2014年4月26日土曜日

発明塾京都第177回開催報告~発明に王道なし:「サイエンス」を押さえること

第177回も、無事終了しました。

京都は、昼間は暑いぐらいでしたが、夜はまだ肌寒かったですね。


さて、今回も第176回同様の3部構成で実施しました。

1)アイデアコンテストでベンチマークした特許群の、出願動向分析
今回の分析で、「この一連の出願で最も重視されている技術思想」=「この一連の出願の中心となる技術思想」を見抜くことができました。

ところで、その前振りとして「粘弾性」「濡れ性」「表面エネルギー」についておさらいをしましたが、つながりが理解できましたか?

粘弾性の式は、電気系の人にとっては基本中の基本である「LCR」回路と同じ。「高分子化学」だからといって、苦手意識を持つ必要はありません。ついでに複素関数と線形代数の復習もしたいところかな。

過去にも、発明に関連して表面エネルギーの話題は取り上げていますし、僕自身の過去の研究の一つにナノテク関連があるので、表面支配の世界ということで、何度も紹介しました。

でも、実は僕が表面エネルギーを最初に取り扱ったのは、卒論のテーマである「金属疲労におけるき裂進展挙動」です。平たく言うと破壊力学です。

ものが「破壊」するかどうか、どうやって決まると思いますか?高速道路のひび割れが、進展するかどうか、何で決まっているのでしょう?

それこそが、表面エネルギーの問題であり、破壊力学の本質です。
(興味ある人は、ぜひ調べてね)

このように、ほとんどの学問/自然現象は奥深くでつながっており、サイエンスや数式のレベルできちんと理解していれば、少ない知識で統一的に語ることができる、ということを体感してもらえたと思います。

一方で、「粘弾性の式(マックスウェルモデルにせよ、フォークトモデルにせよ)は、具体的にこういう現象を表している」というイメージ、直観に基づく理解も重要です。


再度、参考書をあげておきましょう。

・「物理数学の直観的方法」(長沼)
・「ロゲルギスト」シリーズ
・「オイラーの贈り物」(吉田)


世紀の大発見は、
結晶学に関する深い理解と
幾何学的センスの賜物。
論文は、シンプルでわかりやすく、
大発見にふさわしいものです、
理系の学生さんなら、一度は読んで欲しい

身の回りのものを、科学し、数学し、また数式を現象で直観的に理解する。自然科学を追及する頭脳を養うには、これしかありません。

サイエンスのないところに発明はない。

GWも、しっかり勉強してね。


2)知財/標準化戦略に関するケーススタディ(続)
続きの問いを、深めました。「知財が、経営におけるどのようなツールであり得るのか」を理解しておくことが、「知/頭脳を武器にする」人たちにとって、極めて重要です。

翌日の立命館大学での講義でも、同じケースを基に、活発な議論を行いました。


3)進歩性に関する演習
今回は、前回の議論を振り返りつつ、追加の問いを行いました。

「物事を多面的に/異なる立場から見る」
「常に、事実と根拠を基に議論を進める」

ことの訓練もかねて、引き続き行います。

ではでは!