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2016年6月10日金曜日

「網羅的に調べました・・・」という「言い訳」思考がダメなんです~アイデアが出ない人のマインドセット(その1)

第333回は、本日開催予定ですね。

「締切に間に合うよう、きっちりした発明提案書を仕上げる」


ことを、今一度スケジュール含め、確認してください。


「採用していただけるレベルの、よい発明が、
締切までに仕上がらない」

のであれば、発明塾生としては


「失格」


です。


「どんなテーマであっても、締切までに、相手が欲しいと思う発明を出す」


のが、発明塾の「永久に変わらない」基本方針です。せっかく良い機会をいただいているわけですから、ムダにしないように。



さて、以下の記事で、


「アイデアをたくさん出して、いいアイデアが出るのを期待する」


ことの、「ある種の」ナンセンスさに触れました。


【セミナー】情報を集め「ありきたりなフレームワーク」で検討し終えたものの何も 見いだせず、思考停止に陥ってしまう・・・そんな方へ


不特定多数の方を対象に細かいニュアンスまで伝えることはこのBlogでは一旦諦め、次の話題に移ります。



特許情報分析に限らない情報分析の世界や、発明や企画のための調査分析について書かれた文献において、よく、


「網羅的に情報を分析する」


と書かれています。これに意義を唱える方は、あまりおられません。


しかし、上記のBlog 記事で書いたのと同様、塾生さんからしてみれば、聞いたこともない技術分野について、


「網羅的とか、無理です」

「情報を読むだけで、時間切れです」
「読めば読むほど、似たような情報ばかりに見えて、混乱します」

という、これまた


「至極 ”まっとうな” 意見」


が、出ました。これが、


「エッジ特許」(そして「エッジ情報」)


に注目するようになった、理由です。塾生さんは、いつも僕に「新たな気付き」を与えてくれます。

一度整理しましょう。


素人(集団)が、プロの評価に耐える発明を出さなければならなかったこと

✔ そもそも、発明に取り組むのは「その発明が求められる分野について、ほとんど知識がない人」であること
✔ その発明をレビューするのは、多くの場合、(当たり前ですが)その分野の「世界中から選ばれた」専門家集団であること

短期間で、それなりのクオリティーのドキュメントに仕上げる必要があったこと
✔ 発明提案には、期日、つまり、厳格な締め切りがあること。つまり、使える時間が極端に短いこと
✔ 通常、「発明テーマ」に取り組み始めてから、1-3か月以内に A4 で 20枚程度の提案書を仕上げる必要があったこと

徹底した成果主義であり、また「客観的な新しさ」と「市場性」の双方が求められたこと

✔ ダメなアイデアは、どんなに分厚い提案書でも、一顧だにされないこと
✔ 学生のコンテストにありがちな、「努力賞」「よくがんばったね」的な話は一切無いこと
✔ どんなに「市場性がありそうな」アイデアであっても、「同一とみなしうる先行文献が、世界のどこかに存在するアイデア」「米国の特許審査基準に照らして特許取得の可能性(進歩性)が低いアイデア」は、採用されないこと
✔ もちろん、「市場性(”確実なライセンス先”の存在を含む)」があまり見込めないアイデアも、全く見向きもされないこと


振り返ってみると、発明塾「独自」の手法や考え方が生まれた背景には、上記のような「特殊事情」があるように感じます。これを5年以上、飽きもせず地道に毎週こなしてきたことが、


「発明塾式 発明の技法」

「多くの優秀な塾生/OBOG」

の創出につながっていたのでしょう。そして、私の技量も、飛躍的に向上しました。

飽きるどころか、好きな作業だったので、特に苦痛に感じることはありませんでしたが、結果を出さなければならないプレッシャーは、日々、感じざるを得ませんでした。発明が出ないと、発明塾に社会的な存在意義は認められず、結果として無くなってしまうわけですから・・・。楽しみにして集まってくれる学生がいる以上、発展的に維持していく必要があり、その最終責任者が塾長です。


