトである、
「突破発明」
も、同じことです。
つまり、発明を育てるとは、
「今ある発明(アイデア)を、常に突破し、新たなものへ進化させる」
ことを、
「続ける」
ことです。尊敬する経営者の1人 ユニ・チャーム の 高原慶一郎 氏は、
「日当たりで、その瞬間瞬間の壁破りを行う」
と、おっしゃられています。
(「BCG流 経営者はこう育てる」参照)
同じことです。
発明を育てるためには、安易に
「まとめ」
てはいけません。アドバイスも、不要です。一緒にその発明に入り込み、
「積み上げてきたものを、容赦なく、惜しげも無く突き崩す」
作業を繰り返し、よい発明に仕上げるのです。そして、こんなに楽しいことはありません。
「どんな発明になるのか」
ワクワクします。
まさに「発明セッション(Session)」で、improvisation の連続です。
「磨きぬかれた本質」
以外は何も残っていないが、たしかに、その人の発明である。
そういう発明に
「進化」
させることが、
「発明を育てる」
ということです。
長くなりましたので、今日はこの辺で。
* ちなみに、現在、発明塾で発明の育成を僕の代わりに担当してくれている 小塚くん 曰く、
「楠浦さんが、発明を育てることに、尋常じゃない、膨大な時間を費やされていたことがわかりました」
「だから、あのような発明になったのだとわかりました」
とのこと。本質は、常に、「見ようとする人にしか」見えないものです。
また、彼曰く
「楠浦さんは時々、”何でこんなに時間を掛けるんだろう”というぐらい、あることに時間を掛けることがある。隣にいて”大丈夫かな”と思うぐらい・・・」
だそうです。これについては、
「最小労力とは省略することではなく、必要な筋道を取りながら、規模を小さくすることである」
という、僕が尊敬する投資家の言葉を、引いておきます。
スジを飛ばしてはいけない、という、アタリマエのことと、「筋を通す」ために、スジと関係ないことを、どう小さくしていくか、なのです。
これは、僕が高校時代に学んだ塾で
「臨界量に達しないと成果が出ない」
という話を、水の入ったツボに石を入れるという喩え話で、繰り返し聞かされたからです。
「臨界量に達するまで粘る」
ためには、スジ以外をできるだけ小さくしていくしかありません。他にやりようがないのです。
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(楠浦からのレターが、無料で週に1‐3回届く、とお考え下さい)