「発明塾®」へようこそ!: 「CNTセンサーの要所は”デバイ長”と理解できたか」~特許情報分析による技術マーケティング(発明塾京都第221開催報告)

2015年3月21日土曜日

「CNTセンサーの要所は”デバイ長”と理解できたか」~特許情報分析による技術マーケティング(発明塾京都第221開催報告)

今回も、各自の持ち込み討議を、3件行いました。


各自の発明については、情報管理の関係で紹介を割愛させていただきますが、今回取り上げたトピックの一つに、

「CNTを用いたバイオセンサーが、今後普及するかどうか」

を、”現時点での”論点にしたものがありました。


特許情報分析を基に、CNTの今後興りつつある用途を洗い出している途中で、出てきたものです。

該当する特許の一つが、これです。

標的物質検出バイオセンサーおよび標的物質検出方法


まず、中身を理解できなければ、

「普及するか否か」

議論する以前の問題です。


なぜCNTが良いのか。

これがわからないと、特許をマップにしたりグラフにしたりして、数字を”こねくり回し”ても、永久に結論は出ません。


詳しくは、実際に特許公報を読んでいただきながら、量子力学か物性物理の教科書を紐解いていただくとして、

「CNTを用いたトランジスタ」

と、結局のところ原理は同じなんじゃないの、というところまで、読み進められました。


「デバイ長」

なんて、懐かしいじゃありませんか。

こんなところで再会するとは・・・。

僕が「細胞培養」に関する新規事業開発と
ナノ構造細胞培養プレートに関する技術開発を
行っていた時には、こんなに良い教科書は
ありませんでした。
高校で生物を選択していなかったので、苦労しました。


他、今回の特許で想定している用途は、「バイオセンサー」のようでしたので、

「抗原抗体反応」
「ELISA、ウエスタンブロットなどの従来の生化学の分析手法」
「RNA干渉」

など、生化学の基本的な技法や社会に出るまでに知っておきたい基礎知識を、おさらいしました。

こういう基礎的な知識がないと、新聞を読んでもチンプンカンプンになりかねないぐらい、技術進歩が経済と結びついています。


特に、新しいことをやる場合、その根源に

「サイエンス」

がないと、持続的な競争優位が得られませんので、常に最新のサイエンスの情報に目を配りつつ、それを瞬時に理解できる「基礎知識」を、身に付けていきましょう。


次回もよろしく!