発明塾京都第188回開催報告~「なぜ皆、発明が出来るようになるのか」


で取りあげましたが、ある塾生曰く



「どんな課題にも、必ず発明を出せると信じられる」


(実際には、出さないと発明塾がなくなるから、なのですが・・・)

ところまで、「発明塾として」突き詰めた感があります。毎日毎晩、365日休みなく、世界中の特許文献を調べ、時には世界中の発明者と共同で発明を仕上げ、数十件の米国出願明細書の一字一句をチェックして米国代理人とメールで討議し、OA対応案も作成し・・・のような生活の中から、発明塾の「今の手法」と


e発明塾


は生まれました。



(Amazon.co.jpのサイトに移動します)
逆境」は、時に、人と組織を強くします。


脱線しました。



「網羅的に分析」


は、



「専門外の人間が、新たなアイデアを、期限内に必ず創出しないといけない」

場合には、


「使えない方法」


であったということ(経験であり事実)です。



しかし、多くの人が、上記のような「非常に追い込まれた状況」にあるにも関わらず、「網羅的に分析」の罠にハマってしまうのには、理由があります。


私も、「特許情報分析」を業務にしていた頃、つまり、特許情報分析の結果を販売していた頃には、ハマっていましたので、よくわかります。


それは、


「いい結果が出なかった時に、”網羅的に調べたんですけどね・・・” と言わなければならないから」


です。


繰り返しですが、私も、


「情報分析を仕事にしていた」


時は、上述の罠に「完全に」ハマっていました。必ずうまくいくとも限らない「厳しい」仕事もあるわけで、そうなると、ダメだった時のために「いろんな言い訳」も準備しないといけませんから・・・。

これ自体、特に責められるべきことではないと、思います。

つまり、


「やむを得ない」


事です。しかし、ここに書きましたが、情報分析は手段でありコストなので、


「とにかく、期限内に、いいアイデアを出す」


を仕事にした場合、


「全く異なる風景が見えてくる」


ことになりました。



ですので、例えば


「新規事業のアイデアを出す」


ことを、目標として設定し、仕事をされる方の場合、


「網羅的に分析」


するという「手段」にとらわれず、


「専門外の分野で、いいアイデアが、素早く出る」


ための情報分析を、考えぬく必要があります。「手段を目的化(例:いいアイデアが出るかどうかと関係なく、網羅性を追及)」してはいけないということです。



それで辿り着いたのが、発明塾の場合


「エッジ特許」(エッジ情報)


に注目する手法だったわけです。



何も、「発明塾の手法が普遍的で万能であり、いかなる場合においても、他の情報分析の考え方より優れている」とか「エッジ情報に注目することは、網羅的に調べるよりも良い方法だ」などと主張したいわけではありませんし、そのような不遜な考えも、持っていません。



繰り返しですが、


「専門外の人間が、新たなアイデアを、期限内に必ず創出し(続け)ないといけない」

(5年以上に渡り、年間数十件、創出「し続ける」必要がありました)

という「ある種の極限状態」において、非常に有益であったという、


「自身と塾生の経験」「事実」


ただ、それだけのお話です。全て


「発明塾を継続させ、発展させる」


ために、必要だったことです。もちろん、それが好きでなければ、できることではありませんが。




(現塾生以外の方:OBOGを含む)

