2013年1月11日金曜日

立命館大学「発明講義」最終回を迎えるにあたり~何を学ぶべきだったのか


 いよいよ、立命館大学での「発明講義」も次回で最終回です。本日全Grのプレゼンを見ましたが、まだまだこれからですね。もちろん、よく頑張ったことは認めますが、努力と結果を分けて評価する、のが僕流です。

 さて、そもそも本講義を通じて、何を学んで欲しかったのか、おさらいしておきましょう。講義中に話したことが大半ですので、まとめの意味も兼ねて。


1. 一つは、解の多様性を追求すること。

 これは、高校数学で教わるはず(注1)。それを、様々な問題に当てはめる訓練を徹底する。他の人の解、考えから学ぶことは多いが、最終的には、多様性を自分でも生み出せるようになること。

 サンデルも全く同じことを言っていたが、結局は、人間は社会的な生き物であり、それが強み。答えが一つではない様々な問題を乗り越えるには、いい議論が必要。いい仲間とは、いい議論が出来る相手。それを探すのも、また、高校・大学時代にやるべきこと。


2.そして、いい議論は、いい質問からなる。

 大事なのは、質問は何のためか、誰のためか、ってこと。


質問は「相手のため」である(注2)。

 だから、相手がその質問について考えることが、大きなブレイクスルーを産むような質問が、いい質問。すくなくとも、それについて誰かが答えることで、進歩もしくはそのヒントになる質問がいい質問。自分が知りたいこと、もしくは揚げ足をとって(頭の良さ?を見せびらかして)点数を稼ぐことが、質問の目的ではない。

 世の中には、質問に答えるのに時間がかかる人もいる。一向に構わない。頭の「速い」タイプではなく「強い」タイプだ。そういう相手には、矢継ぎ早の質問を浴びせてはいけない。じっくりと、一緒に考える。そのための質問を考える。それが「質問力」。ファシリテーション。

 いい仲間とのいい議論、それに必要な「質問」能力。発明塾でも、立命館「発明講義」でも、それがテーマの一つ。


(画像をクリックすると Amazon.co.jp のサイトへ移動します)
Amazonのプログラムを利用して画像を引用することにしました。
この手の本は、実にいろいろありますが、
まずはこの本。



3.もう一つは、課題を決めること。

 
 この訓練は、現状、大学でしかできない。何を解決すべきなのか、何が価値ある問題なのか。解決の価値は、課題で大半が決まる。

 中学校では、決められた問題を、決められたように解く。高校では、決められた問題を、様々な方法で解く。大学では、問題を決めることを学ぶ。社会では、それを実践し、成果を出す。


4.あともう一つ。徹底的に考えること。

 様々な視点から考えること。自分一人の視点ではなく、他人の視点を持つ、学ぶこと。それには他人と議論し、その批判を受けて、さらに考えることしかない(注3)。


なんでそんな質問が出てくるのか(注4)。

 相手の思考回路を探る。自然と、他人の視点で自分のアイデアを見る(批判する、質問をする)事ができるようになる。


5.他、結びの言葉に代えて

 「大学時代に、絶対に勉強しておくべきことはなんですか?」 と聞かれたら、僕は必ず「勉強法」と答える。一生使える「頭の作り方」を大学時代に身につけて欲しい。

 そして、他に学んで欲しかったことの一つに「チームワーク、リーダーシップ、役割分担、フォロワーシップ」特に「組織で創造的になる方法」がある。あと、「情報分析」も、しっかり身に付けてほしい。これは「仮説思考」と大いに関係がある。

・例)特許情報分析セミナー http://edison-univ.blogspot.jp/2012/10/blog-post_17.html

 他、「人の考えないことを考えること、答えが一つではないことを考えること」もある。「このとおりやったら正解ですよ」というのは、高校で終わり。社会には唯一の解は存在しないし、答えにたどり着く方法も一つではないし、その方法も、多くの場合、だれも教えてくれない。自分で考える訓練をすることが、大学でやるべきことだと、僕は考えます。

 で、最終講義は、僕から皆さんへのメッセージと半分、クアルコムという世界最強の企業の紹介半分、とします。



※ 注1)僕は「甲斐塾」の数学の講義で、徹底的にこれを教わりました。よくもまぁ、こんなに様々な解法を思いつくなぁ、と思うぐらい、生徒が次から次へと前に出て、黒板にびっしりと別解を書き綴る様は、壮観です。僕はあまり参加出来ませんでしたが。

※ 注2)これは、僕と社内メンバーの一致した意見。別に摺り合わせたわけでもなく、学生から質問を受けて、自然と同じ答えが口をついて出た。

※ 注3)そのために一つ「言い逃れや言い訳をしないこと」が重要。意見は素直に受け入れ、じっくり練り直す。批判や質問を、次に活かすためには、「言い逃れ」は障害にしかならない。その場を上手く繕わないことが、君たちを成長させる。
 そして、繕わなくて済むように、事前に「ありとあらゆる角度から」考え抜くことが、大事。批判されて沈没したくなければ、考え抜くしかない。

※ 注4)リバースエンジニアリング。これができる生徒が伸びる。



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