個人的には、あまり進んでいなかった塾生のアイデアに進展が有ったことが、収穫だったと思っています。やはり、時間を掛けることが重要です。
現在のテーマでの討議は、SR(Solution Report:発明提案書)完成まで含め、1月末で終了としますので、年末年始も含め、発明にしっかりと時間を割いて下さい。大学生にかぎらず、多くの大人にとっても、年末年始は「まとまった時間が取れる、唯一の時間」です。
ここでどれだけ集中出来るかが、大きな成果を出せるかどうかを決めます。
自主合宿が予定されているようですので、大いに期待しています。
年末ということで、軽くこれまでと2013年を振り返っておきましょう。発明塾京都は、2013年で四年目を迎えました。東京と合わせると、開催回数は累計で250回を越えており、その議論の積み重ねが「発明塾式発明法」を確実に進化させてきました。
提出した(発明提案書として完成した)発明の数は、累計で百を軽く越えており、過去の発明を振り返ることで見えてくるものがあることも、今年度々実感したことでした。
さて、皆気づいていると思いますが、僕が意図的に2013年に時間を割いたことが、二つあります。
①知財戦略の各種パターンを、ケーススタディーとして解きまくる中で、理解してもらう
②企業に着目した特許分析を、テーマを変えて行う
いずれも、企業ではごく普通に行われる(注1)ことですが、大学の教育はまだ追いついていませんので(注2)、皆さんがこれらの手法に習熟しておくことは、今後社会人として活躍する上で、大きなアドバンテージになるでしょう。
ということで、2013年は、これまでの発明塾が「どちらかと言うと技術オタク寄り」の内容から攻めていたのに比べると、
「知財寄り」かつ「実務寄り」
の内容を重視してきた、と言えるでしょう。僕が目指すものがあくまでも「総合工学的アプローチ」であることは、変わっていませんし、むしろそれに近づいているといえるでしょう。
発明塾が定義する「発明」が、
「ビジネスモデル付きのアイデア」
であることもまた、変わりはありません。「資本主義/市場主義経済」の仕組みに載って広く普及し、世の中の問題を解決できるアイデアを生み出すためには、どのように考えればよいか、という「方法論」を、今後も追求していきます。
エジソンの発明史を紐解くと
事業への執念を感じます
最後になりますが、今年で卒業する「卒業生(卒塾生?)」は、今後、研究/経営/知財などの仕事に就くことになると思いますが、「さすが発明塾」と言われるように、最後まで自分の力を高めてください。
もちろん、大活躍を期待しています(約束されていると思っています)。
では!
※ 注1) 弊社内でも、教育を兼ねて勉強会を行い、各種業界の主要/注目企業の特許分析とそれを踏まえた知財戦略の立案、発明創出を常に行っています。
※ 注2) 「知財教育の必修化」は既に指導要領には入っていますので、あとは実践の時間を待つだけ、です。3月に文科省主催のシンポジウムでこのあたりの現状を取り上げて講演をしますので、お楽しみに。