宣伝になり恐縮ですが、最新の発明塾の知見を、以下セミナーで紹介します。

「 ”エッジ情報” 分析とその活用」セミナー開催のご案内 (7月13日 東京)
周囲の方へのご紹介、および、ご参加ご検討を、よろしくお願い申し上げます。


楠浦 拝


2016年6月6日月曜日

【セミナー】情報を集め「ありきたりなフレームワーク」で検討し終えたものの何も 見いだせず、思考停止に陥ってしまう・・・そんな方へ

以前、

「つい陥りがちな”ダメな企画”立案」~第318回報告

で、

「フレームワークを使って、アイデアを出して満足していてはだめですよ」

というお話をしました。要約すると

「フレームワークは、アイデアを捨てるためにある」

のですよ、というお話です。


詳細は、

「 ”エッジ情報” 分析とその活用」セミナー 

で取り上げますが、今回は、そこに至る経緯と「考え方のエッセンス」を、紹介いたします。


「よい商品以外、何もいらない」


「まず、アイデアを捨てる」も、発明塾で討議を繰り返す中で、生まれてきた考え方/手法の一つです。

よく、

「多くのアイデアを出せば、その中に、よいアイデアがある」

という話がされますし、僕もかつて、そのように信じていた時期があります。


「それはそうなんだけど、きりがない」
「正しいんだけど、時間が足りない」

というのが、

「塾生さんの ”至極まっとうな” 意見」

でした。

「アイデアをたくさん出す方法」
「アイデアを効率よく生み出す方法」

を、そのまま素直に実行して、よいアイデアが得られるのは、

「多くの時間を割ける人」
「もともとアイデアが多く出る、アイデアマン的な人」
「物知りな人」

を含めた、

「ある種のスーパーマン」

に限られると、経験的にわかりました。

ちなみに僕は過去、

「多くの時間を割く人」(割ける、ではなく)

に属していたと思います。その割に、パッとしないアイデアで時間切れになることが多かったのですが、発明塾の塾生さんとの対話から、

「上手く行くときは、効率よく ”アイデアと情報” を捨てている」
(発明塾において、アイデアと情報は等価です)

ことに気づかされました。

逆張り

のポイントを探す方法、と言ってもよいでしょう。

この、

「逆張りのポイント」

に早くたどり着くための手法が、

「エッジ」

であり、

「アイデア/情報を捨てる技術」

です。


「”エッジ情報” 分析とその活用」セミナー

でぜひ、お会いしましょう。


楠浦 拝


2016年6月4日土曜日

日々、「発明を育て」てますか?~発明は「発明の連続」で出来上がるもの

都合により、今週の全体討議は無しだったようです。

来週に向け、しっかりと提案書を仕上げ、また、「誰がその発明を待っておられるのか」も、明確にしましょう。


よい発明は、

「全ての利害関係者のニーズを満たす」

ものになります。発明塾用語で言う

「惑星直列」

を待つ、針の穴を通すような作業です。じっくり考え、提案書として仕上げて下さい。


一方で、発明には「タイミング」も重要です。技術発展、市場動向、マクロ経済など、複数の視点から、

「今取り組むべき」「今提案すべき」

というタイミングで、アイデアを提案書にまで一気に仕上げ、世に送り出していく必要があります。

すでに起業準備に入っている人は、「資金調達のタイミング」が、「マクロ経済動向」に大きく左右されることを憶えておきましょう。順風が止む前か、逆風が止まるタイミングを、うまく捉えることも重要です。

楠浦が普段チェックしているレポートの一つに、米国 WellsFargo ストラテジストが出すレポートがあります。日本の金融機関のものも、みずほ、三菱UFJなどいくつかチェックしています。

ちなみに WellsFargo は、カリフォルニアを拠点とした Community Banking 大手で、

「カリフォルニアを独占している金融機関」

と考えても、大きな間違いはないでしょう。Bizモデルとしても、大いに参考になります。


直近のレポート(5月13日)を、見てみましょう。

May 13, 2016 
A key stock market indicator is finally rising again!?!

