京都は第73回を迎えました。なんとなく、100という数字が見えてきたところですが、回数をやることを目的にしているわけではありませんので、第100回に何かを行うということはありませんので念のため。
さて、冒頭に個別討議の内容をシェアした後(わかりやすい発明提案書とはどういうものなのか)、今回は各自に作ってきてもらったマインドマップを順にレビューし、討議しました。
・同じ情報に基づいているはずなのに、各自違う(MECEであったとしても、そのパターンは無限にある)
・そもそも、上位概念の捉え方が各自違う(何を本質と考えるかが、人によって違う)
ということがわかったと思います。実はここに、発明の本質が潜んでいます。
人の気付かない本質(上位概念)を通じて、別の世界にトンネルした人(まさに量子力学的な確率なので、トンネル、と言う表現がぴったり)が、面白い発明にたどり着くのだと思います。
つまり「上位概念化能力」を磨くことがKeyなのです。そしてその上位概念は「1つ」では無いので、複数の上位概念を常に考える、という、僕がいつも言う「答えは一つではない、解き方は一つではない」という世界なわけです。
これは、訓練しかありませんので、他の人のマインドマップを参考にしながら「なんでそういう上位概念になるのか」考えながら、自分なりのマップを作りなおす、その作業の繰り返しです。同じ情報に基づいて、いろんなパターンのマップを作ってみる。その中から、ユニークな軸を持つ物が出てくるはずです。
あと一つ。
各自、物の見方は違うので「その上位概念はおかしい」的な議論に意味はありません(あきらかに意味を成さないものや、上位の概念になっていないものは別ですが)。むしろ「なんでそういう上位概念になるのか」ということを考えることで、あらたな本質が見えてくることがしばしばです。
何を共同作業にして、なにを統一しなければならなくて、何を個人の作業にするのか。
このバランスが非常に重要です。ここでは説明しませんが。
各自が個人としてしっかりと作業をしてきて、初めて全体の討議が成り立つことは、改めて釘を差しておきます。そうでなければ、逆に議論の足を引っ張る事になります。
材料強度学で言う「最弱リンク理論」です。意味がわからないという人は調べておいてください。
では、次回も宜しく。