「発明塾®」へようこそ!: 「京都大学ものつくり講義2020」ご報告 ~ 「大学院」に行くべきでしょうか?という質問が出る背景を探る

2020年10月14日水曜日

「京都大学ものつくり講義2020」ご報告 ~ 「大学院」に行くべきでしょうか?という質問が出る背景を探る

 本年も、京都大学工学部機械系にて開講中の

「ものつくり講義」

の一コマを、担当させていただきました。

ありがとうございました。

一部内容は、別途 noteでも報告させていただきます。


本ブログは、学生の塾生さんが読まれることが多いため、ここでは、講義で出たご質問・メールでいただいたご質問と、それに対するご回答・返信を紹介しておきます。

● 「大学院」(修士)に行くべきでしょうか?~そもそも、なぜそういう質問が出るか?


過去も、類似の質問はありましたが、今回のご質問には、複数の論点が含まれていたので、取りあげます。

① 「院卒(修士)」の学歴が無いと採用してもらえないのではないか?あるいは、採用してもらえない会社が多いのではないか?

② 早く社会に出て、ビジネスに触れたい

③ 大学院で学ぶことは、社会に出て、特に、企業に入って役に立つのか?

他にも、いろいろな疑問が入り混じったご質問であったように思いましたが、重要な3つは上記であったかと感じました。

一つづつ行きましょう。

勉強するのは「バカ」になるためなんですよね、実は、、、。
これ別途、note で取りあげますー!

① 「院卒(修士)」の学歴が無いと採用してもらえないのではないか?あるいは、採用してもらえない会社が多いのではないか?


講義中は、

「今、そういうこと言う会社は無いと思います、というか、そういうこと言ってる会社は時代遅れだと思います(キッパリ)」

「それよりも、何ができるか、何を身につけているか、がすべてだと思います」

と答えておきました。昔は、採用は

「社内教育」

が前提でしたが、今は、多くの企業は、

「即戦力」

前提です。新卒でも、同じです。

補足として

「大学院で学ぶことを、今、しっかり身につけておけばいいんですよ」

とお答えしました。これ、イマイチ伝わってなかったみたいで

「大学院で学んだ専門知識は、企業に入って役に立ちますか?」・・・③

というご質問になっておりました。

専門知識の中には、役に立つものも、立たないものもあると思います。

僕でいうと、金属材料や破壊力学(僕の専門分野)の知識は、大活躍しました。

また、エネルギー工学や、大学院で学んだ政治学・経済学・哲学なども、かなり役立ちました。
(エネルギー問題の解決に取り組む大学院だったので、エネルギー問題を論じられるだけの政治・経済・哲学の素養が必要だということで、大学院のカリキュラムにこういうモノが入ってました)

発明に取り組むようになって、大学~大学院で学んだ、すべての学問知識は総動員されました。

しかし、こういう例は珍しいかもしれませんし、これを語ると、授業が後3時間延長(笑)されてしまうこともあり、切り口を変えて、以下のように答えました。

「大学院では、”まだ誰も取り組んでいない問題”を見つけて、取り組むことになるので、その方法を学びますね」

実は本来、大学時代(学士)でも、卒業論文はそうありたいところですが、実際には、勉強不足の学生が、7月から12月までの半年間、突貫工事で研究室に既にあるテーマの一部を手伝う、という感じになりがちです。

そもそも、

「”まだ誰も取り組んでいない問題”の見つけ方」

など、大学の講義や演習で教えている例は、稀だと思います。
(僕は、立命館大学で3回生に教えていましたが、、、)

発明塾に来ていた学生が最初まごまごするのも、まさにこの

「まだ誰も取り組んでいない問題(課題)の見つけ方なんて、習ってないし考えたこともない」

「与えられた問題を解くことしか、やったことがないし教わってない」

からでした。

もちろん、発明塾で3か月も過ごせば、おおよそやり方は理解できるようになり、おぼつかない部分もありながらも、取り組めるようになりますので

「教えれば(教われば)、誰でもできる」

ことだということは、10年かけて確認できています。

ということで、僕の結論は、

「発明塾なり、なんなりで、自力で取り組んで身につければよいのでは?」

ということでした。弊社では、eラーニング教材も提供していますし、いつでもどこでも、なんでも学べる時代です。身につけられるかどうかは、本人の意欲次第で、大学・大学院に行くか行かないかは、全く関係ありません。

長くなりそうですね、、、

② 早く社会に出て、ビジネスに触れたい


これは、とても大切なことだと思いますし、気持ちはわかりますが、

「触れる」

だけなら、休学してインターンをするなり、いろんな選択肢があります。

「活躍」

したいなら、ある程度の準備は必要かもしれません。

ただ、人によっては、

「社会に出て、結果を出しながら手法を身につける」

のが得意、という方もおられます。

これ、実は僕です。

学ぶ前にやってしまって、結果出しながら身につけていく。

これが僕の学び方です。

ナノテクなんて、本すら出ておらず、専門家も不在。研究しながら学ぶしかなく、何だったら、僕が作った解説記事が、ある企業で教科書として配られていた(実話)ということがあるぐらいです(笑

また、発明の手法なんて、実際に役立つレベルの完成度の高い方法は、誰も、どこでも、教えてませんでしたから、仕方ないですけど、、、

③ 大学院で学ぶことは、社会に出て、特に、企業に入って役に立つのか?


これ、①で答えちゃいましたね。


ということで、本日はこれまで。


しばらくお休みしていた、発明塾(OBOG)討議ですが、間もなく再開される予定です。

楽しみです。

OBOGに交じって、学生さんも学んでいく形式で、継続していきますので、よろしくお願い致します。


楠浦 拝



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