とあります。今後の米国経済がどうか、というようなお話です。


(画像をクリックすると、レポートへ移動します)
マクロ経済データにも、強くなってね。


労働時間の伸びを示すチャートが掲示されています。失業率はどんどん低下し、労働時間は長くなり・・・ですから、あとは、給与所得の伸びなどをチェックすれば、可処分所得が増え、消費が上向きつつある流れは固いのではないか、という仮説が立てられます。

実際の数字は、すでに紹介済みの セントルイス連銀「FRED」 で確認できます。後は各自で見て欲しいですが、

✔ 消費支出は伸びている
✔ 住宅も堅調

な一方で、

✔ 自動車、耐久消費財の数値が伸び悩んでいる
✔ 需給バランスは、供給過剰気味で、在庫が解消されていない(というか増えている)

ことに気づきます。

「サービスエコノミー」

等と言われますが、やはり、これまで伸びてきた「自動車」「耐久消費財」が伸びていないのは気がかりです。これが直接の原因ではないでしょうが、自動車メーカーにも動きがあります。

Uberとトヨタ、配車サービスとリースで戦略提携を発表」(Techcrunch より)

他、自動車ローンの焦げ付きが増加しているという報告もあり、気になるところです。




(画像をクリックすると Amazon.co.jp のサイトへ移動します)
Amazonのプログラムを利用して画像を引用することにしました。

ビル・ゲイツおすすめの本。
「これから事業を始める」方には、
ナルホドこういう手もあるのか、
と参考になるでしょう。


さて、発明塾7年目にあたり、過去のブログやメモを見なおしています。
それで、最近思い出したことの一つに、ある支援者の方から頂いた言葉があります。

「楠浦さん、発明塾って誰でも真似できるんですかね。そうだとしたら、早く普及させて、他に手柄を取られないようにしたいですね」

大体、上記のようなお話でした。真似できるようなできないような、当時は未だよくわからない状況だったので、いろいろなことを考えるよいきっかけになったお言葉でした。

その後やってみて気付いたことは、

発明塾の本質は、「発明を育てる」こと
✔ 過去の楠浦の時間の大半は、「発明提案書」をベースに、発明を育てることに費やされていたこと
✔ 「発明を育てる」のは、実は「たいがい、めんどくさい(関西弁で)」作業であること
こんな面倒なことを、他にやりたがる人がいるとは、とても思えないこと(*)
✔ しかし、楠浦はこの作業が、「結構好きであること」

です。少し前に、

「その時、”君”がリーダーになる」~創造的リーダーへのStepその1(第331回報告)

で、Jazz の Improvisation の話をしました。

「即興で、これまでの流れや文脈を踏まえ、かつ、全く新しい表現を追求する」

が、 Improvisation の本質であり、それは「発明」の本質でもあると。

別のところで、「正常進化」という話もしました。

「エッジを拾い、進化させろ!」~カワサキで学んだこと(第323回報告)

「エッジ」を拾い、improvisation で「正しく進化」させる。

弊社 e発明塾「課題解決思考(2)」のコンセプトである、

突破発明

も、同じことです。


つまり、発明を育てるとは、


「今ある発明(アイデア)を、常に突破し、新たなものへ進化させる」

ことを、


「続ける」

ことです。尊敬する経営者の1人 ユニ・チャーム の 高原慶一郎 氏は、

「日当たりで、その瞬間瞬間の壁破りを行う」

と、おっしゃられています。
(「BCG流 経営者はこう育てる」参照)

