「発明塾®」へようこそ!: 「特許」は「発明の独占」ではなく「発明の普及」のためのツール~発明塾第570回(2021年3月4日開催分)

2021年3月5日金曜日

「特許」は「発明の独占」ではなく「発明の普及」のためのツール~発明塾第570回(2021年3月4日開催分)

 楠浦です。今回も、自身の発明の特許出願に向けて「自身で特許明細書と請求項を作成した」OBOGさんの持ち込み討議を行いました。

発明塾(学生向け)開始当初は、大半が、投資ファンドへの特許提案という形態をとっていました。もちろん、特許になればいいということではなく

実用化して普及させるために、どういう特許にすればよいか

を考えて提案するのですが、そこまで自分で行うわけではありません。

現在は、

自身の発明を、自身で実用化を推進し、普及させる

ために、どういう特許が必要か、あるいは、知財戦略をどうするか、から考えてもらいます。

「より進化した形態」

になっている、と言えるでしょう。


●特許は「実用化」と「普及」のツール~「独占」のためではない

以前から、発明塾では

特許は、実用化と普及のためのツールであって、独占が目的ではない

というお話をしています。

今回も、

どういう特許を取れば、スムーズに実用化と普及を進められるか

という視点で、考えてもらっています。

それが、知財戦略です。

基本中の基本です。

e発明塾講座の一つ

知財戦略(1)

「独占的普及」

という考え方を紹介しています。

発明塾で教えている基礎的な内容は、ほぼすべて教材化されており、その基本の基本が

e発明塾

です。発明塾での指導内容に興味がある方は、ぜひご活用ください。


●実用化のための「特許」~「アライアンス」を前提に特許を考える

発明家が、個人ですべての技術開発や製品開発、あるいは、事業開発を行うことは、現実的ではありません。また、アイデアを思いつくたびに会社を興していては、きりがありません。

どのようにして、周囲の人の力を借りるか。

アライアンスを前提にした知財戦略

を、考え抜く必要があります。楠浦は前職で

「アライアンスでかなりの失敗を経験」

しており、その時の経験を余さず盛り込んだ講座が

アライアンスと知的財産

です。あれほどの修羅場を皆さんが再度経験するのは、非効率というか、バカげています。僕も、二度と経験したくない事例ばかりです(笑 

ぜひ、上記の講座で、疑似体験して学んでください。


●普及のための「特許」~「オープンクローズ戦略」のための特許

実用化、つまり、アライアンスのための特許が、技術開発のような、「こちら側」(内側)の体制構築のための知財戦略だとすると、普及のための特許は、市場開発のための知財戦略であり、「あちら側」(バリューチェーンや市場)と対峙するためのものだ、と言えるでしょう。

ただ、

「どちらも、仲間づくりのための特許

であることには、変わりありません。

特許を一つのツールとして、どのように協力して、価値を生み出し、シェアしていくか

という視点で、特許を作り上げていくことが大事です。

忘れないでくださいね。

今回は、事情により参加できませんでしたが、次回は都合が合えば参加したいと思います。


楠浦 拝