楠浦です。今回も、自身の発明の特許出願に向けて「自身で特許明細書と請求項を作成した」OBOGさんの持ち込み討議を行いました。
発明塾(学生向け)開始当初は、大半が、投資ファンドへの特許提案という形態をとっていました。もちろん、特許になればいいということではなく
「実用化して普及させるために、どういう特許にすればよいか」
を考えて提案するのですが、そこまで自分で行うわけではありません。
現在は、
「自身の発明を、自身で実用化を推進し、普及させる」
ために、どういう特許が必要か、あるいは、知財戦略をどうするか、から考えてもらいます。
「より進化した形態」
になっている、と言えるでしょう。
●特許は「実用化」と「普及」のツール~「独占」のためではない
以前から、発明塾では
「特許は、実用化と普及のためのツールであって、独占が目的ではない」
というお話をしています。
今回も、
「どういう特許を取れば、スムーズに実用化と普及を進められるか」
という視点で、考えてもらっています。
それが、知財戦略です。
基本中の基本です。
e発明塾講座の一つ
「知財戦略(1)」
で
「独占的普及」
という考え方を紹介しています。
発明塾で教えている基礎的な内容は、ほぼすべて教材化されており、その基本の基本が
「e発明塾」
です。発明塾での指導内容に興味がある方は、ぜひご活用ください。
●実用化のための「特許」~「アライアンス」を前提に特許を考える
発明家が、個人ですべての技術開発や製品開発、あるいは、事業開発を行うことは、現実的ではありません。また、アイデアを思いつくたびに会社を興していては、きりがありません。
どのようにして、周囲の人の力を借りるか。
「アライアンスを前提にした知財戦略」
を、考え抜く必要があります。楠浦は前職で
「アライアンスでかなりの失敗を経験」
しており、その時の経験を余さず盛り込んだ講座が
です。あれほどの修羅場を皆さんが再度経験するのは、非効率というか、バカげています。僕も、二度と経験したくない事例ばかりです(笑
ぜひ、上記の講座で、疑似体験して学んでください。
●普及のための「特許」~「オープンクローズ戦略」のための特許
実用化、つまり、アライアンスのための特許が、技術開発のような、「こちら側」(内側)の体制構築のための知財戦略だとすると、普及のための特許は、市場開発のための知財戦略であり、「あちら側」(バリューチェーンや市場)と対峙するためのものだ、と言えるでしょう。
ただ、
「どちらも、仲間づくりのための特許」
であることには、変わりありません。
「特許を一つのツールとして、どのように協力して、価値を生み出し、シェアしていくか」
という視点で、特許を作り上げていくことが大事です。
忘れないでくださいね。
今回は、事情により参加できませんでしたが、次回は都合が合えば参加したいと思います。
楠浦 拝