同じことです。


発明を育てるためには、安易に

「まとめ」

てはいけません。アドバイスも、不要です。一緒にその発明に入り込み、

「積み上げてきたものを、容赦なく、惜しげも無く突き崩す」

作業を繰り返し、よい発明に仕上げるのです。そして、こんなに楽しいことはありません。

「どんな発明になるのか」

ワクワクします。

まさに「発明セッション(Session)」で、improvisation の連続です。


「磨きぬかれた本質」

以外は何も残っていないが、たしかに、その人の発明である。

そういう発明に

「進化」

させることが、

「発明を育てる」

ということです。


長くなりましたので、今日はこの辺で。



*  ちなみに、現在、発明塾で発明の育成を僕の代わりに担当してくれている 小塚くん 曰く、
 「楠浦さんが、発明を育てることに、尋常じゃない、膨大な時間を費やされていたことがわかりました」
 「だから、あのような発明になったのだとわかりました」
 とのこと。本質は、常に、「見ようとする人にしか」見えないものです。
 また、彼曰く
  「楠浦さんは時々、”何でこんなに時間を掛けるんだろう”というぐらい、あることに時間を掛けることがある。隣にいて”大丈夫かな”と思うぐらい・・・」
  だそうです。これについては、
  「最小労力とは省略することではなく、必要な筋道を取りながら、規模を小さくすることである」
  という、僕が尊敬する投資家の言葉を、引いておきます。
 スジを飛ばしてはいけない、という、アタリマエのことと、「筋を通す」ために、スジと関係ないことを、どう小さくしていくか、なのです。
 これは、僕が高校時代に学んだ塾で
 「臨界量に達しないと成果が出ない」
 という話を、水の入ったツボに石を入れるという喩え話で、繰り返し聞かされたからです。
 「臨界量に達するまで粘る」
 ためには、スジ以外をできるだけ小さくしていくしかありません。他にやりようがないのです。



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2016年5月30日月曜日

後発薬と低侵襲医療のトレンドが交差するところにいるのは・・・?(医療機器エッジ特許分析その後)

発明塾の学生さんは、ビル・ゲイツ(Bill Gates) がハーバード大学での講演において、

「重要な問題に資源が割かれていない」


と発言したことを、ある種、僕よりも重く受け止めてくれているようです。


最近、「発明塾って何?」と彼らに問うと、かなりの確率で上記の言葉を引用してきます。

ここに書いているから、ということだけでは、ない気がします)

僕の言葉ではないのだけれど、彼らの「心に火を灯す」言葉を紹介できたことは、やはり嬉しい。



これまで、様々な「発明テーマ」に取り組んできましたが、僕にとって衝撃だったのは、


過去に取り組んだ「解決が求められている”重要な課題”とは?」~医療分野の例と「エッジ特許」


で紹介している、


「脊椎矯正の低侵襲化」


です。血だらけの手術映像を見ながら、発明に取り組みました。医療現場の情報は、学生さんや我々のような立場では、容易に入手できませんが、様々な映像資料で補いながら発明を創出し、クライアントに提案できたのは、よい経験でした。



残念ながら採択に至りませんでしたが、それは、


「その発明は、まだまだ改良できる」


ということです。常に念頭に置き、よい発明になれば、また提案すればよいのです。そのようにして積み重ねた発明と情報が、次の「偉大な発明」を生みます。



また、僕がいつも言っているように、


「発明に、国境、年齢、性別、専門分野、学歴は 一切関係ない」


ですから、いつも発明を考え、然るべきところへ提案すればよいのです。以前もどこかに書いた気がしますが、僕の発明をいつもレビューしてくれていたある人は、僕が


「どこかの大手企業をリタイヤした、元エンジニアで技術好きのおじいさん(Old Man)」


だと思っていたそうです。アメリカでは、きっとそういう方がバリバリ活躍されているんでしょうね。お会いした時、


「まさか、こんなに若いと思ってなかったよ(So Young !)」


と言っていました。褒められているのだと、思っておくことにしました。



2004年に(この本に)出会って以来、ずっと
注目している企業の一つです。経営の勉強にもなりますよ。
でも、また、絶版のようですね・・・(笑)。


その後も僕は、「発明テーマ」「投資テーマ」探索のため、医療のテクノロジー化について、いろいろ調べています。


闇雲に調べても大変ですので、「脊椎矯正」の延長で、Stryker社 について調べていると ・・・ まぁ、この分野が日進月歩、言い換えれば、発明と投資機会の宝庫であることが見えてきました。特に、電気電子/機械系の学生には、絶好のフィールドです。



例えば、医療機器メーカーの多くは、近年、かなり活発に低侵襲医療用機器分野へ投資を行っています。直近では、例えば、Abbott 社や Medtronic 社が M&A でカテーテル分野のシェアを高めています。



また、遠隔医療との接点を探っていくと、Abbott 社に買収されることになった St. Jude Medical 社の 心不全モニタリングツール「CardioMEMS HF Systemが浮かび上がってきます。臨床試験では、手術後15か月以内に再入院した患者数が37%減少した、と報告されているようです。

素晴らしいですね。塾生さんにも、是非こういう製品/サービスを考え出し、よい製品で世の中を前向きに変革しながら、事業を成長させ企業経営に貢献して欲しい。

ちなみに、このCardioMEMS HF System」を開発したのは、その名の通り CardioMems 社であり、St. Jude 社はそれを買収し、更にその St. Jude 社を Abbott 社が・・・とM&A が続いて、かなりややこしいことになっています。



4‐5年前に発明塾で討議し、いくつか発明を創出した「遠隔医療(遠隔診断を含む)」は、上記のような医療機器開発の延長線上にあります。遠隔医療については、米国では「医療保険」業界が主導して実用化が進んでおり、「医療費低減」という大きな流れの中で、より革新的な技術が導入されるという、好循環に入っているように見えます。一方、医療保険業界(というかPBM)は後発薬の導入に熱心ですので、「医」と「薬」をまたいで、

「付加価値の再配分」

が起こりつつあり、いつも発明塾で言っている通りになっています。投資資金や、企業収益の流れ/使い道をIR情報から丁寧に拾って整理してみると、業界に起きている変化、僕がよく言う「地殻変動」が見えてきます。まず仮説的に、

✔ 「新薬 → 後発薬」(+PBMの圧力)という、製薬業界の流れ

✔ 「低侵襲医療 → 遠隔医療/遠隔診断」の流れを加速する原動力は、PBM(いわば、薬のディスカウンター)が生み出す圧倒的な超過収益 

のような構図で捉えてみましょう。この通りであれば、この流れを妨げるものはない、といえます。「好循環」とは、そういうことです。Fact はどうでしょうか。


PBMの状況、および遠隔医療への取り組みは、例えば米国最大手 UHGのHP、および、以下の記事で分かります。


UnitedHealth Widens Telehealth Coverage To Millions Of Americans


また、SEC Form (10-Kなど)にアクセスし、PBM各社のEPSのCAGRなどを調べれば、


「薬のディスカウンター(PBM)」


ビジネスが、いかに巨大な市場であるか、そして、そこで生まれた収益が、


「遠隔医療(TeleHealth、TeleMedicine)」


産業の駆動力になっていることが、おぼろげながら見えてきます。ちなみに、一部のPBMは、


「もっとユーザーに、収益を還元すべきだ」


との批判も受けており、遠隔医療推進の原動力も、長く続かない可能性もあるようです。



しかし、(批判が出るぐらい)かなり儲かっている、という見方もできます。



上位3社で70%以上(推定)といわれる寡占業界ですから、


「独占」「寡占」


の威力でもあります。うんざりするぐらい、


「方程式通り」


であることに気づかされます。ビジネスに近道はない、ということでしょう。


✔ 成長市場で最先端の機会を見つける(エッジ)

✔ 付加価値の再配分に目を付ける(Biz.Model)
✔ 独占・寡占を徹底する(知財、規制、M&A、独禁法対応)

という、発明塾でおなじみの構図です。



いずれにしても、


「業界を超えて、大きく付加価値の再配分が行われている」


ことを念頭に置き、


「どのような発明(=製品・サービス・ビジネスモデル)が、その流れを加速させ、世の中をより良くするか」


考えて下さい。



「関与するすべての人の利益になるものこそ、発明」

です。




やや込み入っており長くなってきましたので、補完する内容をメールマガジンで後日配信します。


ではでは。